リオ五輪・パラのメダリストが凱旋

大歓声に包まれて日本のスポーツの秋
(写真:中西祐介/アフロスポーツ)
 真っ青に晴れ上がった空に、じりじりと照りつける太陽。10月に入ったというのに、銀座には真夏のリオが戻ってきたようだ。沿道には、サングラスに帽子、夏物の装いの女性が多数。長袖のシャツの袖を肘上までまくり上げハンカチで汗を拭う男性、仕事の途中といった背広にビジネスかばんの男性も見える。

 この日行われたのは、「リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック日本代表選手団合同パレード」。選手は合わせて6台のバスやトレーラーに乗り込み、新虎通りを出発して、銀座、そして日本橋とパレードする。

 パレードは、ロンドン五輪の際にも行われているが、今回はオリンピックとパラリンピックのメダリストが一緒に行う。そのため前回以上の注目度。新虎通りに設けられた出発式会場の周辺には、朝早くから人が集まった。

 レスリングの吉田沙保里、車いすテニスの上地結衣らを筆頭に選手たちがトレーラーとバスに乗り込み、パレードがスタート。オリンピアン50人、パラリンピアン37人を乗せた車両は、早歩きよりも少しだけ早いぐらいの時速4.8キロのスピードでゆっくり進んだ。

 沿道は用意された小旗を振る人たちでいっぱい。メインルートの銀座8丁目交差点から日本橋までの沿道は外に向かって人の列が五重、六重と重なる。人の切れ目ははまったくない。よく見ると、沿道に立つビルの窓も人でいっぱい、バスやトレーラーからの遥か上の高層階からベストショットを狙うカメラマンたちも見えた。

 平日の午前中の開催にもかかわらず80万人が集まった。大会のヒーロー、ヒロインたちの名前と一緒に「おかえり!」や「ありがとう!」、そして「感動した」が一緒になって次々に飛ぶ。選手たちは声のかかったほうへ笑顔を振りまき、沿道にも笑顔があふれた。

 バスやトレーラーの上のアスリートたちと沿道の距離は思うよりも近い。前列に陣取れば言葉も十分に交わせそうなほどだ。バスよりも少し低いトレーラーに乗ったパラリンピアンたちは、沿道に知り合いを見つけて呼びかけ、短いながらも会話している様子も見受けられた。

 80万人のなかには朝早くから場所取りに奔走した人、ロンドン五輪の際パレードの時の経験を生かして銀座から移動してきた人など、対策をして臨んだ人も少なくなかった。また、コースに面したカフェは絶好の観客席になっていて、ゴール近くにある吉田沙保里の出身県である三重のアンテナショップ、三重テラスには多くの人が詰め掛けた。

 合同パレードを終えたレスリングの伊調薫は「こんなにたくさんの人に来ていただいてうれしかったです」とコメント、競泳の萩野公介は「工事現場のおじさんたちも手を止めていた。大丈夫かなと思いました」と、気遣いを見せた。

 体操の内村航平は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて聞かれ、「4年後に出られるように頑張りたいです」。そして、「4年後は(競泳の)萩野君がスーパースターになっていると思うので期待したい。きっとパレードもやっていただけるんじゃないかと思うんですが、今日よりも盛大になるでしょう。萩野君に期待したい」と笑った。
左から、パラリンピックメダリストの木村敬一選手、辻紗絵選手、上地結衣選手。オリンピックメダリストの、伊調馨選手、内村航平選手、荻野公介選手
撮影・蔦野裕
吉田「チームジャパンでパレード、うれしい」

 出発式には、レスリングの吉田沙保里、車いすテニスの上地が出席した。オリンピアン、パラリンピアンが一緒にパレードをすることについて、吉田は「同じチームジャパンとしてパレードできることをたいへんうれしく思っています」、上地も「すごくワクワクしてこの日を迎えました」とコメントした。

「4年後、東京ではさらなる高みを目指し、私たちと一緒に頑張っていきたいという選手と東京大会を盛り上げていきたい」(上地)。吉田もまた、「今日の盛り上がりが、平昌、そして東京につながってくれたらうれしい」と語っていた。

 吉田、上地の両選手はこの日、小池百合子都知事がリオデジャネイロから持ち帰ったオリンピックフラッグ、パラリンピックフラッグを受け取った。フラッグは、『東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー』として、東京の市区町村を筆頭に全国にもフラッグを届ける予定だ。詳細は公式サイト( http://flagtour.jp/ )で。