岡田武史元代表監督「化ける選手が必要」と大迫に注目

まずは3人で乾杯。左から八塚氏、岡田氏、小牧氏
「結局勝たなきゃダメ。結果を出すしかない」と檄

 サッカー元日本代表監督の岡田武史氏が5月24日、都内で「スカパー!」のトークイベントに出演し、6月に開幕する「ワールドカップ(W杯)ロシア 2018」に出場する日本代表について「結局勝たなきゃダメ。ハリルホジッチ監督がやっていても勝たなきゃダメだし、代えても勝てなかったら一緒。結果を出すしかない」と檄を飛ばした。

 そして「大変だけど初戦のコロンビア戦さえなんとかなれば可能性はある。ポーランドはレヴァンドフスキーとかすごい選手はいるけど、ものすごく圧倒するようなサッカーをするわけではない。セネガルも気分によっては良くない時もあるかもしれない。どっちにしても初戦が大事。客観的にみるとコロンビアのほうが日本より実力は上。そうすると力をそのまま出し合ってぶつかるんじゃなくて、自分たちの力以上のものを出すような勢いが必要になる。それは精神的なものかもしれない。そこで“えっ、こんなことまでしちゃうの?”というような化ける選手が出てくることが必要かなと思う」と持論を語り、注目の選手としてFWの大迫を挙げ「今までにない、ためを作れたうえで、振り向いてのプレーもできる選手。ブンデスリーガで苦労もしているけど活躍できるようだったら面白いかなという気はしている」と話し、「秋田はいないんだ。残念だな…」と続けた。
W杯の予想メンバーを配したボードを前におやじトーク
メンバー選考については「上から23人うまい奴を選べばいいわけじゃない」

 また西野監督については「まずビジョンを示すこと。メンタルについては、ベテランがいるから選手同士で盛り上げていくだろうが、そのへんがばらばらならないようにひとつの方向に向かうようなビジョンを示してあげることが一番大切なのかもしれない」と話した。

 西野ジャパンがどのような陣容に落ち着くかはまだやぶの中だが、岡田氏はメンバー選考について「日本の指導者はチーム作りと采配を比べるとチーム作りに執着する。相手を研究して采配で勝つことは邪道だと思っている人がまあまあ多い。チーム作りで勝つのが美学。僕の場合はあらゆることをシミュレーションしている。この選手が怪我したらとか残り10分でこうなったら、とか。メンバー決める時も試合の展開をずっと妄想する。2010年のW杯の時も矢野貴章を入れるとなった時に“えっ?”という人がけっこういたんだけど、もし試合に勝っていて、残り10分くらいを守りたい。でもセットプレーでやられたら終わりだから背の高い選手が欲しい。でもDFを代えるのはリスクがある。3バックにしてしまったらガンガンこられてしまう。前線で追い回せて、セットプレーの時にヘディングで競れる奴が欲しい。そうなると“貴章だ”となった。そして本当にカメルーン戦で想定していた場面が来た。その時は頭の中でシミュレーションができているからすっと行けた。だからメンバーを決める時も上から23人うまい奴を選べばいいわけじゃない」などと話した。

 この日はステージに飲み屋を模したセットをしつらえ、スカパーの人気番組「俺に言わせい!サッカーおやじ会」よろしく、公開「サッカーおやじ会」という形で番組MCの八塚浩氏、スカパー!の小牧次郎取締役と3人でのトークだったのだが、話はW杯ばかりではなく日本のサッカー界についても及んだ。

 岡田氏は日本のサッカー界の傾向として「美学を持つのはいいが、それを勝負への言い訳にしている。例えば(ヨハン・)クライフが言った“醜く勝つくらいなら美しく負けたほうがいい”。この言葉を一番好きなのが日本人。オランダ人は負けるのが嫌。これを言う人は勝った時には絶対に言わない。負けた時の言い訳として使う。ところが日本人はみんな好き。例えば“点が入らない。あとは決定力だけ。決定力さえあれば”とよく言うが、それは“そこまでのサッカーは素晴らしい”といった美学を持って言っている。点を入れなかったら勝てないのに、そこまでの美学で満足している。あとは決定力って言うけど、そこが一番大事。そこらへんが2014年のW杯の時の初戦に出た。2試合目からみんな必死になったけど間に合わなかった。ザッケローニ監督はものすごいいいチームを作ったんだけど、最後の最後に抜けたというか、ザックと後で話した時に“あれは自分には分からなかった”と言ういい方はしていた」とさりげなく警鐘を鳴らした。
スカパー!の小牧氏、岡田氏、八塚氏、エーアンドイーネットワークスジャパン合同会社の福井靖典氏(左から)
スカパー!がブンデスリーガ1部リーグの全306試合を放送

 なおこの日はスカパー!のサッカーコンテンツ戦略が発表された。スカパー!は18/19シーズンのドイツ・ブンデスリーガ1部リーグの全306試合を放送。またブンデスリーガ2部、ポルトガルリーグ、ベルギーリーグの独占放送権・配信権を18/19シーズンから2シーズンにわたり獲得したことを発表した。

 またスカパー!の24時間サッカーチャンネル「スカサカ!」とヒストリーチャンネルによる共同企画で、日本サッカーと密接な関係を持つドイツサッカーにフォーカスした2番組「最強のドイツサッカー-その秘密を探る-」と「日本サッカーの歴史-進化の証言-」の制作を発表。

 そのヒストリーチャンネルではW杯開幕に先駆け、5月28日から6月10日の2週間にわたりW杯を特集。中でも6月2~9日は24時間サッカー番組を放送するという。