江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE あくび指南(あくびしなん)

ネタあらすじ編

 町内の空家に最近、あくびの仕方を教える「あくび指南所」なるものがオープン。それまでいくつもの習い事に行くものの、不器用なのと飽きっぽい性格で何一つ身についていない男が、興味をしめす。1人では不安だと友人を誘うも冷静な友人はあくびは自然に出るもので、わざわざ教わりに行くものじゃないとそっけない。だが男は「それをわざわざ月謝を取って教えようというのだから、余程奥が深いに違いない」と渋る友人を強引に連れてあくび指南所へ。そこにいたのは、いかにも師匠然とした通人風の老人。いわく、「そなたたちがやっているのは、駄あくびというやつ。あくびを風流にやるところに趣がある」らしい。付き添いの男は、稽古をせずに玄関先に座り、稽古の様子を見ていることに。師匠はまず、四季のあくびの中から、一番やさしい夏のあくびを伝授するという。舞台は隅田川の首尾の松付近で、船に乗っている設定。「船の揺れに体を預け、煙草なぞ吸いながら『おい、船頭さん、船を上手へやっておくれ。日が暮れたら、堀から上がって一杯やって…』話している間は、船の動きに合わせて体を前後に揺らしますよ。『そして晩になったら、吉原にでも行って新造でも買って、粋な遊びをしようじゃないか。船もいいけど、一日も乗っていると…退屈で……退屈で…(フワァとあくびをしつつ)ならねぇ』と、こうやるんだ」。「へー、うまいもんだね」と関心する男がやってみるが、これがなかなか難しい。「体を揺らすの?こうかい?」と船がひっくり返りそうな勢いで体を揺する。「そうじゃない、もっとゆっくりと」「おい船頭、上へやってくれ!でもって、吉原で行って…へへへ、吉原ではいつもの店に行く前に、ちょいとあそこを冷やかして…」と話は脱線。しかも「退屈で、退屈で…ハークション!」とあくびではなく、くしゃみをする始末。それを見ていた連れの男「まったく、習うほうも習うほうだけど、教えるほうも教えるほうだね。やってるほうはいいけど、こんなくだらないことを見せられているこっちのほうが、退屈で…退屈で…(フワーッとあくびをする)ならねえ」。すると師匠「お連れさんのほうがご器用だ。見ていて覚えた」。

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