鴻上尚史が円谷プロに令和の「カネゴン」制作を期待

2019.09.22 Vol.Web Original
鴻上尚史と森永卓郎が「カネゴン」について語る
 劇作家・演出家の鴻上尚史氏と経済評論家の森永卓郎氏が9月21日、円谷プロダクションの「ウルトラQ」に登場する「カネゴン」について語り合った。  特撮作品でおなじみの円谷プロダクションではウルトラマンシリーズの魅力を幅広い世代に伝えるべく昨秋、「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」というプロジェクトを発足。  同プロジェクトでは作品の上映と作品ゆかりのクリエイターなどを呼んでのトークショー「『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theater 上映&スペシャルトーク」を開催しているのだが、この日は鴻上氏と森永氏をゲストにその第4弾が行われた。  上映されたのは「カネゴンの繭」。鴻上氏は上映前にこのシリーズでトークショーの進行役を務める映画評論家の清水節氏とのトークセッションに登場し、ウルトラQについて「小学2年生の時に見ていた。“なんだこれは”という面白いんだけど理解しがたいものが始まったという印象だった」と話した。  カネゴンについては「怪獣は無敵の存在だが、カネゴンは絶対的な存在としての怪獣ではない。非日常の存在ではないところが好き。ベムラーが山を壊したりということにはあまりピンとこなかった。圧倒的な存在ではないものと人間がごにょごにょしているのが面白かった」 「カネゴンの何がすごいかというと、子供たちがカネゴンという非日常と割と普通に接している。最初に金男君がカネゴンになった段階で、街の中を歩いているというのはまだあの時代は非日常とか異物に対して受け入れる余裕が大きかった時代だと思う。子供たちはカネゴンと通常のコミュニケーションをしている。最初は助けたいと思っているが、あんまり金を食うから嫌だとなる。対等のコミュニケーションを外見が異形の人間に対して普通にやっている風景は、今やろうとしても説得力がないと現場に言われる可能性が高い」などと劇作家ならではの視線で語った。そして「カネゴンを見てお金には執着するのはやめようと思った」などと幼少期のカネゴンとの出会いを振り返った。

この作品を再演する意図とは 虚構の劇団『ピルグリム2019』

2019.02.18 Vol.715
 鴻上尚史が1989年(平成元年)に劇団「第三舞台」で上演した『ピルグリム』を2019年版として虚構の劇団で上演する。  初演後は2003年に新国立劇場でシリーズ「現代へ、日本の劇」のオープニング公演として上演されており、約16年ぶりの再演となる。  物語は連載を打ち切られた作家が、現代とその作家が描く物語の中という空間軸を交錯させながら展開する。ピルグリムというのは「巡礼者」という意味で、小説の中の登場人物たちは理想の地を求めて巡礼を続ける。そして彼らを通じて「ユートピアは存在しないかもしれない」という現実が、悲劇的な視点で、喜劇的に描き出される。  鴻上はその時代に起こっている出来事や風潮、進化する道具といったものを敏感に察知し、その一歩二歩先を行くシチュエーションを作り物語を展開する。再演にあたっても物語の骨子はそのままに、その時代の新しい概念を取り込み、物語も進化させてきた。 「平成最後の」というフレーズが跋扈するこの時期に、この作品を再演する意図とは? 2019年という時代を鴻上がどうとらえているのかも興味深い作品。

優馬×松岡×雅俊のトリプル主演で三世代の男の物語「見ると、ごはんがおいしくなる」

2018.08.11 Vol.Web Original

 舞台「ローリング・ソング」のプレスコールが11日、紀伊國屋サザンシアターで行われた。鴻上尚史が書き下ろし、森雪之丞が作詞・音楽監修をした新作オリジナル音楽劇で、中山優馬、松岡充、中村雅俊がトリプル主演し、20代、40代、60代の世代が異なる男たちの物語を描く。  3つの別々のシーンを鴻上の説明を聴いてから見るというユニークなプレスコール。鴻上が話している間に次のシーンの演者が顔を出したり、鴻上の「(中村)雅俊さんは結婚詐欺師なんです。楽しんでやられてます」という説明に、中村は足を止めて、「楽しんでまーす」とお茶目なところを見せて報道陣を笑わせた。  劇中歌われる楽曲は1曲以外新曲。「この曲を歌ってほしいと中村さんにお願いした」という説明でスタートしたシーンで歌われたのは中村の『あゝ青春』。43年前に発表した楽曲を、43歳年下の中山とともに、エモーショナルに歌いあげ、メッセージを語った。

