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フルコンタクト連盟「2つのルールで」

2015.05.23 Vol.643

 直接打撃の空手を統括する全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)は16日、都内で会見し、2020年東京五輪で、体への打撃がないノーコンタクト(寸止め)に加え、直接打撃を認めるフルコンタクトの2つのルールで空手を実施するようアピールした。

 五輪をめぐっては、国際オリンピック委員会の承認団体である世界空手道連盟(WKF)傘下の全日本空手道連盟(全空連)が、寸止めルールでの東京五輪追加種目入りを目指している。会見にはJFKO会長の中谷元・防衛大臣、緑健児理事長らが出席。緑氏は「空手界には多様な流派や技法があり、ノーコンタクト空手だけが五輪種目に入るのは良くない」と訴えた。

UFC日本大会開催決定

2015.05.23 Vol.643

 世界最高峰の総合格闘技団体UFCは、9月27日(日)にさいたまスーパーアリーナで、UFC 日本大会「UFCファイトナイト ジャパン」を開催。メインイベントとして、ロイ・ネルソンとジョシュ・バーネットが5ラウンドの試合を行う。さらに、今回は新たにリアリティテレビ番組「ロード・トゥ・UFC ジャパン」も制作。UFCとの契約を目指し競う8人の総合格闘家を追う。8人は日本やラスベガスにあるUFCのジムでトレーニングをしながら互いに競い合い、最終的に絞り込まれた2人が9月の大会に出場することができる。同番組は7月よりスタートし、9月の大会に向け放送される。
 日本大会を前に、4月に行われた「UFC186 in カナダ」で日本人初のUFC王者を目指した堀口恭司と戦い一本勝ちし、6度目の防衛を果たしたUFCフライ級チャンピオンデメトリアス・ジョンソンが来日。堀口のジムを訪れた。

—4月25日の試合を振り返って

堀「前回の試合では自分のゲームプラン通りにいかなくて、最後は削られて削られて一本負けしてしまいました。時間ギリギリだったので、悔しかったけど、“ああ、もうやられたな”って…。一本負けだったということより、とにかく負けたことが悔しい。でも負けは負けなので、次は勝てるように前を向くだけです」

ジ「でも僕も思いのほかテイクダウンにもっていけなかったですよ」

堀「いや、バンバン取られました(笑)。でもすごくいい経験になりました。このままじゃダメだと自分で分かりましたから。もっともっと練習してまた次チャレンジしたいです。でも前回の試合をやって、決してUFCのタイトルが手の届かないものではないと思った。チャンスをつかみに行くしかないので、苦手な部分をなくして、どんどん勝っていきたいです」

ジ「恭司は素晴らしいアスリートで、なかなか捕まえられなかった。お互いにとって、非常に素晴らしい試合だったと思います」
—9月の日本大会は?

堀「もちろん出たいですけど、今は何も決まっていない。日本でやるほうが時差もなく、体調やコンディション的にいいので、海外よりは準備がしやすいという部分もあります」

ジ「ノー(笑)。前回、シアトルからモントリオールの3時間の時差でも大変で体調を崩してしまったので。もし日本で試合が決まったら、早めに来て体を整えなくてはいけないから大変だと思う」

—日本のファンにメッセージ

堀「4月の試合では期待に応えられなくてすみませんでした。次からはどんどん勝って行って、次にタイトルに挑戦する時は必ずベルトを持って帰りたいと思います」

ジ「恭司とこんな形で再会できるとは思っていなかったし、なかなか難しいことだと思いますが、快く受け入れてくれて本当にありがとうございました。日本は食べ物もおいしいし、いろいろな可能性がある国だと思います。その中で恭司には総合格闘技をもっともっと広めてもらって、お互い場所は違うけど、ともに頑張っていきたいです。みなさん、これからも応援をよろしくお願いします」

7・4 K-1 ペトロシアン欠場で渡部が佐藤を破ったピケオーと対戦

2015.05.23 Vol.643

『K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN〜−70kg初代王座決定トーナメント〜』(7月4日、国立代々木競技場)でトーナメントに参加予定だったアルメン・ペトロシアンが出場を辞退したことが20日、発表された。

