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6・18 K-1 野杁がゲーオ破り王座獲得 武尊KO勝ち 小澤は西京に敗れる

2017.06.19 Vol.692

「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント~」(6月18日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)で2大タイトルマッチが行われた。

 スーパー・ライト級はゲーオ・ウィラサクレックに野杁正明が挑戦。延長にもつれ込む熱戦の末、野杁が判定で勝利を収め、第2代王者に輝いた。

 1Rからゲーオが手数で上回る。パンチで局面を打開したい野杁だが、パンチでもゲーオが先手を取る厳しい展開。2R以降も先手を取るのはゲーオ。しかし押し込まれながらも野杁は左のローで反撃。ゲーオの右足の裏は大きく腫れ上がった。それでもキックの威力に衰えはないゲーオ。勝利を確信したゲーオが3Rを流しにかかるが、そこで野杁のポイントとなったか、3R終了後の判定は2人がドローで延長に。

 この日のゲーオは本戦中からややホールディングが目に付いた。延長でも警告を受けるなど印象が悪かったか、延長では2人が野杁を支持し、野杁が際どい判定をものにした。

K-1ファンイベントで弘嵩vs大雅がバチバチの火花

2017.01.22 Vol.682

 K-1のファンイベント「『K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~初代ライト級王座決定トーナメント~』2.25代々木大会・大決起集会!」が21日、東京スカイツリータウン内のJ:COM Wonder Studioで行われた。

 大会前の恒例となったこのイベント。今回は初代ライト級王座決定トーナメントに出場する卜部功也、佐々木大蔵、谷山俊樹、平本蓮の日本人4選手とゴンナパー・ウィラサクレック。スーパー・フェザー級タイトルマッチを戦う卜部弘嵩と大雅。スーパーファイトに出場する野杁正明、上原誠、松倉信太郎、日菜太が登場。
 また4月大会での復帰が発表された武尊も特別出演した。
 
 トーナメント出場選手のうちゴンナパーは2分間のミット打ちを披露。そのド迫力に会場が息をのむ。スパー後、ゴンナパーは「この階級が適正体重。今、階級が上のゲーオや木村ミノルと激しい練習をしています。同じ階級の選手には負ける気がしません」と自信のコメント。

 その後に日本人選手4人が登場。
 ゴンナパーと対戦する功也は「ゴンナパーはいいミットをしていましたね。過去一番厳しいトーナメントになると思うので、覚悟を持って挑みたい」と静かに闘志を燃やした。
 平本は昨年行われたKrush-63kg王座決定トーナメントの決勝で佐々木に敗れ、佐々木はかつて功也にK-1甲子園で敗れ、谷山は8年前にK-1ユースで功也に敗れ、というようにそれぞれ雪辱を胸に臨むメンバー。
 平本は「決勝は佐々木選手にリベンジしたいですけど、誰が来ても強いんで頑張りたいです」と話せば、佐々木は「K-1の頂点からの景色を見てみたい」と独特の表現で優勝を意識。そんななか谷山はプライベートでも仲がいいという功也に「控室でも僕のスーツ姿を見て(漫才コンビの)銀シャリと言われました。K-1じゃなくてM-1の人ですよね、って(笑)」と会場を和ませた。

2・25 K-1日菜太vs松倉決定。日菜太「3年早い」松倉「勝ったほうが正しい」

2016.12.13 Vol.680

 K-1実行委員会が13日、会見を開き、来年2月25日に開催される「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~初代ライト級王座決定トーナメント~」のスーパーファイトに出場する日菜太が松倉信太郎と対戦することを発表した。

 先日の参戦会見で日菜太が発した「日本人選手は僕を食べたらおいしいんで、ぜひ挑んできてください」という言葉に松倉がいち早く反応。その日のうちにK-1実行委員会に対戦を申し入れ、このカードが決まった。

 松倉はいつにもまして神妙な表情で「すごく注目度の高い試合だと思う。それは日菜太選手の名前もあるが、一番は“K-1に”日菜太選手が来たということが大きいと思う。日菜太選手のすごさは分かっているつもりだが、ずっとK-1、Krushで戦ってきて、ここで戦ってきた選手はみんな自分たちの舞台が一番、自分たちの舞台を一番にしようと思ってスタッフ、お客さんみんなが同じ方向を向いて頑張ってきた。その結果が今のK-1を作っていると思っているので、ちょっと盛り上がったからって大きいところに来るというのは違うと思う。だから俺は負けちゃいけないと思っている。日菜太選手にも思いや正義があると思うが、自分は違う考えがある。どっちが正しいかなんてここでいうことではない。勝ったほうが歴史を作っていくし、勝ったほうが正しいと思うので、必ず勝ちます」と挨拶した。

