サラリーマンに贈るメンタル本を出版 小橋建太

2013年、カリスマ的人気を誇るプロレスラーの小橋建太が引退。ケガや病気と闘いながら、幾度も訪れた引退危機を乗り越え、その度に復活を果たした彼の姿は多くのファンに感動を与えた。そんな小橋が、困難にぶち当たった時の心のあり方を綴った本を出版した。
 ケガや病気に悩まされながら不屈の精神でよみがえってきた小橋建太。順風満帆とは言い難い彼のプロレス人生は、スタートからつまずいたという。

「高校を卒業したあと、京セラに入社して、2年間サラリーマンを経験しているんです。でも、どうしてもプロレスラーの夢があきらめられず、会社を辞めて全日本プロレスに入門しました。しかし、最初は履歴書の段階で断られたんです。僕は納得がいかなくて、事務所に電話して、不合格の理由を聞いた。そしたらアマチュアスポーツの実績がないと言われてしまって。当時は入門希望者が多くて断るための理由付けだったのかもしれませんが、とにかくキッパリと断られました(笑)。でも当時20歳だったので、“僕はまだ若いです。これからいくらでも頑張ります。入門させて下さい”ってお願いしました。しかし結果は“新しい会社を探してください”って電話を切られた(笑)。当時はアマチュアの世界で、全国でも上位の成績を収めているとか、世界大会に出ている人が鳴り物入りで入ってきていましたので、まったく相手にされなかったんです。でもそこで、実績って何なんだろうって考えた。努力を積み重ねれば、その実績より上に行くことができるんじゃないかって思って、なんとか頼み込んで入門させていただきました。その時から根底にあるのは、プロレスが好きだということ。だから才能がなくても努力できる。まず好きでそこに突っ走っていけば、応援してくれる人も出てくるし、道は開けると思うんです」

 プロレスラーの宿命といえるケガに加え、腎臓がんという大病からの復活。そこにあるのは常にチャレンジ精神だ。

「プロレスを辞めたら自分には何にも残らないんだろうなという気持ちでやっていましたから、自分が引退するなんて思ってもいなかった。腎臓がんになって、摘出手術を受けて、そこから復帰した人は世界に1人もいないと言われてもです。でも結局最後は、膝、腰、首、肘…満身創痍で、2012年の7月に首の手術をして引退宣言をしました。現役中は常に、一度しかない人生だから、少しでもチャンスがある限り、前に進んで行こうという気持ちでした。先ほども言いましたけど、僕は最初は全然期待されていない選手だった。でもチャンスがあれば、とりあえずチャレンジする。それが時にはマイナスになるかも知れないけど、プラスになるかも知れない。だったらそこに賭けてみようと。チャレンジしなければ、永遠にゼロですからね」

 4月25日に出版した『今日より強い自分になる』は人生のいろいろな局面を迎えている同世代の人に読んでほしいという。

「プロレスラーを引退して、次に何をしようか考えたときに、とにかくこれまで応援してくれたファンに情けない姿を見せちゃいけないって思ったんです。最高に楽しんでいる自分を見せたいと。プロレスが第一の青春なら、これからが第二の青春。第一の青春が大きすぎたので、なかなか見つかりにくいんですけど(笑)。でも人間、前を向いて歩いて行かないといけない。僕はプロレスラーとして納得のいく人生を送ってきましたが、やはりケガや病気、プレッシャーも多かった。でもそういう精神的な行き詰まりは、どんな世界にもあることだと思うんです。サラリーマンだったら、上から抑えられ、下から突き上げられ。でもそれは乗り越えるしかない。その時に、僕自身の経験や、その時どうやって考え方を変えて乗り越えてきたのかっていうことを書くことで、何かの参考になればと思いました。どんな辛いことがあっても自分の気持ち一つで立ち上がることができる。それを伝えつつ、一緒に頑張りましょうって声をかけるような気持ちですね。今度僕は初めて大会をプロデュースするんですが、それも大きなプレッシャーです。でも逆に考えれば、プレッシャーを味わえるなんてなかなかない。プレッシャーが味わえる今の自分を楽しもう。この頑張り時を乗り越えようって思っています。そんな僕流のメンタルコントロール術を書くことで、前向きに人生を歩いていくヒントになればうれしいですね」 
(本紙・水野陽子)
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『今日より強い自分になる』
【定価】1400円(税込)【発行】ワニブックス