 この日の会見には前田憲作K-1プロデューサーが出席。前田氏によると、ペトロシアンと対戦予定だった佐藤嘉洋が5月4日のKrush.54でジョーダン・ピケオーにKO負けを喫し、出場を辞退。それに伴って、ピケオーが参戦することをトーナメント出場の全選手に通知したものの、ペトロシアン側が難色を示したという。K-1側も交渉を重ねたが、大会期日も迫っていることから断念した。ペトロシアンの代わりにリザーブファイトに出場予定だった渡部太基(写真)が本戦に出場。そのままピケオーと対戦。リザーブファイトには秋元和也が出場することになった。

 渡部は「ずっとトーナメントに出る気持ちでいたんで、やってやろうって感じです。(ピケオーは)佐藤選手にKOで勝つような選手なので強いと思う。でも正直、佐藤選手が辞退したと聞いて“俺が出る”って思いがあったんですけど、代わりにピケオーが出ると聞いて“ふざけんなよ”という思いがあったので、ピケオーとやれると聞いて凄いモチベーションは上がりました」とやる気満々。

 トーナメントについては「誰がどうこうじゃない。一つひとつ勝てば結果はついてくるので、先のことは考えないようにしている」と語った。

 佐藤vsピケオーの衝撃の結末から二転三転したものの、結果として渡部vsピケオーという今ファンが見たいと思う試合が実現した格好だ。

 リザーブファイトに出場が決まった秋元は台湾出身で日本と台湾の国籍を持つ24歳。「相手はサウスポーと聞きました。いまサウスポー対策の練習をしていたので自信はある。倒しにいって見せる試合をしたい」と語った。

KEY WORD で見るニュース 2015.5.8〜2015.5.21

2015.05.22 Vol.643

ヴィクトリアマイル
 東京競馬場で行われる競馬の4歳以上牝馬のGⅠレース。距離1600メートル。第10回となる今年は17日に行われ、5番人気のストレイトガールが1分31秒9で優勝し、GⅠ初勝利を挙げた。レースは最低人気の18番人気のミナレット(江田照騎乗)が大逃げ。直線で先行していた12番人気のケイアイエレガントがミナレットを差したところをストレイトガールが差し切り、5番→12番→18番人気の決着で3連単が2070万5810円というGⅠ史上最高配当に。

首相在職1242日
 安倍晋三首相は20日で在職日数が第1次政権(平成18年9月〜19年9月)を含めて通算1242日、祖父・岸信介氏を超えて戦後6位となった。第1次政権では、閣僚が不祥事で次々と任期中に辞任、交代し、自身の体調不良も重なって、わずか366日で退陣。第2次政権では高い支持率を背景に、安保法制や農協改革など重要課題を動かしている。また秋の自民党総裁選で再選の公算が大きく、次の任期では憲法改正を見据えているとされる。

 首相は16日には「祖父も安保改定、年金制度、最低賃金制度などさまざまなことを成し遂げた。何日間在籍したかではなく、国民に約束したことを実行していくことが求められている」と語った。

旧3級品たばこ
「エコー」「わかば」「ゴールデンバット」「しんせい」「ウルマ」「バイオレット」といった安い紙巻きたばこのこと。たばこの葉は、かつては品質により1〜3級に分類されており、その当時の名残。品質が悪いことから売れ残りを避けるため、たばこ税が低く設定されたことから、値段も安く、人気も高かった。旧3級品に設けられているたばこ税の軽減措置が来年4月以降、段階的に縮小・廃止され、増税になるため、日本たばこ産業は値上げを検討中。この旧3級品はニコチン度も高く、いわゆる「キツイ」たばこということもあり、健康志向の強まった時代には「ハイライト」や「セブンスター」といった後発の銘柄に押された時代もあったが、昨今のたばこ税や消費税の増税で、低価格という特徴に人気が集まり、26年度の国内たばこ販売ランキングでわかばは6位、エコーも7位と、上位を占めた。

