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激戦の東京選挙区。自民の2議席確保を目指し小泉進次郎農水相が最終日に応援したのは武見敬三氏。「世界の混迷の中で他に日本全体の舵取りができる政党はありますか?」

2025.07.19 Vol.Web Original

「第27回参議院議員通常選挙」(参院選2025)の投票日を翌日に控えた7月19日、各候補者は最後の訴えを行った。

 東京選挙区は改選6に合わせ補欠選1の7議席を32人が争う激戦区。3日の公示日の段階では水泳の五輪金メダリストで初代スポーツ庁長官の鈴木大地氏(自民・新)がその知名度と実績で先行も、終盤になるにつれて参政党の新人・さや氏が支持を伸ばすという意外な展開となっている。

 さまざまなメディアの調査などではさや氏に続き、鈴木氏、共産党の現職・吉良佳子氏、立憲民主党の現職・塩村文夏氏、公明党の新人・川村雄大氏が優勢との見方が強いのだが、これも約4割がまだ投票先を決めていないこともあり、日々変動。各陣営とも力の抜けない選挙戦を繰り広げている。

 昨秋の衆院選で大躍進を遂げ、6月22日に投開票された東京都議選でも9議席を獲得した国民民主党はともに新人の牛田茉友氏と奥村祥大氏を擁立。2議席確保を目指したが、果たして可能なのか? また立憲も塩村氏と現職の奥村政佳氏を擁立し2議席確保を狙うも、14日には同党の小西洋之参院議員の「戦略的投票」を呼びかける投稿(現在は削除)で不穏な空気が漂った。それは自民党に2議席を渡さないことを目標とした奥村氏への投票を呼び掛けるものだったのだが、これに塩村氏が異論を唱え“内輪もめ”感を見せてしまったことが有権者にはどう映ったのか…。

 そのターゲットとされた自民党は鈴木氏と6選を目指す武見敬三氏で2議席確保を目指しているのだが、最終日に人気者の小泉進次郎農林水産大臣が応援に駆け付けたのは武見氏だった。

参院選の一番の争点は物価高対策。給付金、消費税減税など各党がさまざまな公約。そして対トランプも大きな争点に浮上!?

2025.07.01 Vol.Web Original

「第27回参議院議員通常選挙」(参院選2025)が7月3日公示、7月20日投開票の日程で行われる。

 現在、参議院の勢力図は総定数248のうち、与党の自民党と公明党は合わせて140で過半数を確保しているのだが、今回の非改選議席は75。石破茂首相は参院選の勝敗ラインについて、非改選議席とあわせて自公で過半数をめざす意向を示しており、50議席というのが勝敗ラインとなる。

 今回の大きな争点になると思われるのが「物価高対策」。選挙を前に各党の選挙公約がほぼ出そろった。

 与党の自公の物価高対策は給付金。国民1人当たり2万円の給付、子どもと住民税非課税世帯の大人にはさらに2万円を上乗せする。消費税については据え置き。2030年度に賃金を100万円程度増やす目標も掲げた。

 野党の物価高対策は主には消費税の減税。立憲民主党は食料品の消費税率を2026年4月から原則1年間ゼロにし、減税が実現するまではつなぎとして「食卓おうえん給付金」として一律2万円を給付する。

 日本維新の会は食料品の消費税率を2年間0%にし、ガソリン税の暫定税率廃止も盛り込む。

 国民民主党は「手取りを増やす夏」とのスローガンを掲げ、「実質賃金が持続的にプラスになるまで」という条件付きでの消費税の5%減税と従来からの「年収の壁」の引き上げやガソリン税の減税といった政策を並べる。

 共産党は一律5%への消費税減税、その財源として法人税率の引き上げや金融所得課税の強化を主張する。

 れいわ新選組は従来からの消費税の廃止、そして物価高対策として一律10万円の現金給付を掲げた。また季節ごとの「インフレ対策給付金」というものも。

 社民党は食料品の消費税率0%の即時の実現、全ての高齢者に月10万円を給付する最低保障年金制度の設計などを掲げた。
 
 参政党は給料の3分の2を手取りとして残すための減税と社会保険料削減、消費税の段階的廃止といったところが物価高対策になる。子どもに平等な教育機会を提供するために0〜15歳に1人毎月10万円を支給するというのもある意味、物価高対策の側面のある政策といえよう。

 日本保守党は食料品の消費税を恒久的にゼロ、電気料金に上乗せされる再エネ賦課金の廃止を主張している。

 消費税の減税については代わりの財源の確保という問題が常について回るのだが、今後、選挙戦の中で野党がどの程度、現実味のある案を出してくるかは注目されるところとなる。

 また物価高の象徴となっているのが主食である「コメ」の価格急騰問題。小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任し、備蓄米の放出という思い切った政策に舵を切り、現在では消費意欲を喚起される程度に価格が下がってきた。この問題についてはさまざまな理由が絡み一筋縄ではいかないのだが、理想と現実の狭間でより国民が納得できる形での着地点を見出した党が頭一つ抜け出すことになりそうだ。

 物価高の遠因にもなる、いわゆる「トランプ関税」問題については29日にトランプ大統領が日本からの輸入自動車に課している25%の追加関税を見直さない可能性を示唆するなど、予断を許さない状況に。交渉の継続性、トランプ大統領と対峙する総理大臣には誰がふさわしいのか、日本経済に大きな打撃を与えない落としどころを交渉できるのはどの党なのかといった観点も選挙戦が進む中で有権者側が判断を迫られる争点に浮上しそうだ。

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