ザックジャパンがベルギー、オランダと1勝1分け

 欧州遠征中のサッカー日本代表は16日、ベルギーのゲンクで国際親善試合に臨み、2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会準優勝のオランダ代表に2−2で引き分ける健闘を見せた。

 6月のコンフェデ杯で3連敗を喫し、10月の欧州遠征でもセルビア、ベラルーシに低調な内容での零封負けと、負けが続いていた日本にとって久しぶりに明るい材料となった。

 日本は前半に2点を先行され苦しい展開となったが、前半終了間際に大迫がゴールを決めて流れを変えると、後半15分には本田のゴールで同点に追い付いた。

 強豪オランダ相手に2点を先行される苦しい展開。それも先制点は内田の不用意なパスミスが発端で、追加点は警戒していたロッベンに押し切られ、いつ集中が切れてもおかしくなかった。だがチームは下を向くどころか、積極姿勢を失わなかった。

 日本はボールを長く保持して主導権を握ろうと、序盤から守備ラインを高く保ち、激しい寄せでボール奪取を狙った。前半終了間際、高い位置でのカットから素早く攻撃に転じ、長谷部の鋭いパスを大迫が決めて1点差に迫った。

 後半スタートから香川、遠藤を投入。右サイドでの鮮やかなパス交換から本田が同点弾を決めた。

 負けが込んでいた最近ではメンバーの固定化も批判されていたザッケローニ監督だったが、この日はGK西川、MF山口、清武、FW大迫と先発4人を入れ替えた。山口が前半は長谷部、後半は遠藤と不動のボランチだった2人と息の合ったところを見せ、大迫は1得点1アシストと結果を出した。

 続く19日(日本時間20日)にはブリュッセルでベルギー代表と対戦。世界ランク5位でブラジルW杯では第1シードのベルギーに3−2で逆転勝ちした。

 前半15分にDFとGKとの連携ミスからベルギーのミララに先制点を許したが、37分には右サイドからのクロスを柿谷がヘディングで同点弾を決めると、後半には後半8分には本田、18分には岡崎が鮮やかなボレーシュートを決め3−1に。ベルギーの反撃を1点でしのぎ切り、勝利を収めた。

 1カ月前の欧州遠征でセルビア、ベラルーシを相手に零封負けを重ねたのが嘘のように変貌を遂げた日本。

 日本の攻撃の起点は長友、香川に本田が加わる形での左サイド。左から崩して右サイドで点を取るのがパターンだった。

 しかしそれだけでは単調。コンフェデ杯や先の欧州遠征ではその攻撃パターンをすっかり見切られてしまっていた。

 しかし今回の2戦では攻めのバリエーションも増え、相手守備陣の背後を狙う岡崎や柿谷を生かす意図を持ったプレーが増えた。前線からのプレスへの高い意識も見て取れた。

 ただ2試合とも序盤にミスから失点。5試合連続で先制点を許すなど課題も残っている。それでもコンフェデ杯から続いた嫌な流れを払しょくし、今年を終えられるのは大きな収穫だ。

 なおW杯は20日、ウルグアイが大陸間プレーオフでヨルダンを退け本大会出場を決定。これで出場32チームが出そろった。1次リーグ組み合わせ抽選は12月6日(日本時間7日)にブラジルのサルバドル近郊で行われる。