スポーツ庁
 スポーツ振興などを一元的に担うスポーツ庁の設置法が13日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。文部科学省の外局として10月1日の発足を目指す。2020年東京五輪・パラリンピックに向けた選手強化や、スポーツを通じた地域振興などに取り組む。政府は初代長官に民間人を起用する方向だ。

 初代長官について、任命権を持つ下村博文文科相は「スポーツに精通し、リーダーシップとガバナンス能力を備えた人材から選ぶ」と表明している。政府内には「女性がふさわしい」との声があり、女子マラソン五輪メダリストの有森裕子氏(48)らを推す声がある。Jリーグ創設に貢献した日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏(78)の名前も挙がっている。

イルカの追い込み漁
 世界動物園水族館協会(WAZA、スイス)が4月21日付で、日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止した。理由は一部の水族館が和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカを購入していることとなっている。JAZAは会員に加盟継続の投票を行い、20日にその結果を発表。継続意見が多数となり、今後は追い込み漁でのイルカ入手をやめることなどをWAZAに報告した。追い込み漁は日本の伝統手法で、法的にも問題はない。WAZAから除名されると、海外との動物のやり取りに支障が生じることから、加盟継続の意見が多数を占めたとみられる。

オリラジ×8.6×バンビーノ これが2015年の大ワザ!

2015.05.22 Vol.643

 映画・チャンネルNECOのオリジナルキャラクターとアニメ『出番ですよ! オニギリズ』のお披露目イベントが21日、都内で行われた。イベントには、オリエンタルラジオとアニメで声優に挑戦した山田奈々が出席。キャラクターのマメ蔵は、中田がデザイン。同局にちなみ、猫をモチーフに「相方(藤森慎吾・オリエンタルラジオ)のチャラさ」を意識したそう。藤森はこの日、自らマメ蔵として出演。一度も顔を見せることがなかった。

 イベントには8.6秒バズーカーとバンビーノがお祝いに駆けつけた。それぞれが「ラッスン・ゴレライ」、「ダンソン」のネタを披露。最後にはオリエンタルラジオを含めた3組でパフォーマンスした。中田は「これが2015年の大ワザだ!」と満面の笑みを浮べて叫んだ。

 アニメ『出番ですよ!オニギリズ』は、約5分程度のミニ番組。初回放送は29日の25時20分から。再放送もある。

映画『海街diary』にカンヌが総立ち!

2015.05.22 Vol.643

 南仏で開催中の第68回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されている映画『海街diary』(是枝裕和監督、6月13日公開)の公式上映が、14日(日本時間同日深夜)行われた。

 綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆が演じる鎌倉に暮らす3姉妹が、家庭を壊した父の忘れ形見である異母妹(広瀬すず)と家族の絆を育む物語。一昨年に『そして父になる』で同映画祭の審査員賞に輝いた是枝裕和監督の最新作とあって、会場は満席。上映後には大歓声とスタンディングオベーションで沸き返った。

 観客の温かい拍手に、広瀬は「ここにいられて幸せ」と感激しきり。夏帆も「夢のような体験」と語り、長澤は「たくさんの人の心に何かが届いたのかなと思って、すごくうれしかった」とほほえんだ。綾瀬が「またカンヌに来てみたい」と誓うと、広瀬も「大人になって、またこの舞台に立てるような女優さんになりたい」と宣言した。

屋根は五輪に間に合わず 都には500億円の負担を要請

2015.05.22 Vol.643

 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の整備問題をめぐり、下村博文文部科学相が18日、東京都庁で舛添要一知事と会談し、工期の短縮を目的に開閉式屋根の設置については、大会終了後に後回しする考えを明らかにした。また、総工費1692億円で想定する建設コスト抑制のため、8万人収容の座席数の一部を仮設に変更することも示した。

 下村文科相はこの日、都側に周辺整備にかかる費用500億円の負担を要請。これに対し、舛添知事は建築資材の高騰などで総工費が膨らむことが予想されることなどに触れ、「協力は惜しまないが、税金を払うのは都民。もっと情報開示をしてほしい」と話し、負担額の根拠や総工費の詳細などを聞いた上で検討する考えを示した。