50周年のANN、新パーソナリティのToshI「リベンジできる」

2017.09.13 Vol.Web Original
 人気ラジオ番組『オールナイトニッポン(ANN)』が放送開始から50周年を迎えるにあたり、10月2日から新番組『オールナイトニッポンPremimum』(ニッポン放送)がスタートする。その新たなパーソナリティが13日、東京・有楽町の同社で発表された。  この日発表されたのは、番組第2期にあたる2018年1~3月までを担当するパーソナリティ。月曜はアーティストのToshI、火曜は演出家の鴻上尚史、水曜はアーティストのmiwa、木曜はお笑い芸人のバカリズム。金曜は追って発表される。  発表会見には、ToshI、鴻上、そしてmiwaの3名が出席した。  25年ぶりにANNにパーソナリティとして登場することになったToshIは「25年前は(X JAPANの)海外進出の時期と重なって(番組を)長くできなかった。そのリベンジができる」と意気込む。本人曰く「ロックシンガーになりたいと思うよりも前はラジオDJになることが夢だったぐらいのラジオっ子」で、中島みゆきやタモリがパーソナリティーを務める同番組をよく聞いていたという。    ToshIはまた、パーソナリティを務めていた当時に起きた、メンバーのYOSHIKIとHIDEが絡んだ“炎上”事件についても触れ、「当時(Xの)ステージで火を噴くパフォーマンスをしていたんですが、あの日、来てほしくなったのに、メンバーが(番組に)乱入して……最後に火を噴いたんです。ラジオですから、リスナーの方には、ボッ!という音が伝わっただけだったんですけど……」。  リアルな“炎上”事件については、報道陣も前のめりで追及。火を噴いた人物については「YOSHIKIは自分が噴いたと言っていますが、僕は2人が吹いたと思っています」と、ToshI。さらに2人は「この場では言えないぐらいの酩酊状態だった」と明かした。  それを聞いて鴻上は「ラジオだからねえ」と頷き、miwaはただただ驚きの表情だった。  パーソナリティとして再登板することになった3人。登場するまでにはしばらくあるが、すでにやる気。ToshIは「ラジオ的には古い人間なので、当時やっていた電リク(電話リクエスト)とか昭和のにおいが感じられる番組がいいかな」、鴻上は「SNSを活用して今を切り取れたらと思います。それと当時(鴻上が担当した30年前)のガキたちが大人になって苦労しているみたいなので話を聞けたら」。miwaはANNでお笑いコンビのオードリーと仲良くなりさまざまなコラボをしたことを踏まえて「先ほどToshIさんに一緒にできたらいいねと言ってもらえたので、何かできたらいいなと思っています」と期待を膨らませた。     新番組『オールナイトニッポンPremimum』は、ニッポン放送で、毎週月~金曜午後7~8時50分で放送される。10~12月の第1期のパーソナリティは、月曜が氣志團の綾小路翔、火曜がお笑いコンビのココリコ、水曜がアーティストの藤井フミヤ、木曜がデーモン閣下、金曜はお笑い芸人でアーティストの藤井隆が務める。

