ユネスコ世界記憶遺産日本登録第1号の作品を創った
「世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展」

「アンネの日記」や「ベートーベン交響曲第九番の自筆譜」などが登録されているユネスコ世界記憶遺産の日本登録第1号を描いた山本作兵衛の展覧会が東京タワーで開催中。明治25年に日本有数の炭坑町・福岡県筑豊に生まれた山本作兵衛は7〜8歳から約50年、石炭採掘の現場で働き、退職後の60代半ばから炭坑生活の様子を絵と文章で記録。没後20年以上を経て2011年に炭坑画や日記などが「歴史的に重要な時代を記録している」とされ、その資料697点が国内初のユネスコ世界記憶遺産に登録された。世界記憶遺産の登録物件は、外部への出品・展示が厳しく制限されているため、今回は登録後に奇跡的に発見された作品など秘蔵の原画59点と登録作品の複製画10点を東京タワーの1階特設会場に展示。山本の描く作品は、温かな色味と絵の中に文字で説明が書かれているのが特徴。自身の経験に基づいており炭坑町、炭坑労働者の歴史の中でもなかなかうかがい知ることができなかった一面を見ることができる。ある時期日本を支えてきた炭坑について、より理解を深めることができるまたとない機会となる同展覧会、その時代を生きた人はもちろん、若い世代にもぜひ見てほしい。

 また、第2会場では山本が本格的に絵筆を握り始めた1958年(昭和33年)の東京の風景を等身大で再現。同年は東京タワーが開業した年でもあり、日本が新しい時代を迎える転換期ともいえる年。「三丁目の夕日」に見られるような懐かしい日本の原風景が体験できる。失くなりつつある炭坑町と東京タワーの建設で発展の希望にあふれる東京。どちらも日本の重要な歴史であり、今の日本を生きる者がしっかりと記憶しておくべき日本の姿だ。
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世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展
【開催日時】5月6日(月・振休)まで、10〜18時※入場は閉場の30分前まで。会期中無休【会場】東京タワー1階特設会場【入場料】一般(大学生以上)1200円、小中高校生600円【問い合わせ】読売新聞東京本社 事業開発部 TEL:03-5159-5886