東京都医師会・尾﨑会長、超高齢化社会の医療のカギは「地域包括ケア、救急医療、予防医療」
東京都医師会は1月13日、都内で定例記者会見を行い、2026年に都医師会が目指す医療政策について解説した。冒頭で尾﨑治夫会長は、重点政策として①地域包括ケアネットワークのさらなる充実、②救急医療と災害への対応強化、③予防医療の推進の3点を掲げた。
地域包括ケアネットワークについて「2030年代には地域に一人で暮らす高齢者の方がおよそ60万世帯になると言われている。高齢夫婦のみの世帯やその子ども世代も単身世帯が増えることが予想され、そういった方々を24時間しっかり見守っていく体制を作らなければいけない」として「これまで東京都と東京都医師会で、3カ年計画で在宅医療推進強化事業を続けてきたが、令和8年度から事業主体が都から区市町村に移行する。区市町村事業に移行後も継続してしっかりやっていきたいと考えている」と述べた。
続いて、救急医療と災害への対応強化について「救急医療で今、問題になっているのは高齢者の救急要請が増えていること。昨年のまとめだと、令和6年の救急出場件数は約93万5000件と過去最多になった。特に75歳以上の後期高齢者の割合が顕著に増加して軽症例も多い。24時間の見守り体制を構築すればそういったことを防ぐことができて、高齢者救急に対してもよい影響があるのではないかと考えている」と言及。
「救急医療全般で考えると、本当に救急医療が必要な方や命に関わる方をしっかり救うシステムを作らないといけない。中でも急な心臓病と脳血管障害は命に関わってくる病気だと思っている」といい、
「心臓病には東京都CCUネットワーク(急性心筋梗塞を中心とする急性心血管疾患に対し、迅速な救急搬送と専門施設への患者収容を目的に組織された機構)。急性大動脈疾患には急性大動脈スーパーネットワーク(循環器内科と心臓血管外科が協力して緊急診療体制をとり、効率的に患者受け入れを可能にする)がある。急性期の脳卒中、特に脳梗塞について血栓溶解療法ができる医療機関は多いが、最近は血栓回収療法(脳の血管に詰まった血栓をカテーテルを使って直接抜き取る治療法)というのがあって、非常に有効な治療法だが東京全体には行き渡っていないのでこうしたネットワークを作っていきたい」と尾﨑会長。
さらに、予防医療の推進について「少子超高齢化社会の中で社会保障を支える人が減り、高齢者を中心に病気にかかる人が増えてくる中で予防に力を入れ、病気になる人を防いでいくことが非常に重要ではないか」と訴え、
「幼少期だと乳幼児の検診や必要なワクチン接種の推進。学童期には学校医の先生を中心に健康教育を充実させ、がん教育、性教育、たばこやアルコールのリスクなど健康リテラシーをしっかり身につける。大人になったら生活習慣病検診やがん検診をしっかり受けていただく。日本はがん検診の受診率が非常に低いと言われていて、やはり自覚症状だけだと自分の体がどういう状態か分からないので、検査や検診をしっかり受けて早期に見つけることが非常に大事。高齢者にはいわゆるフレイルや認知症に対する予防医療を積極的に行っていく」などと表明した。

