江戸瓦版的落語案内

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。まずは、寄席や噺の中で使われるさまざまな用語を解説する「らくごのいろは編」。

【ま】マクラ(まくら)
 落語の本題に入る前にしゃべる、いわゆるプロローグのようなもの。小噺のほか時事問題、自分の近況を語ることで、お客さんの気持ちを噺に引き付けたり、その日の出し物を決めるために、観客の反応をみたりするために語られる。また、これから演じる古典落語などで出てくる言葉や風俗を説明したり、オチへの伏線をはるなどの目的も。「マクラを振る」という。

【け】見台(けんだい)
 東京で演じられる落語では一般的に扇子や手拭を小道具として使用するが、上方落語ではそのほかに見台、小拍子、膝隠しという小道具を使う。見台は演者の前に置く小さな机のこと。それを叩くことで場面転換や合いの手を表現。また、舞台袖のお囃子さんに合図を送るために用いることも。小拍子は手のひらに収まるくらいの小さな拍子木。それで見台を打って音を出す。膝隠しは見台の前に立てる低い衝立のようなもので、その名の通り膝を隠すために使われる。

【ふ】二ツ目(ふたつめ)
落語家の序列の2番目。前座、二ツ目、真打と昇進していく。前座修行を一定期間(約5年前後)務めて、師匠や所属する協会幹部が許可すれば晴れて二ツ目になれる。二つ目の修行期間は約10年前後。二ツ目になると前座の下働きや楽屋での雑用から開放され、着物も紋付、羽織、袴の着用が許される。ちなみに現在の上方落語には同段階はない。

【こ】権助提灯(ごんすけぢょうちん)/噺解説
 さる大家の主人は妾を囲っているが、本妻は物分かりがよく、妬きもちをやくことがない。ある風の強い日に主人が本宅へ帰ってくると、本妻は「あちらは女中と二人きりで火事が心配だから、妾宅へ行ってやって下さい」と告げる。主人が飯炊きの権助に提灯を持たせ供をさせ妾宅に行くとお妾さんは本妻に遠慮して、「奥さまのご好意に甘えて、はいそうですかとお泊めするわけには行きません」。再び本宅に引き返すと、こちらも「そうは言っても心細いはず。帰っておあげなさい」と送り出す。何度も本宅と妾宅を行き来して数度目の引き返しの時「おい、権助、提灯に火を入れろ」と主人。すると権助「それには及ばない。もう夜が明けた」

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