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ただただ笑えるパワフルなくだらなさ!結成32年となる劇団「動物電気」の2年ぶりの本公演は「愛と赦しをテーマにおくる、おもしろ悪漢モノ」

2025.06.02 Vol.Web Original

 今年で結成32年となる劇団「動物電気」の2年ぶりの本公演「愛一輪 バカの花」が6月7日から東京・下北沢の駅前劇場で開幕する。

 同劇団は1993年に明治大学の演劇サークル「活劇工房」のOB政岡泰志、小林けんいちらを中心に結成した劇団。舞台上は人情喜劇をベースにしながら時にはプロレスを彷彿とさせるほど体をフルに駆使しながら展開される。

 彼らの作品では政岡のおばさん、小林の“やられ役”やふんどし、森戸宏明のうさんくさい男やみこすり半劇場のおじさんといった毎回登場するキャラクターやお約束の展開がある。それをお約束というのは簡単なのだが、今となってはむしろ熟練の域というほうがふさわしい。難しいことを考えたり、劇作家の意図をくみ取ったりといった見る側の気負いのようなものは一切必要ない、ただただ笑えるパワフルなくだらなさは、コンプラとか“○○規制”といったことから生じる日常の堅苦しさから一瞬解放される。彼らがやっていることはそんな笑い。むしろコンプラみたいなことにも対応しながら、この笑いを続けているのは奇跡的でもある。

 今回の作品は「愛と赦しをテーマにおくる、動物電気のおもしろ悪漢モノ」とのこと。山賊あるいは大泥棒一味が登場するのだが、どうやら悪に徹しきれない、ほのぼのした泥棒、愛される山賊が登場するもよう。主宰の正岡の「サザエさんに登場するような、ホッカムリの泥棒が理想でしょうか!?」という言葉に思わずじわじわさせられる。

 中心メンバーは他舞台への客演のほか映画、CM、ドラマなど多方面で活躍中で、昨今は2年に1本のペースでの公演にとどまっており、今回を逃すと2年後になってしまうので、とにかく大爆笑したい人には必見の舞台といえそうだ。

 公演は7日から15日まで全12公演。後日、オンライン配信も予定されているという。

華やかな客演陣が揃った ろりえ『ミセスダイヤモンド』

2018.12.13 Vol.713

 ろりえは「早稲田大学演劇倶楽部」を母体に 2007年に結成された演劇ユニット。「女の子に対する絶対的な憧れと、男の子であることへの開き直りを、様々な角度から描き出す。あと、たまに切ない。」をコンセプトに作・演出の奥山雄太が描く作品はユニット名から受ける印象ほどやわらかいものではなく、むしろ先鋭的。なるほど「様々な角度」と思わせる。

 今回は「ビッグカメラ下北沢駅前店女子ソフトボールチーム“ベリービッグベアーズ”」という架空の社会人女子ソフトボールチームを舞台とした「汗と涙と青アザのアラサースポ根演劇」で夢を追う女たち、夢をあきらめる女たち、そしてそれを支える男たちを描くという。

 女子ソフトボール部が舞台とあって、ろりえの徳橋みのり、斎藤加奈子はもちろん、前回公演『桃テント』から引き続いての参加となる秋乃ゆに、岩田恵里、加藤夏子。モデルとしても活動する岩井七世、元「アイドリング!!!」の高橋胡桃など、華やかな客演陣が揃った。

 最近では個々が外部で活動することも多く、今回は1年ぶりの本公演。本公演は年に1回のペースのようなので、ここは見逃さないでおきたい公演。

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