江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE

ネタあらすじ編「紙入れ(かみいれ)」
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
 気の小さい小間物屋の新吉。出入り先の旦那の御新造(奥さん)から、「今夜、旦那が帰らないから、遊びに来て下さい」という誘いの手紙をもらい悩んでいた。。そんなことが旦那にバレたら、取引をしくじってしまう。しかし、お得意さんの御新造をムゲにするのもはばかられるし、何より、年増の色気に興味がなくもない…。結局、恐る恐る訪ねてみることに。かねてから新吉に惚れていたおかみさんは、いそいそと酒のしたくなどをして、大サービス。「新吉、全然のんでないじゃないか」「もうたっぷりいただきました。では、この辺で失礼致します」「何を言ってるんだ。今夜は泊まっておいきよ。それとも何かい?お前は私が嫌いなのかい?」と新吉を布団に引きずり込み、自分も襦袢一枚になって、同じ布団にもぐりこんだ。しかしその時「おい、今帰ったよ。開けておくれ!」と戸をドンドンと叩く旦那の声。「そら、言わないこっちゃない」と、ほうほうの体で裏口から脱出した新吉。しかし、ふと気がつくと紙入れ(財布)がない。しかも旦那からもらったその紙入れには、おかみさんからの手紙が入っている。いっそ夜逃げをしようかと悩む新吉だが、旦那が気づいていなかったら、かえってヤブヘビに。そこで様子を伺いに行く。怒っている様子はなく、逆にオドオドしている新吉を心配する旦那。「何か心配事でもあるのか?さては使い込みだな」「いえ…」「じゃ、女か?」「はい…」「お前も独身だ。何が問題だ。さては、相手というのは人妻だな」「実はそうなんです。お世話になっている旦那のおかみさんとそういうことになりまして…。布団に入っていると、帰ってこないはずの旦那がお帰りになり…」と打ち明けた。「間が悪い旦那だね」。「慌てて逃げたもんですから、紙入れを忘れてきて…」と話しているとろにご新造さん。話を聞くと「大丈夫だと思うよ。旦那の留守に若い男を引きずり込むような女だもの抜かりはないよ。紙入れぐらい、旦那が部屋に入ってくる前に見つけて隠していると思うよ。ねえ、お前さん」「ああ、そうだ。よしんばその紙入れを見つけたとしても、間男をされるような旦那だ。そこまでは気がつくまい」