激走!青森→東京 14日間 「復興から未来へ」未来への道 1000km縦断リレー

東北・青森から東京までの約1000kmを2週間かけてリレーでたすきをつないでいくランニングイベント「未来(あした)への道 1000㎞縦断リレー」が、8月7日、ついにグランドゴールを迎えた。一般ランナーから著名人のゲストランナーまで約700人が、被災地復興を思い走り続けた、感動の14日間・1000kmを振り返る。

1.猪瀬都知事をはじめ、荻原次晴、長谷川理恵、ボビー・オロゴン、野口聡一が最終区間のゲストランナーとして参加。2.“700人の汗”がしみこんだたすきを握り「被災地を聖火ランナーが走る日を待ち望んでいます」と猪瀬都知事。3.最終区間を走った約160名のランナーたちが一斉にグランドゴールのテープを切った。4.青森から東京へ、1000kmの道のりをランナー、ライダーたちと旅してきた5色のたすきは、グランドゴール会場にオブジェとして展示された

「被災地とつながる道を走ろう」。青森県八戸を出発して14日目。受け渡されるごとに人と人をつないできた5色のたすきは、その日の朝、千葉県庁からスタートし夕方5時、ついにお台場へとたどり着いた。SMAP・草?剛らからたすきを渡され最終区間を走ったのは、猪瀬直樹東京都知事、スポーツキャスターの荻原次晴、モデルでランナーの長谷川理恵、タレントのボビー・オロゴン、そしてJAXA宇宙飛行士の野口聡一氏。約160名の最終区間走者たちは沿道のサポーターたちに手を振りながら1.7kmを走り切り、盛大な歓声に包まれてグランドゴールのテープを切った。

 フィニッシュ後のセレモニーでは、冒頭、猪瀬都知事が「約700人のランナーとライダーが被災地から東京までの1000kmをつないでくれました。たすきには、その人たち全員の汗が染みこんでいます。本当にありがとう!」とあいさつ。続いて荻原は「スポーツが持つ力は微力かもしれないが無力ではないと思う。東京オリンピック・パラリンピックが実現すれば、きっと被災地復興の後押しになる」と、スポーツの力がさらなる復興支援につながることに期待を寄せた。フルマラソン出場経験を持つ長谷川も今回のリレーに「みんなで元気よく楽しくゴールができてよかった。今後も被災地の復興に自分ができることをしていきたい」を笑顔を見せ、愛娘とともに参加したボビーも「自分にできることをするのが一番大事。僕も海外と日本の橋渡しなど、自分ができる復興支援をしていきたい」と真摯に語った。また、リレー初日、青森でゲストランナーとして走った三代目J Soul BrothersのELLYも応援に駆け付け「僕は青森出身で、初日は、東北の強さを伝えることができればと思いながら走りました。今日は、人と人とのつながりを感じました。それが日本中を明るくするんじゃないかと思います」と語った。

 セレモニー後、報道陣を前に猪瀬都知事は「2020年に東京オリンピック・パラリンピックが実現したら、被災地を聖火ランナーが走ることになるはず。一日も早く被災地の復興を果たし、日本が元気になる日を待ち望んでいます」と復興支援を訴え、スポーツの力が復興支援に果たす役割の大きさをアピールした。

走った、笑った、つながった!700人・1000kmの道のり

『未来(あした)のタネ』
 今回のリレーでは、透明なリュックサックを背負ったランナーやライダーたちが各地域に出現。実は彼らが背負っていたのは、『未来(あした)のタネ』と名付けられた各通過区間の産品や写真パネルなどのPRアイテム。それを透明なリュックサックに入れ、ランナーたちが背負って走ることで、地域の魅力を再確認してもらおうという試みだ。復興への思いを文字通り背負って走るランナーたちには、いつも大きな声援が飛んでいた。

自分の思いをつづる5色のたすき
 参加ランナーは、次のランナーに渡す5色のたすきとは別に、メッセージを書き込むためのたすきが手渡された。参加者は、5種類のカラーから自分の好きな色のたすきを受け取り、そこにそれぞれの思いを書き込む。最終的にこのたすきは、グランドゴールの会場で5色のオブジェとなって展示され、その言葉を読んだ人々をさらに感動させていた。

ランとバイク(自転車)で走破
 1000kmという長い道のりは、ランナーと自転車ライダーによってつながれた。エリアによっては歩道の幅が不十分であるなど、整備されていない部分もあり、そういった区間は自転車で走行。ランナーとライダーが力を合わせて、たすきをつないでいくという珍しくも温かいリレーとなった。

1.1000km縦断リレー初日7月25日。グランドスタート式が青森県の八戸市庁で盛大に開催。第1区間のゲストランナーとして三代目 J Soul BrothersのELLY、ロンドンオリンピック女子レスリング48kg級・金メダリストの小原日登美、元・女子レスリング48kg級選手の清水真喜子、ロンドンオリンピック男子ボクシングバンダム級・銅メダリストの清水聡ら、青森県に深い思いを持つ7人のランナーが参加。
2.2日目は人気ドラマ『あまちゃん』の舞台として知られる久慈市からスタート。
3.3日目は岩手県宮古市役所から出発。この日もランナー・ライダーたちがさまざまな『未来(あした)のタネ』を運んだ。
4.4日目は岩手県大船渡市綾里小学校からスタート。さまざまな世代が参加するこのリレー。この日も小学生ランナーが力強い走りを見せてくれた。
5.5日目は岩手県陸前高田市から出発。お笑いコンビ・サンドウィッチマンがスタート式に駆け付けランナーを激励した他、ミスインターナショナルグランプリ・吉松育美が、東日本大震災で救助犬として活躍したジャック君とともに走った。
6.6日目は宮城県南三陸町からスタート。バルセロナ五輪金メダリストの元水泳選手・岩崎恭子が第1区間のゲストランナーとして参加。
7.7日目は宮城県の松島町から出発。ゲストランナーとして乃木坂46の大和里菜らが参加。⑧8日目。宮城県の亘理町からスタート。スポーツキャスター・水内猛がゲストランナーとして参加。この日も雨の中、ランナーとライダーたちが無事にたすきをつなぎ、ゴール地点の福島県庁で盛大な出迎えを受けた。⑨9日目は福島県庁からスタート。
8.10日目は福島県郡山市役所から出発。1968年メキシコ五輪マラソン銀メダリストの君原健二さんがゲストランナーとして参加。そのたすきには「未来へ向けてゴール無限」の言葉。
9.11日目は福島県いわき市の三崎公園から出発。
10.12日目は茨城県大洗町から出発。小学生ランナーたちも元気にたすきをつなぎ、いよいよ千葉へ。
11.ついに13日目。地元の人々の盛大な応援に包まれて、千葉県の旭市役所を出発したランナーたち。大雨による一時待機などもあったが無事千葉県庁にゴール。14日目はついにお台場でグランドゴールを迎える。