 一方の日菜太は「いい選手だと認めていますが、3年早いという試合をしたい。K-1ファンの皆さんに日菜太という存在を認めてもらうためにも全力で戦う」としたうえで「K-1、Krushを背負って僕と戦うという覚悟を持っていると言われたが、今はあれこれ言いたくないという気持ちもある。リングの上でいろいろ彼と会話したい」と話した。

 そして日菜太は松倉の発言を鑑みたうえで「4~5年、K-1には上がっていないので、外敵と思ってもらって構わない。でも僕は来年K-1のベルトを獲ると決めているので、しっかり結果を残してファンに認めてもらって“K-1チャンピオン日菜太”となるようにしていきたい」と話した。

 一方、松倉は「昔のK-1の話もしているが、今のK-1は“新生K-1”。昔はどうだったとかテレビでやっていたとかはすごいと思うが、今俺たちは未来とか先を見て覚悟を持って試合をしている。昔に戻るという考えよりは新しいものを作っていくという気持ちでやっている。そこらへんも、俺が負けては他の選手に申し訳ないし合わせる顔もないと思っているので、負けちゃいけないなって思っています」と語るなど、最後まで“新生K-1”へのこだわりを見せた。

 また今回のK-1参戦に大きな反響があったという日菜太は「僕は東京ドームで試合がしたいと思っている。“K-1で東京ドーム”これを目指してやっていきます」とも語った。

「Krush.68」で王座防衛の小澤海斗が改めて武尊との対戦を熱望

2016.08.23 Vol.673

 8月20日に名古屋で開催された「Krush.68 ~in NAGOYA~」の試合後会見が23日、都内で行われ、勝利を収めた小澤海斗、野杁正明、東本央貴、堀尾竜司の4選手が登壇した。

 初防衛戦に臨んだKrush -58kg王者の小澤はチームドラゴンの大岩龍矢と対戦。6月のK-1で対戦し敗れた武尊が相手のセコンドに就くという状況の中、延長の末、勝利を収めた。

 小澤は「結果的には勝ちで良かったが、試合内容がクソだった。一日も早く強くならないといけない。(延長までもつれたのは)アグレッシブさが足りなかった」と試合を振り返った。

 そしてセコンドにいた武尊については「いるだけでムカついた。今一番ムカついているのが武尊なんで、それが頭から離れない。あいつのことを考えなくなる日は俺があいつをぶっ倒したとき」とし、「すぐでいい」と早期の再戦を希望した。

 宮田充Krushプロデューサーは「再戦はK-1になると思う。小澤選手がしっかり防衛を果たしたことで、ファンが見たくなるような場面での再戦というのはあるのではないか。具体的に今決まっていることはないが、小澤選手の追い上げしだいで(再戦は)あるのかな、と思う」と語った。

K-1前日会見でゲーオが山崎に「決勝で会いましょう」

2016.06.23 Vol.668

『K-1 WORLD GP 2016 ~-65kg世界最強決定トーナメント~』(6月24日、東京・国立代々木競技場第二体育館)の計量と前日会見が都内で行われた。
 計量は全選手が一発でクリアした。
 トーナメント参加選手8人による会見ではK-1 WORLD GP -65kg王者ゲーオ・ウィラサクレックが「最後の試合で山崎選手、会いましょう」と-65kg日本代表決定トーナメント優勝者の山崎秀晃に決勝での対戦を呼びかけると山崎も「自分自身、ゲーオに敗戦を喫してからいろいろな想いがありました。仲間に支えられ、こうして日本代表となって今、記者会見でお話をさせていただいています。最終的にはゲーオに勝利してひとつの形として収めたい。そこで終わりではないが、その形が自分の中で一番きっちりと落とし前をつけられる。必ず勝たなければいけない試合だと思います。そのためにも決勝まで上がって、ゲーオと1対1で勝負することをみなさんにお約束します」と呼応した。
 しかしこのやりとりに他の選手たちが反発。
 1回戦で山崎と対戦するスタニスラブ・レニタが「山崎はまず僕に勝たなければいけない」と口火を切ると、クリス・マセーリは「どうなるかは明日をお楽しみに」、イリアス・ブライド「残りの選手を忘れているな。試合がどうなるかは誰にも分からない」と続く。
 勝ち上がれば準決勝でゲーオと対戦する日本代表決定トーナメント準優勝の野杁正明は「2人の言いたいことは分かるが、僕は終わった後に、野杁のトーナメントだったと言われるような試合をするだけ。気にしない」とクールに流したが、マサロ・グランダーは、「山崎とは私が決勝で戦うつもり。他の選手が阻止しようとするだろうが、それはおそらく意味がないことになる」と再びヒート。最後は1回戦でゲーオと対戦するHIROYAが「(ゲーオと山崎が決勝で対戦するのは)無理だと思います。誰もが望む形かもしれないが、そうなったら一番つまらない。1回戦で僕がゲーオにしっかり勝つこともそうだし、痛めつけて試合を楽しみたい」と締めくくった。

【インタビュー】野杁正明 格闘技人生をかけて世界を獲りに行く!

