国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(略:SSFF & ASIA)2025」のオープニングセレモニーが28日、港区・TAKANAWA GATEWAY CITYにて行われ、映画祭代表の別所哲也、審査員を務める映画監督・岩井俊⼆ら、日本の映画人たちがショートフィルムへの大きな期待を語った。
1999年に俳優の別所哲也が立ち上げ、今年で27年目を迎えるアジア最大級の国際短編映画祭。米国アカデミー賞公認映画祭として、ライブアクション部門(インターナショナル、アジアインターナショナル、ジャパンの各カテゴリー)、ノンフィクション部門、アニメーション部門の優秀賞5作品が、翌年のアカデミー賞短編部門へのノミネート候補とされる。
今年の映画祭開幕セレモニーは、3月にまちびらきした高輪ゲートウェイ駅前の新施設TAKANAWA GATEWAY CITYで初開催。冒頭、別所は「今年は高輪ゲートウェイ駅すぐ目の前でレッドカーペットをさせていただきました」と青空の下での華やかな開幕に感激。
オープニングセレモニーでは、今年の一部受賞者や注目部門のキャスト・スタッフも登場。映画界に貢献した映画監督に贈られるTAKANAWA GATEWAY CITY アワード第1回受賞者となった河瀨直美監督、特別賞「MIRRORLIAR FILMS Season7」の加藤シゲアキ、スキマスイッチ⼤橋卓弥と常田真太郎、話題賞『変な声』のクリープハイプ尾崎世界観、今年のオープニングイベント「JAPAN-KOREA Friendly Concert」(5月31日開催)に出演するオ・マンソク、東宝のクリエイター支援プロジェクト「GEMSTONE Creative Label produced by TOHO」の作品発表ではキャストの⻄野七瀬、本郷奏多、吉⽥美⽉喜、⾹椎由宇、⻄垣匠、⼭﨑天が登場。豪華な顔ぶれが映画祭の開幕を盛り上げた。
今年の審査員を務める岩井俊二監督は「すごい作品と出会えるだろうと楽しみにしていましたが、想像以上にすごくて圧倒されました。僕自身が勉強させられた」とコンペ出品作に感嘆しつつ「ショートフィルムはギュッとしてる感じが作っていて楽しい。長編と違って、完成して納品した後に家で何回も見たり愛でたくなる。許されるならもっと作りたい」とショートフィルム愛を語り「これからショートフィルムがどんな進化を遂げていくか聞かれても分からないくらい可能性に満ちあふれていると思う」。
国内外でも愛され続ける代表作『Love Letter』(1995年)から30年の節目。岩井監督は「あっという間のような長かったような。盟友と思っていた仲間の死も体験した」と、昨年急逝した主演の中山美穂さんや亡くなったスタッフたちを偲び「多くの仲間が失われつつ、まだ僕らは若いスタッフを引き連れながら前に進んでいる。最後まで全うしたい」と映画人生に込める思いを語っていた。
この日は⽂化庁の都倉俊⼀⽂化庁⻑官も登壇し「2030年までにインバウンドは6000万人になると言われている。これは観光大国のフランスと同じ規模。ぜひ日本に来た人に日本のエンターテインメントを楽しんでほしいと思っています。映画が発信する力は大きい」と期待を寄せていた。
『SSFF & ASIA 2025』は5月28日から6月11日まで都内各会場にて開催。オンライン会場は6月30日まで開催中。