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食糧危機から宇宙進出まで…これからの世界を支える“昆虫食”日本の企業や研究機関がシンポジウム開催

2022.08.08 Vol.web original

 

 動物性タンパク質としての昆虫活用を目指す「iF3プロジェクト」のシンポジウムが8日、都内会場およびオンライン配信にて行われ、プロジェクト参画企業・機関が活動の成果や課題を発表した。

 世界人口は、2050年には98億人まで増加すると予想されており、食糧危機が迫るなか“食料・飼料としての昆虫”への注目はますます高まっている。

 2020年に内閣府ムーンショット型農林水産研究開発事業に採択された『地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発』プロジェクト、通称「iF3(アイ・エフ・キューブ) プロジェクト」は、企業や大学、研究機関などが参画し、廃棄される農作物や食品を有用動物性タンパク質に転換できる昆虫を、魚粉に代わる水産・畜産飼料原料に、さらにはより少ない環境負荷で人類の食や健康を支える新たな生物資源として活用することを目指している。

 シンポジウムでは、農林水産事務次官を経て、現在は東京農業大学総合研究所特命教授を務める末松広行氏が「世界の食料・環境の状況と日本が貢献できること」と題し基調講演を行った。

 末松氏は、ときに大きな混乱を招く食糧価格高騰の背景には人口増加や生産量の増減の他にも、エネルギー問題や世界情勢も関係すると説明。また、三大穀物のうち、コメやムギの研究における日本の大きな貢献を振り返り「1918年の調査では、日本でも55種類の昆虫が食べられていた。養蚕の歴史もあり、日本は家畜昆虫の分野にも合うのではないか。家畜昆虫の活用に関するフードテックを支援する動きは、国や民間ファンドにおいても強まっている。高品質のものを開発し、しっかり日本が果実を取りつつ、世界の食料問題の解決に寄与できれば」と期待を寄せた。

 シンポジウムでは、食を選ぶ心理面から見た昆虫食市場の可能性についてや、家畜昆虫飼育への活用も期待できる植物工場研究についての特別講演に加え、コオロギ、ミズアブ、シロアリといった各昆虫の研究成果発表、研究機関や企業の事業紹介のほか、昆虫由来商品の試食会なども行われ、参加者に好評を博していた。

社会の課題解決に向き合うムーンショットリーダーたちがシンポジウム

2022.02.22 Vol.Web Original

 

 シンポジウム『ムーンショット@TWIns x LINK-J:総合知を活用した研究と社会実装への挑戦』が、21日、オンラインで行われた。

 シンポジウムは二部制で行われ、内閣府ムーンショット型研究開発制度のもとでさまざまな課題に取り組んでいるプロジェクトのリーダーたちが集結。

 第一部「ムーンショットリーダーが語るプロジェクトで目指す夢」では、「一人に一台一生寄り添うスマートロボット」(菅野重樹プロジェクトマネージャー(PM)、早稲田大学理工学術院教授)、「土壌微生物叢アトラスに基づいた環境制御による循環型協生農業プラットフォーム構築」(竹山春子PM、早稲田大学理工学術院教授)、「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」(由良敬PM、お茶の水女子大学教授、早稲田大学理工学術院教授)、「藻類と動物細胞を用いたサーキュラーセルカルチャーによるバイオエコノミカルな培養食料生産システム」(清水達也PM、東京女子医科大学先端生命医科学研究所所長・教授)ら超高齢化社会、食料危機、環境破壊といった課題に取り組むリーダーがそれぞれ研究について説明するとともに、それぞれの社会実装、ベンチャー創出への夢を語った。

 二部では、総合知を活用した研究について意見を交換した。

 内閣府の「ムーンショット型研究開発制度」とは、高齢化社会や環境破壊など人々が直面している課題を解決するために、実現するのは困難を極めるが、実現すれば社会に大きなインパクトを与えるであろう挑戦的な研究開発を推進していく取り組み。制度では、社会、環境、経済の3つの領域から、「2050年までに、人が身体、脳、空間。時間の制約から解放された社会を実現」「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」、「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」など具体的な9つ目標を決定している。

宮澤エマ、コオロギクッキー&クランチ試食に「鼻に抜ける香ばしさがコオロギらしさなのかも」

2021.06.03 Vol.Web Original

 食用コオロギを用いたお菓子「シートリア ブランド発表会」が3日、都内で行われ、女優の宮澤エマが登場した。

昆虫食事業が世界の食糧不足と日本の未来を救う!全国から研究・教育機関が集結しプロジェクト始動

2020.12.23 Vol.Web original

 
 ムーンショット型農林水産研究開発事業に採択された、「地球規模の食力問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」キックオフシンポジウムが22日、都内にて行われオンラインで配信。プロジェクトメンバーや協力機関の研究者、また昆虫食に関係する事業をおこした若手起業家らが登壇またはオンラインで参加し、昆虫食の必要性や可能性を語った。

 お茶の水女子大学、早稲田大学教授の由良敬氏をプロジェクトマネージャーとする同研究課題を軸に立ち上がったコンソーシアム。幅広い研究・教育期間が参加し、人口爆発に伴う食料問題の解決や、人類の宇宙進出を支える食料開発、社会実装に挑む。

「ムーンショット」とは、ケネディ大統領が月面着陸を掲げたときに広まった言葉で、実現が困難に思われる目標への挑戦を指す。現在、国は2050年の実現を目安に、現在抱える多くの社会課題解決にもつながる、人々を魅了する野心的な目標としてさまざまな「ムーンショット目標」を設定している。

 その課題の一つが近い未来に予想される、人口爆発による世界的な食糧危機問題。2050年には人口が98億人になり食糧が足りなくなることが予測されている。牛や豚といった家畜と比べ、コオロギは育てる場所もさほど必要とせず、温室効果ガスも排出しない。中でもコオロギやミズアブは飼育のしやすさなどの点から、とくに優位性が高いという。

東京駅で昆虫食イベント「虫グルメフェス」26日から

2020.11.12 Vol.Web Originaⅼ

 さまざまな昆虫食を楽しめる「虫グルメフェス Vol.0」が26日から、東京駅構内で開催される。

 近年注目を集めている昆虫食の魅力を正しく伝えるのが目的。昆虫は高タンパクで良質な脂肪、ビタミン、ミネラル、食物繊維を有する栄養価の高いスーパーフードであるとともに、温室効果ガスの発生が少なく、狭い土地と少量の水で飼育が可能であることからサステナブルな食材としても熱い視線を集めている。

 イベントでは、昆虫料理研究家の内山昭一氏を特別アドバイザーに迎え、昆虫料理を提供している「鳥獣虫居酒屋 米とサーカス」や、「昆虫食 TAKEO」などが出店する。素揚げ料理や、コオロギからできたビール、イベント限定のオリジナルメニューなどを提供する。テイクアウトもある。

 東京駅構内のイベントスペース「スクエア ゼロ」にて26日から29日まで。10時から19時。26日は14時~、27日は11時~。29日は18時まで。

【インタビュー】葦苅晟矢、コオロギの食用化と養魚飼料の実用化という道なき道を拓く

2018.12.03 Vol.712

“食料問題を解決する未来食”と言われ、昨今メディアでも取り上げられる機会も増えてきた昆虫。前人未踏のプロジェクトとも言える、昆虫コオロギの食用化と養魚飼料としての実用化に挑むのは、早稲田大学在学中に起業を果たした25歳。葦苅晟矢氏が見据える昆虫食の未来を通じて、誰も描いたことのない世界を作ることの面白さ——起業の醍醐味が伝わってきた。

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