2016.05.09 Vol.666

「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN ~-65kg世界最強決定トーナメント~」(6月24日、東京・国立代々木競技場第二体育館)の-65kgトーナメントに出場する野杁正明のインタビューを公開。

6.24 K-1 トーナメント&スーパーファイトカード発表

2016.05.06 Vol.666

 6月24日(金)東京・国立代々木第二競技場で開催される「K-1 WORLD GP 2016 ~-65kg世界最強決定トーナメント~」の組み合わせと出場選手の発表が4月29日(金・祝)、都内の会場で行われた。

 トーナメントでは、-65㎏王者のゲーオ・ウィラサクレックと-65㎏日本代表決定トーナメント優勝の山崎秀晃のほか、日本代表決定トーナメント決勝戦で山崎に敗れた野杁正明と同ベスト4のHIROYAが主催者推薦として出場することが発表。HIROYAは1回戦第1試合でゲーオと対戦する。1回戦で東ヨーロッパのKOK-65㎏王者のスタニスラブ・レニタと対戦する山崎は「日本代表として世界に知らしめたい。1ラウンドからアグレッシブな試合になると思う。Golden Fistを磨いておくので注目していて下さい」と意気込みを語った。

「スーパーファイト-57㎏」では、-55㎏王者の武尊と第2代Krush-58㎏王者・小澤海斗が対戦。会見では小澤がいきなり「そろそろみんな武尊が負けるとこ見たいでしょ? その期待に応えるんで首洗って待っとけ」と宣戦布告。武尊は「こういうリスペクトのない会見は嫌いなので、俺がお前をぶっ飛ばす」と応戦するも「(武尊には)全部勝っている」と挑発。「チャンピオンとしてこういう事は言いたくないけどめちゃムカついてます」と珍しく怒りをあらわにした。写真撮影時には、お互いにらみ合い乱闘寸前となり、スタッフが制止する場面も。

 また、「スーパーファイト-60㎏」には、連敗中の卜部弘嵩の参戦が発表。対戦相手が、今回K-1に電撃参戦となる北斗会館の小宮山工介と告げられると会場に集まったファンからは、大きな声援が沸き起こった。小宮山が「-60㎏という階級を極めたい。兄弟対決も見ていて、自分も兄弟がいるので感動した。弘嵩選手と試合をしたいと思っていた」と語ると「空手界のスーパースターである小宮山選手と対戦できるのはうれしい。しかし、誰がなんと言おうとK-1のチャンピオンは僕。チャンピオンとしてしっかり試合をしたい」と静かに闘志を燃やしていた。トーナメントの1回戦は以下。(第1試合)山崎秀晃vsスタニスラブ・レニタ、(第2試合)イリアス・ブライドvsクリス・マセーリ、(第3試合)マサロ・グランダーvs野杁正明、(第4試合)ゲーオ・ウィラサクレックvsHIROYA。

3・4「K-1」 山崎が左右田、久保、野杁下し−65kgトーナメント優勝

2016.03.05 Vol.661

「K-1 WORLD GP 2016 ~−65kg日本代表決定トーナメント~」(3月4日、東京・国立代々木競技場第二体育館)で行われたトーナメントで山崎秀晃が決勝で野杁正明を2-0の判定で破り優勝。6月24日に行われる「世界トーナメント」への出場権を獲得した。

 山崎は1回戦で左右田泰臣と対戦。2R開始早々にガードの隙間から左のパンチを4連打。ダメージを受けた左右田が反撃に出たところ、右アッパーから右フック、左フック、とどめの右ストレートで左右田をマットに沈めた。
 準決勝の相手は久保優太。山崎は1Rにカウンターの右フックでダウンを奪われる。やや大振り気味のパンチを久保に交わされ、苦しい展開となったが、3Rに秘密兵器ともいうべくサイドからの変則のかかと蹴りでダウンを奪い返す。トーナメントは1R2度のダウンでKO負け。かさにかかって攻め込む山崎は残り10秒でまたも変則のかかと蹴り。もろに食らった久保はバランスを崩しダウン。3R2分57秒、KOで山崎が決勝に駒を進めた。