今この作品を上演する意味とは… 虚構の劇団『天使は瞳を閉じて』

2016.07.10 Vol.670
 この『天使は瞳を閉じて』は鴻上尚史が1988年に第三舞台で作・演出を手がけた作品。  舞台は近未来。放射能に犯されて誰もいなくなった地球にはただ天使が残されていた。天使の仕事はただ人間を見つめることだったのだが、もう見つめる人間はいなかった。そんな時、天使は透明な壁に囲まれた街を見つける。そこでは壁に守られて人間が生活していた。喜び、傷つき、愛し、憎しみ生きる人々に感動した一人の天使は人間になる。もう一人の天使はただ黙って人間たちの人生を見つめていくのだが、時間が経つにつれ壁の中の生活も人間関係も徐々に変化していくのだった。  1991年にはロンドン公演、2003年にはミュージカルとして公演するなど再演のたびに進化を重ね、東日本大震災があった2011年秋の再演では、当時の日本が置かれた状況を描いたような作品となった。  かつて鴻上の舞台は常に時代を先取りし、ちょっと先のリアリティーのある近未来を描いてきたが、最近では時代が追いついてきて、この作品の世界観は限りなく“リアル”。  今度はどんなふうに進化した作品になっているのだろうか。そしてそれを今上演する意味は果たして…。 虚構の劇団『天使は瞳を閉じて』 【日時】8月5日(金)〜14日(日)(開演は19時。7・10・13日14時の回あり。※11・14日は14時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前) 【会場】座・高円寺1(高円寺) 【料金】全席指定4800円(前売・当日共通)/学割チケット3000円(学生対象。当日劇場受付にて開演30分前から指定席券と引き換え。引き換え時に学生証提示。1人1枚まで購入可。チケットぴあでのみ取り扱い) 【問い合わせ】サードステージ(TEL:03-5772-7474=平日11〜18時 [HP] http://kyokou.thirdstage.com/ ) 【作・演出】鴻上尚史 【出演】上遠野太洸、鉢嶺杏奈、伊藤公一、佃井皆美/小沢道成、杉浦一輝、三上陽永、渡辺芳博、森田ひかり、木村美月(虚構の劇団)

さまざまな恋愛の形を描く鴻上尚史の新作舞台『ベター・ハーフ』

2015.04.09 Vol.639
 鴻上尚史の書き下ろしの新作舞台『ベター・ハーフ』が現在上演中。
 タイトルである「ベター・ハーフ」というのは自分が必要とするもう一人の自分。天国でひとつだった魂がこの世に生まれるときに男と女に分かれ、現世でもう片方の自分に出会うと、相性がぴったりと合うという、その片割れのこと。
 作品では若い男女(風間俊介、真野恵里菜)と中年の男性(片桐仁)、トランスジェンダーの女性(中村中)の4人が繰り広げる恋愛模様が描かれる。ちょっとした嘘から始まった出会い。そこから生まれた恋愛は、4人を取り巻く環境の変化やちょっとした感情のすれ違いからさまざまな形を見せ始める。
 初日(3日)に先立ち行われた会見では主演を務める風間が「みなさんが経験した恋愛が詰まっている作品。恋って素敵だなって思ってもらえれば、と思います」と語れば、片桐は「僕はブサイク代表として、恋をあきらめつつある40代の仲間たちに“まだまだあきらめるな。死ぬまで時間はあるぞ”ということを伝えたい。人と触れ合って、なんとか恋をしてもらおうという気持ちで演じています」と話す。
 芸能界を目指すかたわらデリヘルで働く女の子の役の真野は、会見でもごく自然に「デリヘル」という言葉を口にするなど、完全に役になりきっている様子? またホテルのラウンジのピアノ弾きの中村が劇中に弾き語りで披露する恋愛に関わる歌がよりいっそう登場人物たちへの感情移入を誘う。
 東京公演は下北沢の本多劇場で4月20日まで。その後、大阪で4月25、26日に上演され、5月3~5日にはよみうり大手町ホールで東京凱旋公演される。

見逃し厳禁の舞台『朝日のような夕日をつれて 2014』

2014.08.01 Vol.623
 紀伊國屋ホール開場50年記念公演となるKOKAMI@network『朝日のような夕日をつれて 2014』の上演が7月31日から始まった。  同作は劇作家・演出家の鴻上尚史が主宰した第三舞台の旗揚げ作品で、劇団の節目節目に上演を重ねてきた代表作中の代表作。今回は17年ぶりの上演となる。  物語は新しいおもちゃを開発する立花トーイのお話とベケットの『ゴドーを待ちながら』をモチーフとしたお話が入り乱れ展開する。  舞台上は「小劇場ブーム」を牽引した作品とあって、恐ろしいまでの台詞の量を早口で発し続け、そして踊る。最近の風景しか知らない若いファンには逆に新鮮に映るかもしれない。古くからのファンの中には第三舞台の解散でしばらく、いや、もう『朝日—』は見られないのでは…と思っていたファンも多い。そんな見逃し厳禁の作品だ。8月24日まで同所で。以降、大阪、福岡でも上演される。

鴻上尚史作品を一気に2本!!

