真木よう子





映画『外事警察 その男に騙されるな』





"日本のCIA"とも呼ばれる警視庁公安部外事課、人呼んで"外事警察"。その知られざる世界を描き話題を呼んだドラマがついに映画化! 物語の鍵を握る"協力者"を演じるのは、ドラマ「運命の人」でのインパクトも記憶に新しい、女優・真木よう子。この"協力者"には何かがある...!





ph_inter0200.jpg



ヘア:masato for marr (PRIMAL) メイク:島田真理子(高橋事務所)スタイリスト:宮澤敬子(D-cord) 撮影:蔦野裕





 日本に潜入したテロリストに立ち向かうため、ときには法すれすれの行動も辞さない陰の組織・外事警察。その常套手段の1つが、ターゲットの情報を得るため、一般人の弱みを握り"協力者"に仕立て上げること。そしてまたここに1人、協力者に仕立てられ大きく運命を変える女性がいる...。今回、真木が演じるのは、テロ容疑をかけられた夫のスパイを強要される一般人女性・奥田果織。外事警察によって"ある秘密"を暴かれたあげく、幼い娘まで危険にさらしてしまうという、重い運命を背負った役どころだが...。

「でも今回の役は、そこまで辛くは無かったんです。それは、果織が過去の過ちを抱え込んでいるだけの人物ではなかったからだと思います。決して心地よい役ではないですが、役の中で発散できていたので、役を引きずって家に帰るということは全く無かったですね。ただ、常にテンションが高い役だったので、毎回現場に行ってゼロから上げるより、家に帰らずにずっと果織でいたほうがもっと良いものが撮れるんじゃないか、と思ったことはありました(笑)」

 果織を演じてみたいと思った理由は、彼女の人間としての魅力にひかれたから、と真木は語る。

「果織は単に外事警察に操られている人物ではなく、我が子を救い出すというヒーローのようなことをやってのけるんです」

 確かに、真木演じる果織は追い詰められていくなかで自らの強さを見出していく、複雑かつ底知れぬ人物。

「果織は決して尊敬できる人物というわけではないですが、私は果織が最低な人間だとも思っていないんです」

 夫をスパイする罪悪感。幼い娘への愛情と悔恨。真木は果織のすべてを受けとめ、彼女をその先へと歩ませる。

「果織を演じるにあたって心掛けていたのは、子どもと向き合う母親に、果織が強くなっていく姿を見て何かを感じてもらえたら、ということでした。だから一瞬でも気を抜きたくなくて、常に本物の気持ちでやっていきたいと思っていました。果織は、そう思わせてくれる役でしたね」

 真木が演じる人物にリアルな多面性を感じるのは、彼女自身が、その役を単純な価値観でとらえることがないからなのかもしれない。

「私は自分が演じる役の一番の理解者でありたいと思っています。"真木よう子"が"奥田果織"になることはできないけれど、彼女がどんな行いをしようと、私は彼女のことを正当化してあげたい。私が、彼女のことを一番理解している味方でありたい。その役を演じたいかどうかは、そう思えるキャラクターかどうかで決めますね」

 外事警察は善か悪か。一概に判断できないのもドラマの醍醐味だが...。

「私は絶対に外事警察にはなれないと思います。それが例え正義のためだとしても、人としてやってはいけないでしょう、ということが、どうしてもできない性分なので、住本みたいなことは絶対にできませんね(笑)」

 渡部篤郎演じる"外事警察の魔物"住本や、尾野真千子演じる陽菜ら外事警察官との攻防も、緊迫感満点だ。

「渡部さんは、すごく細かいところにも気配りしてくれる方なんですよ。あるシーンで、1度テストをしたときになんとなく腑に落ちないことがあって。それを顔に出さずに、渡部さんに"今、大丈夫でした? やりにくくなかったですか"とだけ聞いたら、それだけですべてくみ取って、違うパターンを提案してくれたりするんです。尾野さんは、ドラマを見ていたときから頼もしさを感じていて、今回、女同士で言い合うシーンが多かったんですけど、思いっきりぶつかっていけたのがうれしかったですね。本当に、頼もしい役者さんばかりでした」

 ちなみに、真木自身もこんな"頼もしい"一面を...。

「暴漢に襲われるシーンは、けっこう大変でした。電気スタンドで相手を殴るんですけど、どうしてもスタンドが壊れるくらい殴っちゃって(笑)。3回くらい壊してから、"あ、手加減しないといけないんだ"と思って。思い切りやっていい、と言われたからやったんですけどね(笑)」

 力強い足取りで女優の道を歩んできた真木だが、演じる事に戸惑いを感じた時期もあったという。

「本気で辞めようかと思ったこともあったくらいですよ。でも今は芝居が好き、という根本に立ち返りました。結婚して守る人ができて、強くなったというか...自分にとって1つの転機になったと思います」

 本作公開と同時期に5年ぶりとなる舞台『南部高速道路』も上演。今は、女優として多くの"欲"を持っている。

「そもそも自分の演技に満足したことなんて無いですから。だからこそ次はこうしよう、と思えますしね。誰にもできないもの、これだけは真木よう子にしかできないというものをやりたいし、いろんな役もやってみたい。それに向けて頑張っている最中です(笑)」

 真木よう子にしかできない人物。本作で演じた果織もその1人だ。







ph_inter0201.jpg





『外事警察 その男に騙されるな』


監督:堀切園健太郎 出演:渡部篤郎、キム・ガンウ、真木よう子、尾野真千子、田中泯他/2時間8分/東映、S・D・P配給/6月2日より丸の内TOEI他にて公開 http://gaiji-movie.jp/


© 2012「外事警察」製作委員会