鉄道ファンの憩いの空間

『バー銀座パノラマ』

 銀座8丁目の「バー銀座パノラマ」は、鉄道好きが集うお店。店に入るとまず目に飛び込んでくるのが、12席ほどのカウンターの前の電車が走るジオラマ。ちょうどカウンターのコーナーから左右に広がっていて、右手に伸びる先には古き良き銀座の街の模型が。そして左手の先には、山の麓の町を通って、山の中のトンネルに電車が入っていくのを見ることができる。その間を4台の電車が静かに行き交っている様子は、鉄道ファンならずとも、ワクワクする風景だ。横から見たり、上から見たり、電車の真正面から見たり。はたまた、コンビニの模型越しに、駅のホームに差し掛かるところで、踏切の前でといくら見ていても見飽きない。
 
 この日は、2階建てのMAXと300系の東海道新幹線(いずれも現在は引退)と寝台特急のカシオペアと北斗星を運行させていたが、電車の種類は2週間に1度変わるという。さらに、お店の電車だけではなく、自分の電車模型を持って行って走らせることも可能。1500円で1編成の車両を時間に制限なく持ち込める。マイ電車を雄大なジオラマに乗せて走らせる。鉄道ファンにはたまらないひと時だ。好きなお酒をゆっくり楽しみ、目の前を行き交うお気に入りの電車を愛でる。なんて幸福な瞬間だろう。自分の手作りの電車を持ち込む人もいるというから、その愛着はさすが鉄道ファンである。
 鉄道ファンの好きのポイントはさまざま。それをお互い認めつつ、楽しく会話ができるのが“鉄ちゃん”のいいところ。この店でも、いろいろな鉄道好きが集まるというが、お客さん同士、すぐに打ち解けて鉄道の話に花が咲くという。 
 そんな時に一緒に楽しみたいのが、電車をモチーフにしたおいしいカクテル。電車の色や、名前からインスピレーションを受けたというオリジナルカクテルを飲みつつ、走る電車を眺め、同好の士と語り合う。そんなぜいたくな時間が1日の疲れを癒してくれるだろう。もちろん、鉄道ファンだけではなく、鉄道に全く興味がない人でも楽しめる。いや、むしろ鉄道に興味を持ってしまいそう。また、カウンターでゆっくりグラスを傾けるのもいいが、仲間とワイワイしたい人には、8名まで入れる畳の間がオススメ。テーブルの上を自分で操作しながら電車を走らせることができるので盛り上がること間違いなし。鉄道ファン、またそんな鉄道ファンと話したい人は一度訪れて見て。大人の鉄道話が楽しめ、“鉄ちゃん”の仲間入りが果たせるかも!

【住所】東京都中央区銀座8-4-5 GINZA HACHIKANビル8階【TEL】03-3289-8700【営業時間】月〜金:18〜翌3時、土:18〜23時【定休日】日曜・年末年始、ゴールデンウィーク、夏季(お盆のころ)