2015年は何が流行る!?【気になる俳優を直撃 波瑠】

2015 TREND 08
ドラマ・CMで話題のショートボブ美女!
波瑠(はる)

 昨年、放送されたドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』や『ごめんね青春!』で光る演技を見せていた波瑠(はる)。女優として着々と実力をつけてきた彼女が、今年はさらなる存在感を発揮しそうだ。新年2日に放送された時代劇に続き、17日から公開の映画『アゲイン 28年目の甲子園』では、中井貴一ら大御所男優が演じる元甲子園球児を結び付けていくヒロインを好演。

「本当に忘れられない作品になりましたね。これだけの先輩方に囲まれる現場もそうそうないので(笑)。撮影が終わってからも、この現場のことをよく思い出してます。ちょうど本作の撮影中、私はまだ『A-Studio』のアシスタントをやっていて、鶴瓶さんに“今度、中井さんと共演させて頂くんです”と話したら“中井貴一は俺の親友や”とおっしゃったので、中井さんに“本当ですか?”と聞いてしまいました(笑)。本当に親しくされているとのことで中井さんは、“鶴瓶さんは本当にすごい方だから特に何を言われなくても一緒に過ごすだけで絶対に得るものがある、だから一緒に仕事できる時間を大切にしたほうが良いよ”と話してくださったんです。それを聞いて私は、なるほど、じゃあ中井さんの横にいる時間も大事にしよう、と。先輩とご一緒できる時間は本当に貴重なものだと思うので、この先も大事に過ごしていこうと思いましたね」

 物語の軸となるのが、元球児が再び甲子園を目指す大会・マスターズ甲子園。

「私が本作で感じたのは、過ぎてしまったものに“もう一度”があってもいいんだ、という希望でした。過ぎ去った夢だったり家族や友人との関係だったり、オジサンだけど“もう一度”があってもいいじゃないか、と頑張る。その姿に希望を感じたんです。私は、この仕事を始めたのが中学生のころだったんですけど、今思うともっと怖がらずにいろいろ挑戦してみたら良かったんじゃないか、と思うことがあるんです。お芝居の経験が少なくても、怖がらずに体当たりしていればまた違っていたかな、と。まあ、そのころには戻れないですから、これからはそういう気持ちで頑張ろうと思ってます(笑)」

 野球を題材としながらも、家族や友人との絆、夢にもう一度挑むことの素晴らしさを描く、誰もが共感できる作品。

「そうなんですよ。“野球の映画”じゃないんです。中井さんたち世代はもちろんなんですけど、私と同世代の女の子たちにも見てほしいんですよね。女の子って、ある程度の年齢になると父親との関係がぎこちなくなってしまうことがあるじゃないですか。でもこの映画を見ると、お父さんの“お父さんじゃない”部分、男子の部分に目を向けてみよう、と思えるんじゃないかな。娘とお父さんが一緒に見に行ってもらえたら素敵ですね。私自身は、お父さんのことも大好きで、父の日と誕生日とクリスマスには一緒に出掛けて、服や靴を選んでプレゼントしてます」

 今年は『流れ星が消えないうちに』の主演も決まり、ますます注目を集めそう。

「だんだん年下の人と共演することも多くなってきているので、先輩だからと気負うのではなく自分の姿勢で何かを伝えられる女優になれたら、と思っています」

 先輩俳優の背中を真摯に見つめる波瑠。その背中を後輩たちが追いかける存在となるはず。

(本紙・秋吉布由子)

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『アゲイン 28年目の甲子園』
監督・脚本:大森寿美男 出演:中井貴一、波瑠、和久井映見、柳葉敏郎他/2時間/東映 配給/1月17日より全国公開 www.again-movie.jp/
©重松清/集英社 ©2015「アゲイン」製作委員会