農産品、水から放射性物質検出

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 電源や冷却機能の復旧が徐々にではあるが進む東京電力福島第1原子力発電所だが、予断は許さない。



 そんななか、21日には政府の原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)が農畜産物から食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質(放射能)が検出されたことを受け、福島、茨城、栃木、群馬の4県知事に対し、各県でとれたホウレンソウとカキナ(おひたしなどで食べるアブラナ科の野菜)、福島県生産の牛の原乳について、原子力災害対策特別措置法に基づき、当分の間出荷を控えるよう指示した。



 23日には東京都が都水道局の金町浄水場(葛飾区)で、水道水1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを明らかにした。都では食品衛生法で定めた1歳未満の乳児の暫定基準値100ベクレルを超えているとして、乳児が飲むのを控えるよう求めた。乳児以外の基準値300ベクレルは下回っている。放射性セシウムは検出されなかった。対象地域は金町浄水場の給水範囲の東京23区と武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市、三鷹市。



 都は「基準は長期に摂取した場合の健康への影響を考慮して設定されたもので、代わりの飲用水がない場合は飲んでも影響はない」としている。



 これまで福島県内でも水道水から基準を超えるヨウ素を検出。23日には、いわき市で21日に採取した水道水から103ベクレルが出ていたことが分かった。茨城県でも常陸太田市の浄水場で22日採取した水から245ベクレル、23日に東海村の家庭の蛇口の水から188.7ベクレルを検出した。



 これらの状況に政府と東電は「健康への影響が出る可能性はない」と繰り返す。一方で、放射性物質漏れ事故への対応に没頭するあまり、官邸が「食の安全」対策で後手を踏んでいるという指摘もあがっている。



 例えば農産物。13日ごろから福島県産の農産物などに対する風評被害への懸念が強まり、鹿野道彦農林水産相は細川律夫厚生労働相に食品衛生法に基づく検査基準作りを要請していた。しかし、同法では基準値以上の放射性物質が検出された農家のみが規制の対象となる。これに対し、厚労省が主張した原子力災害対策特別措置法(原災法)に基づく対応では、首相がより広域な都道府県単位での出荷規制を指示できる。食品衛生法による対応では不十分だと考えた厚労省は原災法を適用したかったが、原発事故への対応で食品対策に手が回らない首相官邸の意思はなかなか定まらなかったという。その後も厚労省は原災法による広域規制を官邸側に要請したが、官邸側は「基準値を超えたものの廃棄措置を厚労省から自治体に指示した」(枝野氏)と食品衛生法に基づく限定的な出荷制限にとどめていた。



 結局、首相官邸が広域規制に踏み切ったのは、茨城県産のホウレンソウから基準値を超える放射性物質が検出された19日以降。茨城県など4県に出荷制限指示を発表したのは21日夕。青果市場などが再開する連休明けの直前だった。