 決勝の相手、野杁は1回戦で木村“フィリップ”ミノルを膝蹴りで1RKO。準決勝ではHIROYAを3R判定で破り勝ち上がってきた。
 ガードを固めプレッシャーをかけてくる野杁に対し、山崎はガードの上から強烈なパンチを放つ。キックとヒザを主体に攻めてくる野杁に対し、山崎は久保戦で見せた変則のかかと蹴りで応戦。コーナーに追い込まれてもパンチを放ってから回り込み、連打を許さない。
 試合は判定に持ち込まれたが、29-29、30-28、29-28で手数で優った山崎が2-0でものにした。
 山崎は左右田、久保、野杁という強豪を3タテ。一夜にして-65kgの頂点に駆け上がった。

11・21『K-1 WORLD GP 2015』へ向けたファンイベントをスカイツリータウンで開催

2015.10.25 Vol.653

『K-1 WORLD GP 2015 〜THE CHAMPIONSHIP〜』(11月21日、東京・国立代々木競技場第二体育館)へ向け、記者会見をはじめとしたイベントが目白押しのK-1。

 今大会はこれまでの大会で開催してきた王者決定トーナメントで優勝した4階級の王者たちが防衛戦を行う。10月8日から始まった地上波放送を見てK-1ファンになった人たちにとってはタイムリーな大会となっている。

 9日には本紙10月12日発行号で個別にインタビューを行った卜部功也と弘嵩が記者会見。−60kg王者の功也に弘嵩が挑戦することが決まってから初めて公の場で顔を合わせた。すでに戦闘モードを思わせる弘嵩に対して、その挑発的なコメントをさばき、自分のペースで話す功也。ファイトスタイルそのままの会見の様子に、会見上には終始緊張感が漂った。

 タイトル戦にばかり目がいきがちだが、スーパーファイトも好カードが揃っている。18日にはスーパーファイトで野杁正明と対戦する左右田泰臣が公開スパーリングでド迫力のど付き合いを披露するなど気合入りまくり。関係者も思わず怪我を心配するほどだった。

 そして開催を2週間後に控えた11月8日には東京スカイツリータウン・ソラマチイーストヤード5FにあるJ:COM Wonder Studioで「『K-1ワールドグランプリ2015』11.21代々木決戦・大決起集会!」と銘打ったファンイベントが行われる。

 ここではK-1公式サポーターを務めるタレントの関根勤、前田憲作K-1プロデューサーに加え、出場するK-1ファイターたちも多数参加の予定。試合に向け追い込みをかけている選手たちを生で見ることができる貴重な時間となる。

 また19日には大会のオールスターバージョンの新ポスターが完成。K-1ではこのポスターを店舗や人がよく集まる場所に掲示してくれる人にポスターを無料で1枚プレゼントする「K-1ポスターサポーター企画」を実施中。詳しくはK-1 WGPオフィシャルサイト( http://www.k-1wg.com/ )で確認。

