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ひっくりかえる― Turning around ― 展

2012.04.09 Vol.547

ワタリウム美術館 開催中~7月8日(日)

 日本特有の見えないモラルや既成概念と戦う日本のChim↑Pom。アフリカやブラジルなどの貧困街で力強く生きる女性たちのポートレートを展示して注目を集めたフランス人写真家・ジェイアール。ロシア当局への挑発的な作品を放ったロシアのアート集団・ヴォイナ。痛烈なパロディーや揶揄で商業広告を批判し続けるカナダの雑誌『アドバスターズ』。日本・フランス・ロシア・カナダの革命的な4組の表現者が集結。「ひっくりかえる― Turning around」というタイトル通り、既成概念を“ひっくり返す”かのような作品を発表してきた彼らが今、アートで表現するものとは。混迷する現代社会の中で声を上げ続けてきた彼らの作品が放つパワーは、不安や迷いに凝り固まった我々の心を揺さぶるはず。もしかしたら、あなたの中の何かが“ひっくり返る”かも?

【時間】11~19時(水曜は21時まで) 【休】月曜(4/30は開館) 【料金】大人1000円 学生800円 ※会期中何度でも入場できるパスポート制チケット 【問い合わせ】03-3402-3001 【交通】地下鉄 外苑前駅より徒歩8分 【URL】http://www.watarium.co.jp


写真に見る多様性/Diversity in Photography

2012.03.26 Vol.546

ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート 3月29日(木)~5月19日(土)

「写真」と一口に言っても、そこにはさまざまな表現、技法、アプローチが存在する。そんな写真の多様性に着目しながら、それぞれの表現方法にたどり着いた写真家たちと、その作品を紹介する展覧会。

 アナログからデジタルへと移行していく現代社会の中で、多くの写真家もまた、従来のフィルム撮影・プリントというスタイルから、デジタルカメラによる撮影・パソコン上でデータ加工するというスタイルへ移行している。

 本展では、従来のフィルムをベースに製作されたゼラチン・シルバー・プリントの作品や、デジタル加工された画像データを印刷するラムダ・プリントの作品、他にもインクジェット・プリント、フレソン・プリントなど、さまざまなアーティストによる、さまざまなジャンルの作品を紹介する。出展作家は、マーカス・アモン、ロバート・ファーバー、ギド・アルゼンチーニ、五味彬ら。

 技法の違いが、それぞれの写真家の作品の中でどのように生かされているのか。写真家たちがなぜそれぞれの技法を選んだのか。意識しながら鑑賞してみて。

【時間】11~19時(土曜は17時) 【休】日祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3275-1008 【交通】JR東京駅八重洲口徒歩3分 【URL】http://www.g-sho.com/


六本木アートナイト2012

2012.03.19 Vol.545

六本木ヒルズ他 3月24日(土)・25日(日)

 六本木の街に、美術作品、音楽、映像、パフォーマンスなど多種多様な作品を点在させ、六本木エリア全体でアートを楽しむことができる、一夜限りのイベント。2009年からスタートし、3回目を迎える今回は「アートでつくろう、日本の元気」をテーマに開催。前衛芸術家・草間彌生による『愛はとこしえ、未来は私のもの!』をはじめ、京都を拠点に活動する気鋭のアーティスト「Antenna」による祭りをモチーフにしたインスタレーション『六本木伝承2012』、震災復興支援プロジェクト『Roppongi Agora』など作品、イベントめじろ押し。

 バルーンを用いた全長10mの新作「ヤヨイちゃん」「リンリン」をはじめとする草間作品が六本木のあちこちに出現する他、ドットに彩られた「水玉カフェ」も登場。草間ワールドを六本木で体感できる。

【時間】24日10時~25日18時 ※コアタイム:24日17時56分(日没)~25日(日)5時38分(日の出) 【料金】無料(一部除く) 【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル) 【交通】地下鉄 六本木駅 【URL】http://www.roppongiartnight.com/


