“食べる”ことで続く旅の行方

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 2年間、47カ国をめぐる旅をもとに書いた『インパラの朝』で、第7回開高健ノンフィクション賞を受賞した著者のドキュメンタリー。旅の続きは、“食べる”こと。訪れた15カ国で食べたものから、そこに生活する人、街の景色、その空気感を斬新な手法で描く。自分が欲して食べたものばかりではない。突然家に招かれごちそうされたもの、ふと差し出されたもの、無理やり勧められたもの…。普通なら躊躇しそうな場面でも、著者は食べる。そしてそこで交わされた会話の中から、そこに生きる人たちのいろいろな感情をすくい取る。“食べる”ことで見える世界は、広い。

「食べる。」 【著者】中村安希 【定価】1470円(税込) 【発行】集英社