鈴木亮平 その肉体美に隠された!? 知的で熱い素顔とは。

鬼才・園子温が放つ“世界初のバトル・ラップ・ミュージカル”『TOKYO TRIBE』
いま最も注目の俳優・鈴木亮平が『HK/変態仮面』『花子とアン』に続き、超話題作『TOKYO TRIBE』で存在感炸裂! その肉体美に隠された!? 知的で熱い素顔とは。
 本作で演じた主人公の1人・メラは日本刀と二丁拳銃、屈強な肉体を持つ最高に危険な男。本作のために作り上げた見事な肉体に注目せずにはいられない。

「とにかく筋トレして食べまくりました。1日8食、夜はラーメン。辛かったです(笑)。筋トレも辛いんですけど、食べるのがとにかく辛かったですね。その後のダイエットのほうが楽でした(笑)。僕自身、体質的には筋肉が付きにくいタイプなんです。役者にとって肉体改造は、他の作品の撮影とのタイミングが一番難しいんじゃないですかね。全く違うキャラクターを演じながらあの体型を作るとしたら、さすがに無理ですね(笑)。レスラーの体型を目指してああいう体を作ったんですけど、自分としては今の、元に戻った体型のほうが好きです(笑)。メラの身体も嫌じゃないですよ。外国だとあれくらいの体格でちょうど良かったりするし。ただ、日本だと目立ちますしね、何より維持するのも大変ですから(笑)」

 彼のマッチョな肉体が自前だと思っている人もいるかもしれないが、すべては役作り。人物が筋骨隆々であればそのための体作りをし、台本に“Tバック姿”とあれば迷わずTバックになる。

「すでに『HK/変態仮面』をやっていますから、Tバックくらいでは躊躇しません(笑)。ただ、どんな役であれ一つのイメージにとらわれたくないという思いがあるので、そういう理由で今回監督が園さんでなければ、この役を躊躇していたかもしれない、とは思います」

 鈴木にとって監督・園子温とは?

「園監督は唯一無二というか、自分にしか作ることができない作品を作る監督だと思います。どの作品にも“園子温”のスタンプを押してあるというか。僕自身、ずっと園作品は好きでしたし、今回も園監督の世界観の中で動かしてもらえるなら、ぜひやりたいと思いました」

 念願の園組初出演となった今回の作品は、まさに唯一無二。

「僕らはバトル・ラップ・ミュージカルと言ってます(笑)。まさに刺激の洪水。“園スタンプ”が随所に押された作品です(笑)。確かに、園監督がミュージカル、しかもラップ!?と思う人もいると思いますけど、すごく園監督らしいアイデアがつまった作品なんですよ。原作ファンも多いと思うんですけど、原作通りとイメージしていると、びっくりしますよ(笑)。ただ僕らは“原作とこんなに違う…でも面白い!”と言ってもらえる自信があります。原作そっくりのキャラクターなど、ファンに喜んでもらえる要素もたくさんありますしね。原作を見ていない人は先入観なく、園監督のぶっとんだ世界観を楽しんでもらえれば」

 当然、鈴木も全編でラップを披露。

「大変だったのが、海とメラがぶつかり合うクライマックスのシーン。あそこは長回しで撮ったんですけど、テストも合わせて10回くらいやったかな。僕のラップは、アフレコじゃなくて現場で歌ったものなんです。だから微妙に音楽とズレてるんですよね。イヤホンは付けていたんですけど、演技でテンションも上がっていたし、音楽が聞こえづらくて、ラップと音楽がずれてしまって。そうしたら、それが監督に気に入ってもらえたみたいで(笑)。音とずれちゃいましたよと言ったんですけど、“それがいいんだよ、ボブ・ディラン風ラップだ”って(笑)。だから僕のラップだけアフレコ使ってないんです。アフレコも録ったんですよ。僕としてはアフレコのほうが上手に歌えてたと思うんですけど(笑)。監督は、メラのラップは臨場感と息遣いを重視でいきたい、と」

 今回、習得したラップのコツは?

「そんなアドバイスをできるほどではないんですけど(笑)。僕が教わったのが、フレーズの最後、韻を踏む部分を意識しすぎてはダメで、流れるように歌うのがいいということでした。フローっていうんですけど。硬くならずに、流れるように歌うのがプロっぽいらしいです(笑)」

 メラが敵対視するもう一人の主人公・海役のYOUNG DAISをはじめ本物のラッパーたちの存在もポイント。

「DAISは、すごく真面目なんです。別にラッパーが不真面目だというわけじゃないですよ(笑)。DAISは本当に真面目で謙虚で努力家。現場では常に海としてあろうという姿勢でした。かつ表現者としてのセンスがある方だと思いましたね。今回は、ラッパーの人たちと交流できたのも楽しかったです。ラップ指導を通して、俳優とラッパーが一丸となることができました。撮影中に話し合いが行われて、協定を結んだんですよ。“みんな、タメ口で行こうぜ”って。僕が言いだしたんですけど(笑)。休憩時間にはよく輪になっておしゃべりしていました。迫力ある見た目のラッパーと、変な衣装を着た俳優とが血液型の話で盛り上がっていたのが、ちょっとおかしかったです(笑)」

 実力派俳優として今後ますます注目を集めること必至。

「フィクションの中に身を置くことができるのは本当に楽しいです。現実では決して体験できないことを自分の身で感じることができるわけですから。これに勝る刺激は、そうそうないですね。そういう意味では、本作はまさにフィクション中のフィクションなので本当に楽しかった。ただ、どんな役を演じていても、自分の中のリアリズムにつながっていなければ、いい芝居はできないと思います。だから今回もメラの感情はリアルに演じたつもりです。その世界の中で、リアルに、完全にこの人物になることができたと思えた瞬間は、役者をやっていて良かったと思いますね。自分だけじゃない、相手の役者や現場のスタッフ、監督とみんなで共有するものだから、そう感じることができたときは最高に気持ちがいいです」

 かつてない世界の中で、かつてない最狂キャラを演じ切った鈴木。最後に、そんな彼の弱点を尋ねると…。

「怖いのがダメなんです(笑)。とくに幽霊系のホラー。去年『クロユリ団地』を見に行ったんですけど、ありえないくらい怖くて映画館でガタガタ震えてました。まだメラの体型だったときなんですけど…いや、ホラーが苦手なのと筋肉は関係ないので(笑)!」
(本紙・秋吉布由子)

NULL
『TOKYO TRIBE』
原作:井上三太 監督:園子温 出演:鈴木亮平、YOUNG DAIS、清野菜名、大東駿介、石田卓也他/1時間56分/日活配給/8月30日より全国公開 http://tokyotribe-movie.com/http://tokyotribe-movie.com/ R15+
©2014 INOUE SANTA / “TOKYO TRIBE” FILM PARTNERS