 下村文科相は、観客席の仮設化などで見直している総工費を「今月中に明らかにできる」と述べて理解を求めた。

 文科省は同日夕、下村文科相が明らかにした仮設化する観客席は可動式部分で最大約1万5000席分を検討していると説明。常設部分が約6万5000席で、五輪開閉会式やトラックを使用する陸上競技の大会では仮設分を加えて7万2000席とし、サッカーやラグビーの国際大会では仮設部分を最大にして8万人収容を維持するという。

 この計画変更については専門家からは「情報公開が不十分で、遅すぎる」と批判が出た。昨年9月には解体工事の入札をめぐり、工事を発注した日本スポーツ振興センター(JSC)の職員が、入札額が分かる工事費内訳書を事前に開封していたことが発覚。入札をやり直し、本格的な解体着工が今年3月にずれこむなど、不手際による迷走が続いている。

 また、昨年6月には、基本設計で示した競技場の高さに関するデータに誤りが見つかり、JSCが発表資料を訂正。新国立競技場は巨大で景観を損なうと反対の声が根強く、「計画を乱暴に進めようとする姿勢の表れ」と批判が強まる要因にもなった。

 舛添知事は19日の定例記者会見で、「誰の責任なのか。誰も責任を取らない体制は問題がある」と述べ、体制の見直し求めた。

 開閉式屋根の大会時設置を見送る案については「開会式で大雨が降ったとき、行進しているアスリートはどうするのか」と述べ、大会運営に支障が出るとの考えを示した。

 また、下村博文文部科学相から整備費の一部負担を求められたことには「500億円という数字は根拠がない。せいぜい50億円程度」と指摘。「経済効果ですぐに取り戻せるというのは、あまりに楽観的。たくさん人が集まればゴミや騒音、交通渋滞の問題も起きる。都民にお願いするだけの論理が必要だ」と述べた。

日本バスケットボール協会会長にサッカー協会最高顧問の川淵氏が就任

2015.05.22 Vol.643

 国際バスケットボール連盟(FIBA)から資格停止処分を科された日本バスケットボール界の変革を目指し設置された「JAPAN2024 TASKFORCE」の第5回会議と、日本バスケットボール協会(JBA)の臨時評議員会、臨時理事会が13日、都内で開催され、会議後にTASKFORCEとJBAによる共同会見が行われた。

 会見ではJBAの新理事が発表され、日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏(78)が新会長に、元参議院議員の小野清子氏(79)と日本バレーボール協会評議員の三屋裕子氏(56)が副会長に就任したことが発表された。

 TASKFORCEチェアマンを務めてきた川淵会長は「チェアマンの延長線上で会長という職が与えられた。FIBAとは連携を密にしてやっている。今度の(6月18〜20日の)総会では、よほどのことがない限り、対外試合の禁止は解除されると思っています。しかし最後のところで踏み外さないように、これからもしっかりやっていきたい」と語った。任期は1年。今後は国際連盟が問題視する日本協会のガバナンス(統治能力)改善などに取り組む。

 6月に処分が解除されれば、2016年リオ五輪予選を兼ねる女子のアジア選手権(8月、中国)への出場が可能となる。

 ナショナルリーグ(NBL)とTKbjリーグを統合し、来年10月に発足する新リーグについては「47クラブが申し込みをしてくれたが、中身を精査すると、まだいろいろな問題がある」とし、移籍制度の整備や地方自治体との連携など、いくつか課題をあげたうえで、2、3チームが、5月中に終える審査で入会が認められない可能性を示唆した。

 また代表強化については、選手が代表入りを断ってくるという状況があるという現状を踏まえ「ナショナルチームというものが、選手にとっても一番なりたい地位であるように、協会を挙げて努力をするつもり。サッカーでも、どの競技団体でも同じだと思いますけれど、代表の強化ということに関して、必ずそこに参加しなければならない、参加を断った場合には懲罰をするということまできっちり決めて、代表強化に対して全力を挙げて協会やクラブがバックアップするという体制に持っていきたい」とした。