指江昌克展「見えざる手」

2012.03.12 Vol.544

ミヅマアートギャラリー 開催中〜3月31日(土)

 出身地・金沢を拠点に活動するアーティスト・指江昌克の個展。指江の作品に登場する瓦礫の山に浮かぶ球体の街は、彼の代名詞ともいえるモチーフ。瓦礫は主に消費文化や近代化に伴うスクラップ&ビルド、時に戦争や災害のもたらす日常生活の崩壊を象徴している。かつて、アダム・スミス(1723-1790)はその著作『国富論』で、個々人の利益追求が結果的に社会全体の利益を生むとする市場経済の調整機能を指摘した。現在我々が生きるこの社会は、その「神の見えざる手」が築いた真の利益追求の姿だというのか。指江の作品を見るとき、さまざまな問題を抱えながら膨れ上がる現代社会への疑問が、じわりと湧いてくる。

 本展では、高さ3.3メートルのふすまを使った作品を中心に、5点の新作で構成される。瓦礫や、都市の上に超然と浮かぶ球体に、指江は何を示唆しているのか。精緻な観察と対比によって生まれる指江の作品は、この世界を真摯に映し出す鏡なのかもしれない。

【時間】11〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3268-2500 【交通】地下鉄 市ヶ谷駅出口5より徒歩5分 【URL】http://mizuma-art.co.jp


ジェレミー・ディッキンソン展

2012.03.05 Vol.543

小山登美夫ギャラリー 3月10日(土)〜4月14日(土)

 ジェレミー・ディッキンソンはロンドンを拠点に制作活動を行う現代アーティスト。彼がモチーフとしているのは、子どものころから集めてきた“ミニカー”だ。彼のアトリエには、モデルカーやトラック、いろいろなバス、クレーン車、さらには電車まで、さまざまなミニカーが色や種類によってグループ分けされ、保管されているという。

 そんなミニカーたちは彼の作品のなかで、いきいきと再現される。積み木のように敷きつめられたり、塔のように積まれたり、輪になったりと、さまざまな並び方は抽象画のように見る者の好奇心を刺激する。一つひとつのミニカーは緻密な筆によって描かれ、サビや傷、色あせすら再現される。それは、過去に誰かが遊んだ証拠であり、流れた時を示すもの。一つひとつのミニカーに、物語と歴史があることを伝えてくれる。

 本展では、色とりどりのブロックとミニカーで形作られた交通地図のシリーズと、ミニカーのコレクションを描いたシリーズ、2つのシリーズの新作ペインティングを展示。集めることと描くことは循環のようになっていると語るディッキンソン。新たなコレクションから得たインスピレーションがどんな新作を生んだのか。

 また、同じく3月10日より同ギャラリー7Fにて、菅木志雄の展覧会も開催されるのでこちらもお見逃しなく。

【時間】12〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3642-4090 【交通】地下鉄 清澄白川駅 A3番出口より徒歩5分 小山登美夫ギャラリー6F 【URL】http://www.tomiokoyamagallery.com


「望郷 – TOKIORE(I)MIX」山口晃展

2012.02.27 Vol.542

メゾンエルメス 開催中〜5月13日(日)

 クラシカルな日本美術の様相を用いて、現代の日常をイマジネーション交えて描く現代美術家・山口晃の展覧会。

 山口は1969年生まれ。東京藝術大学にて油画を専攻、同大学院修了後、日本美術史と大和絵の深い造詣と、精緻な技術をもとに、独特の想像力とユーモアを持って日常と空想が混ざり合うような作風を確立してきた。2001年には、第4回岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を受賞、近年では書籍や新聞挿絵、パブリックアートなど、活躍の幅を広げている。