2014.07.05 Vol.621
『ビー・ヒア・ナウ』  鴻上尚史の第三舞台時代の作品である『ビー・ヒア・ナウ』が24年ぶりに上演される。1990年の初演以来、今回が初めての再演。1990年だから成立していたものと2014年になっても成立するものを分け、鴻上が台本を改訂。そして演出は映画監督で、近年は舞台の演出も手がけている深作健太が担当する。  男はある日、たった1行「お前を誘拐した」とだけ書かれた手紙を受け取る。その意味が分からないまま男はやがて得体の知れない者たちに追われていく。追っ手の狙うものは果たして…。  出演者は鴻上の主宰する「虚構の劇団」の劇団員を中心に、客演として「柿喰う客」の七味まゆみ、「モダンスイマーズ」の津村知与支が出演。深作の演出のもと、若い俳優と経験豊富な俳優が組み合って、いつもの鴻上の作品とは一味違った世界が展開される。 【日時】7月10日(木)〜21日(月・祝)(開演は火木金19時、水土日14時/19時。21日(月)は14時開演。14日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】シアターグリーン BIG TREE THEATER(池袋)【料金】全席指定 前売り・当日共4500円【問い合わせ】日本劇団協議会(TEL:03-5309-4600=平日10〜18時 [HP]http://www.gekidankyo.or.jp/)【作】鴻上尚史【演出】深作健太【出演】小沢道成、小野川晶、杉浦一輝、三上陽永、渡辺芳博、塚本翔大、森田ひかり、木村美月/七味まゆ味(柿食う客)/津村知与支(モダンスイマーズ)

キスマイ・宮田俊哉主演の『キフシャム国の冒険』が18日から上演開始

2013.05.18 Vol.591
 KOKAMI@networkの第12回公演『キフシャム国の冒険』が18日、初日を迎える。  この作品は主宰を務める鴻上尚史氏が震災後の福島県に足を運んだ際に、目の前に広がる広大な被災地を見ながら「この風景に対抗できる物語はいったいなんだろう?と考えた。そうしたらこれは強力なファンタジーを作るしかないと思った」ことがきっかけとなってできたもの。
 物語は未来、再び大地が揺れ、津波が原子力発電所を襲い、一人の主婦が大切な人を亡くしたところから始まる。悲しみからさまよう主婦・奈緒美はひょんなことから不思議な国“キフシャム国”に呼ばれ、王を亡くしたキフシャム国のイリマ王子と冥界への旅に出る――。  癒しと慰めの思いが込められた冒険ファンタジーだ。
 イリマ王子役にKis-My-Ft2の宮田俊哉、奈緒美役に高岡早紀、王子のライバルともいえる存在のタチアカを伊礼彼方が演じる。
 17日にはフォトコールと囲み取材が行われ、宮田は「舞台稽古の初日からワクワクしていて、とても楽しみ。王子の勇気といったものをお客さんに伝えられれば。そうすれば見に来てくれたみんなにも勇気を与えられるんじゃないかと思います」
 作・演出の鴻上氏は宮田を「キスマイの癒し担当。ホントに大した奴です。アニオタで汗をふくタオルには“萌え~”って書いてあるんですけど凄い奴です。僕は感動しました 凄く素直で演技がぐんぐんうまくなっている。多分キスマイの癒し担当としての彼を見に来た人はびっくりすると思います。演出家としてとても幸福な時間を過ごせました」と大絶賛した。  新宿・紀伊國屋ホールで6月11日まで。その後、福岡、大阪でも上演される。

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