CLを制するのはどっちだ!? ユヴェントス vs バルセロナ

2015.05.22 Vol.643

 サッカーの「UEFAチャンピオンズリーグ」の決勝「ユヴェントス vs バルセロナ」の一戦が6月6日(日本時間7日)に行われる。キックオフは日本時間の7日3時45分。

 5月12日と13日に行われた準決勝2ndレグで、ユベントスはレアル・マドリードに1−1で引き分け、2試合合計で3−2で、12季ぶりの決勝進出。バルセロナはバイエルン・ミュンヘンに2−3で敗れたものの、初戦の3−0の勝利が大きくものをいい2試合合計5−3で4季ぶりの決勝進出となった。

 大方の予想ではバルセロナ有利の声が多い。得点王を争うメッシ(10得点)、ネイマール(9得点)に加え、6得点をあげるスアレスと並ぶ攻撃陣は強力だ。しかしユベントスはセンターバックのバルザーリを中心とした強固な守備陣に定評があり、今シーズンのセリエAでは36試合を終えた時点で21失点、完封が19試合(2引き分け含む)と抜群の安定度を誇っている。

今週の一言 2015.5.8〜2015.5.21

2015.05.22 Vol.643

 宮内謙ソフトバンクモバイル代表取締役社長 兼 CEO「ガラケーやガラホを宣伝したいなんて全然思っていない」(5月19日、2015年夏モデル発表会で)→まあ、仕方ないか。

 オバマ米大統領「ハロー、ツイッター!バラクです。本物だよ。自分のアカウントをもらうのに6年もかかりました」(18日、自らのアカウントで初ツイート)→5月21日の段階でまだ4ツイートです。

 菅義偉官房長官が「大阪都構想」の否決で引退表明した橋下氏について「橋下徹という政治家らしい会見だった」(18日、会見で)→どのへん?

 東京都の舛添要一知事が新国立競技場計画変更に「不利な情報も含め開示してもらわないと都民にも説明できないし、協力したくても協力できない」(18日、下村博文文部科学相との会談で)→50億と500億って違いすぎるよね。

 和歌山県太地町「くじらの博物館」の桐畑哲雄副館長が、日本動物園水族館協会が追い込み漁でのイルカ入手をやめることなどを世界動物園水族館協会に報告したことについて「当館は追い込み漁とともにある。今後も必要があれば続けていく」「もう一度説明する。それでもだめなら除名処分も甘んじて受け入れる」(20日、会見で)→毅然とした態度。

今週の”人” 松野頼久 維新の党新代表

2015.05.22 Vol.643

「大阪都構想」の住民投票否決を受けて代表を辞任した江田憲司氏の後任として、維新の党は19日の両院議員総会で松野頼久幹事長(54)を全会一致で選出した。任期は9月まで。後任の幹事長には柿沢未途政調会長(44)が就任する。就任翌日の20日には早速党首討論に登場。衆院の定数削減問題などで安倍晋三首相を追及した。

 松野氏は、祖父は参院議長を務めた鶴平氏、父は防衛庁長官などを歴任した頼三氏という政治家一家の3代目。細川護煕元首相の秘書などを経て平成12年、民主党から衆院初当選を果たした。鳩山由紀夫元首相の側近として頭角を現し、21年の鳩山内閣で官房副長官を務めた。24年には日本維新の会結党に参画した。

 松野氏は「是々非々」路線の継承を表明。そして「党が割れるようなことは絶対にないと約束してもらいたい」と訴えた。

 維新は議員51人のうち、民主党系、大阪系、旧結いの党系がそれぞれ12人、自民党などその他の出身が15人と、4つの勢力が同規模で存在する。

「野党結集で政権交代」という考えを持つ松野氏だが、大阪系議員には「維新精神を失った党運営は許されない」という考えを持つ者も多く、野党再編を進める過程でリベラル色が強い現在の民主党に近づきすぎれば、党内の反発を招く可能性もあり、今後の党運営に注目が集まる。

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