大晦日GLORY 4トーナメントはシュルトが優勝

 大晦日恒例の格闘技イベント『DREAM.18 & GLORY 4 ~大晦日SPECIAL 2012~』が12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された。
 今回は総合格闘技のDREAMによる1部とキックボクシングのGLORYによる2部の2部構成で行われた。
 2部のGLORYではヘビー級の16選手によるワンデートーナメント『GLORY GRAND SLAM』を中心に18試合が行われた。今回のトーナメントは準決勝まで「ベスト・オブ・3」という特別ルールを採用。最初の2Rで一方の選手がポイントをリードすれば、3Rは行わずその選手の勝ちとなる。1Rを落とすと一気に不利な状況に追い込まれるため、各選手1Rからラッシュをかけるスリリングな戦いが1回戦から展開された。1回戦ではランキング上位のシード選手であるセルゲイ・ハリトーノフがリコ・ベンホーベンに敗れ、ピーター・アーツが右拳の骨折で1R終了後に棄権する。2回戦ではレミー・ボンヤスキーがジャマール・ベン・サディックに完封され姿を消し、ムラッド・ボウジディはアーツ同様に試合中に自らのパンチで右腕を痛め、試合続行不可能となりTKO負けと、過酷な戦いが繰り広げられた。

 決勝に勝ち上がったのはセミー・シュルトとダニエル・ギタ。“絶対王者”と呼ばれるシュルトだが、準決勝ではグーカン・サキの積極的なファイトにやや手を焼く場面も。一方のギタは準決勝では、トーナメントの台風の目となったジャマールを左ミドルキック一発で1R KOと絶好調。体力も温存しており、悲願のシュルト越えも期待されたが、1R、シュルトが左ハイキック一発でギタをKO。絶対王者の称号は伊達ではないことを証明した。
 トーナメント以外では日本人3選手がスーパーファイトで出場。85kg級の松本哉朗と70kg級の長島“自演乙”雄一郎は敗れたものの、53kg級の江幡睦は韓国の3冠王キム・サンチェを完封。判定とはいえ実力の違いを見せつけた。