 本展では、山口晃の代表的スタイルとなっている、洛中洛外図に着想を得た俯瞰図だけでなく、電柱のシリーズやノスタルジックな仕掛け小屋なども登場。見なれている光景が見知らぬ時代と重なり合う、奇妙な懐かしさと距離感。その面白さを味わえるのは、この作家ならでは。

【時間】11〜20時(日曜は19時まで・最終入場は閉場30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3569-3300 【交通】地下鉄 銀座駅 B7出口 メゾンエルメス8階フォーラム 【URL】http://www.art-it.asia/u/maisonhermes/2aMXQdZlgfwYi1GcBRxn/


靉嘔 ふたたび虹のかなたに

2012.02.13 Vol.541

東京都現代美術館 開催中〜5月6日(日)

 1960年代、フルクサス運動に加わり国際的にも注目を集めた美術家・靉嘔(あいおう)。その初期から新作までを網羅する回顧展を開催。

 エッフェル塔に300mもの虹色の帯を取りつけた「300m レインボー・エッフェル塔・プロジェクト」や、男女の姿を虹色で描いた「アダムとイヴ」など、作品に虹色が多く登場することから“虹のアーティスト”とも呼ばれる靉嘔だが、彼は単に“虹”という現象をモチーフにしているわけではない。色を追求し続けた結果、固有の色を排除して、光のスペクトル(可視光線)の順番を借り“すべての色”を用いるというスタイルにたどり着いたのである。

 本展では、虹のシリーズやパフォーマンスのドキュメント、触れて楽しむ体験型のインスタレーションに加え、192色の虹色で描かれた新作「マイ・いっくに・フレンズ」も展示。こちらは水平に置いたカンヴァスに、ランダムに192色の絵の具を流したもの。靉嘔はその色一つひとつを人物に見立て、それぞれに友人たちの名を記している。

 生命力あふれる靉嘔の世界を楽しんで。

【時間】10〜18時(入場は閉館の30分前まで) 【休】月曜 (4/30は開館)、5/1 【料金】一般1100円 大学生・65歳以上850円 中高生550円 【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル) 【交通】地下鉄 半蔵門線 清澄白河駅より徒歩9分 【URL】http://www.mot-art-museum.jp


生誕100年 ジャクソン・ポロック展

2012.02.06 Vol.540

東京国立近代美術館 2月10日(金)〜5月6日(日)

 1940年代に、著名なコレクター、ペギー・グッゲンハイムに見出されて以来、床に広げた大きなキャンパスに絵具をふり注いで描く“アクション・ペインティング”で注目を集めたジャクソン・ポロック。その生誕100周年を記念し、日本で初めて大規模な回顧展を開催する。最新の評価額200億円という伝説の作品「インディアンレッドの地の壁画」がイランのテヘラン現代美術館が出品されるのをはじめ、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館など世界の名だたる美術館からポロックの重要な作品が集結。さらに、現在日本国内に所蔵されている約30点のポロック作品すべてが一堂に会する。絵画を中心に、素描、版画など約70点を展示し、初期から晩年に至るまでのポロックの仕事の全貌を紹介する。

 本展では、忠実に再現されたポロックのアトリエなども見ることができるほか、彼が使用していた画材の現物なども特別展示。空間全体で、ポロック作品の真髄に触れることができる展覧会だ。

【時間】10〜17時(金曜日は20時まで・入館は閉館時刻の30分前まで) 【休】月曜(3/19、3/26、4/2、4/30は開館) 【料金】一般1500円 大学生1200円 高校生800円 【問い合わせ】03-5777-8600 (ハローダイヤル 8〜22時)  【交通】地下鉄 竹橋駅 1b出口より徒歩3分 【URL】http://pollock100.com/


イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに

2012.01.30 Vol.539

森美術館 2月4日(土)〜5月27日(日)