「4・19 K-1」野杁が「ゲーオのハイキックは僕には当たらない」

2015.03.23 Vol.639

「K-1 WORLD GP 2015 in JAPAN~-55kg初代王座決定トーナメント~」(4月19日、東京・国立代々木競技場第二体育館)のスーパーファイトで対戦するゲーオ・フェアテックスと野杁正明が23日、都内で会見した。
 ゲーオは昨年行われた「-65kg初代王座決定トーナメント」で山崎秀晃、久保優太、左右田泰臣という実力者3人を破って王座に輝いた。今年1月に木村“フィリップ”ミノルに判定で敗れたものの、K-1-65kgでは№1の存在。野杁は昨年12月にKrush復帰以来、2連勝。2月の「Krush.51」では-65kgトーナメントのリザーブファイトで勝利したイリアス・ブライドに判定ながら圧勝。試合後、ゲーオとの対戦をアピールし、実現にこぎつけていた。
 この日の会見では対戦に向け、両者の意気込みなどが語られたのだが、ひとつアクシデントが…。
 ゲーオは前日の22日、東京・ディファ有明で開催された「WPMF JAPAN × REBELS合同興行」に出場。メーンでWBCムエタイ日本ウェルター級王者の健太とムエタイルールで対戦し、勝利を収めたものの、健太のヒジで額をカット。8針を縫うケガを負ってしまった。
 会見では、前田憲作K-1プロデューサーが「ムエタイではよくあること。ゲーオ選手とドクターで話をして大丈夫とのことなので、しっかりケアして試合に臨んでほしい」と説明。ただ「僕としては4月にK-1が決まっていたので、もう少しK-1を大切に考えてほしかった」と苦言を呈した。
 とはいっても、前田プロデューサーが「ゲーオが見えないハイキックとボクシングテクニックで圧倒的な強さを見せるのか。野杁が見えない飛び膝で挑むのか。両者の高い技術の攻防に期待したい」と解説するこの一戦の注目度は変わらない。
 野杁は「昨日の試合、お疲れ様でした。無傷で勝ってもらうのが僕の願いだったんですが、とりあえず傷を早く治して、4月の試合には万全の状態で臨んでほしい」としたうえで、試合に関しては「ゲーオ選手のハイキックは僕には当たらない。しっかり磨きをかけて、見えない膝蹴りでKOしたい」と語る。
 一方ゲーオも“パンチも膝も当てさせなければいいんだろう?”と言わんばかりに「野杁選手の膝蹴りは残念ながら僕には絶対に当たらない。でも僕のパンチは当たる。パンチとハイキックに注意してください」と話す。
 互いの印象については「距離感も抜群で勘もいい。本当にうまい選手。他の選手に聞いても“強くてうまい”という言葉しか出てこない。穴の少ない選手」(野杁)、「テクニシャンでうまくて強い選手」(ゲーオ)とともに高く評価するだけに「これぞK-1」という戦いが期待できそうだ。
 しかし野杁にとっては、ここで負けてしまえば今度はいつチャンスが回って来るかは分からない。ゲーオにしてみれば、木村戦に続いて連敗を喫してしまえば、王者の威厳も地に落ちてしまうだけに、今回ばかりは負けは許されない。そして今大会では左右田vs久保、HIROYA vs 木村という-65kgの注目のカードが揃っただけに、結果によっては勢力図が一気に塗り替えられることもある。ゲーオ、野杁に限らず、生き残りをかけたサバイバルな戦いが繰り広げられそうだ。

Krush.51 -58kg王者・武尊が3度目の防衛

2015.02.07 Vol.635

 立ち技格闘技「Krush.51」が6日、東京・後楽園ホールで開催された。
 メーンでは「Krush -58kg級タイトルマッチ」が行われ、王者・武尊が大滝裕太を3R判定で破り3度目の防衛を果たした。戦前、リング上からの挨拶に武尊のお面をかぶって登場するなど事あるごとに武尊を挑発し続けた大滝。最初のうちは王者の風格で聞き流していた武尊だったが、試合前日の調印式には「いい感じでストレスが溜まってますね」と発言するなど怒りはMAXに達していた。
 入場時からバチバチと火花を散らす両者だったが、ゴングが鳴るとリングは武尊の独壇場となった。ハイスピードのフックの連打、左ミドルにパワフルな前蹴り、ボディーへのヒザで1Rから主導権を握る。大滝の左フックで尻もちをつきスリップダウンを喫したが、「おや」と思わせたのはそのシーンくらい。むしろ大歓声で終了のゴングが聞こえず攻撃を続けた大滝に怒りが増幅。2Rも猛攻はやまず、終盤にはボディーへの左ミドルからのパンチのラッシュでダウンを奪う。なんとか立ち上がった大滝だったが、追撃のボディーからパンチの連打にもたれかかるように2度目のダウン。武尊は3Rも開始早々から前蹴り、左右のヒザを大滝のボディーに打ち込み決めにかかる。大滝は足を使って逃れようとするも、武尊は逃がさず、執拗なボディー攻撃でこの日3度目のダウンを奪った。この3Rもゴングが鳴った後も互いに手を止めることなく打ち合った2人は最後までにらみ合ったままだった。
 3度目の防衛となった武尊。これまでのKrushの最多防衛記録だった卜部弘嵩に並び、「ミスターKrushと呼ばれたいので並べて良かった。4月19日のK-1 55kgトーナメント、僕、文句無いと思うんで。出たら3回ともKOするんで、見に来て下さい」とリング上でアピール。そして会見では「練習で左足を怪我して、いつもの戦いができなくて、引き出しの少なさを感じました。(卜部)功也君なら怪我をしててもうまく戦えるんで、次に向かっていい勉強になりました。今までの選手ならあのヒザで倒れていたので、大滝選手はタフで、いい選手だと思いました」と振り返り、3月から始まるWILDRUSH LEAGUEについては「アウトオブ眼中ですね」と一蹴した。
 一方、大滝は「単純に相手が強くて僕が弱かっただけ。僕自身が僕に負けた感じでした。自分がチャンピオンの器じゃなかった」と振り返った。

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