地元で食べるとやっぱりウマイ!
名産品の故郷を訪ねる【宮城編・水産品】

輸送システムの多様化や冷蔵・冷凍技術の進歩、インターネットの普及で東京にいながら簡単に地方のおいしいものを楽しめる現在。しかしその一方、鮮度が命の野菜や果物や、輸送のストレスに弱い魚介類などなど、まだまだ現地で楽しむしかないものもある。そんなお取り寄せできるもの、できないものも含め、ぜひ味わってほしい地方の名産品を紹介する不定期連載第2弾。今回は、今が旬の牡蠣ほか宮城のウマイ水産品をご紹介!

サメ
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 宮城県沿岸都市の最北端に位置する気仙沼市は、サメの水揚げ量日本一を誇るサメの街。そのシェアは実に国内水揚げ量の90%にものぼる。フカヒレは中華の高級食材としてよく知られ、気仙沼のフカヒレといえば、一大ブランドとして、都内の高級中華料理店でも使われている。また、サメ肉はすり身にしてハンペンなどの練りもの製品にされるほか、最近ではそのまま調理し、食べることも。さらに、はいだ革はサメ革製品に加工されるなど、捨てるところが少ない魚種として、再注目されている。

マグロ
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 塩竈は生鮮まぐろの水揚げ地として全国的に有名で、5月から12月にかけて、本マグロ、メバチ、ビンナガ、キハダなどさまざまな種類のマグロが水揚げされる。
 特に生鮮メバチマグロの水揚量は、日本一で、初秋から冬にかけて三陸東沖で漁獲され塩竈港に水揚げされる天然のメバチマグロは三陸東沖に集まった豊富なエサを捕食し、良質の脂を蓄えている。その中でも鮮度、色つや、脂のり、旨みに優れプロの仲買人の厳しい審査をクリアしたものには、「三陸塩竈ひがしもの」のブランドが与えられている。

カツオ
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 気仙沼漁港では、江戸時代からかつお漁が行われてきた。現在でも、かつお一本釣りは気仙沼市魚市場の漁業種類別の水揚げ量・金額ともに、上位を占めている。
 生鮮かつおの水揚げは全国一位で、18年連続日本一という記録を昨年まで更新中だ。特に9月から終漁までの「戻りかつお」は、脂がのって美味しいと評判で、全国各地から注文が殺到。代表的な食べ方としては、表面を軽くあぶったのち、冷やして切り、薬味とタレをかけて食べる定番のたたきや、刺し身や焼き物、中骨ごと鍋で煮込んだ汁などが一般的。

ホヤ
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 海のパイナップルと称され、初夏の味覚の代表とも言えるマボヤ。金華山以北の沿岸部で採苗から収穫まで3〜4年の歳月をかけ養殖される。特徴的な外見に対し、むき身は肉厚でやわらかく、酢の物での凝縮する旨みは格別。旬である初夏のホヤは、冬のホヤに比べてグリコーゲン含有量が高くなり、身が厚く、甘みと旨みが増大する。刺し身、酢の物など、生食で利用されるほか、焼き物、天ぷらとして調理され、塩辛、干物など珍味加工品としても人気。独特の風味から、酒の肴としても好まれている。

ホタテ
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 北海道、青森県が有名だが、宮城県でも昭和40年代ころから養殖されていた。一時へい死問題で生産量が減少したが、その後、養殖技術の改良により安定した生産が行われるようになった。そのおかげもあり、現在では一年を通していつでも旬の味が楽しめる。通常は、採苗から出荷まで3〜4年かかるが、半成貝(ある程度の大きさに育てた稚貝)を用い、1〜2年で出荷する方法も。宮城県産は成長がよく、生鮮貝としての需要が高く人気となっている。旬は貝柱が大きくなる6〜7月と成熟前の11〜12月。

サンマ
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 女川町、気仙沼市で水揚げされ、三陸沖を代表する秋の味覚といえばサンマ。9月から11月にかけて北上し、千島沖でエサのプランクトンを食べて成長、産卵のために三陸沖を南下してくるサンマは、脂ものり、最もおいしいといわれている。宮城県では10月が最盛期。さんまにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタエン酸)が豊富に含まれているほか、野菜や果実では摂取することができないビタミンB12を含んでおり、最近では健康食として注目され始めている。