 韓国の現代アーティスト、イ・ブルの世界に迫る展覧会。日本では今回が初の大規模個展となる。

 イ・ブルは1964年生まれ、ソウル市を拠点に活動を続ける韓国の女性アーティスト。1990年代以降、韓国のみならず国際的にも高く評価され、グローバル化以降のアートシーンの中でアジアを代表するアーティストとしての位置を確立した。機械と人間が融合したようなサイボーグ、スペース・カプセルのようなカラオケ・ポッド、輝きながらも崩壊しそうな建築・都市模型など、多様な素材を使った立体作品の数々で知られている。

 本展では、その代表作を「つかの間の存在」、「人間を越えて」、「ユートピアと幻想風景」、「私からあなたへ、私たちだけに」という4セクションに分けて紹介するとともに、イ・ブルの制作現場を思わせる「スタジオ」セクションで、ドローイングや模型を展示する。

【時間】10〜22時(火曜のみ17時まで・3/20は22時まで・3/24は「六本木アートナイト 2012」開催に伴い翌朝6時まで・入館は閉館時間の30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】一般1500円、学生(高校・大学生)1000円、子供(4歳〜中学生)500円 ※3/24は24時から翌朝6時まで一般1000円 【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル) 【交通】地下鉄 日比谷線 六本木駅徒歩0分(コンコースにて直結)。六本木ヒルズ森タワー53階 【URL】http://www.mori.art.museum


「没後150年 歌川国芳展」

2012.01.23 Vol.538

森アーツセンターギャラリー 開催中〜2012年2月12日(日)

 幕末の奇才浮世絵師・歌川国芳(1797〜1861年)の代表作から新発見の作品まで約420点を展示し、その全貌に迫る展覧会。発想の自由さ、斬新さ、卓越した表現力で時代を超えて愛される歌川国芳。日本のみならず国際的にも高い評価を得ており、2009年にはロンドンで展覧会が開催され評判を呼んでいる。

 本展では、武者絵、役者絵、戯画など、さまざまなジャンルの作品を揃え、その多様な画業を振り返る。ときに豊かなイマジネーションで江戸っ子を驚かせ、ときにユーモアで庶民を楽しませ、ときに風刺画で江戸っ子の心を代弁する。国芳ワールドの魅力は、江戸と現代という時を超えても伝わってくるはず。

 1月19日からは作品の多くを入れ替えて後期展示がスタート。前期展示を鑑賞した人も、新たな作品を楽しめる。

【時間】10〜20時(火曜は17時まで・最終入場は閉館30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】一般1500円 学生1200円 子供500円 【問い合わせ】ハローダイヤル:03-5777-8600 【交通】地下鉄日比谷線 六本木駅よりコンコースにて直結 六本木ヒルズ森タワー52F 【URL】http://kuniyoshi.exhn.jp/


「龍」 2012

2012.01.09 Vol.537

マキイマサルファインアーツ 1月13日(金)〜1月24日(火)

 2012年の干支である「龍」というモチーフに、13名の現代アーティストが挑む。出展作家は、伊東直昭、今井紀彰、久保田弘成、白濱雅也、舩木大輔、ミヤタケイコ、山本藍子、麻生志保、高橋理加、バンドウジロウ、松浦春菜、松下由紀子、渡辺聖介の13名。

 同じ「龍」をモチーフにしているとはいえ、それぞれの表現はまったく違う。さまざまな世代、ジャンルの作家が「龍」というモチーフをどうとらえ、どう表すのか。神秘的な龍、どこかユーモラスな龍…そんな像としての表現を楽しむだけではなく、「龍」を通して13人の作家たちが思ったこと、伝えたいことを探るのも楽しそうだ。何より、干支は縁起物。2012年の幕開けに、作家たちとともに龍という大いなる存在に思いをめぐらせてみてはいかが。

【時間】11〜19時(金曜は20時まで・最終日は17時まで) 【休】会期中無休 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3865-2211 【交通】JR総武線浅草橋駅 東口より徒歩2分 【URL】http://www.makiimasaru.com


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