大谷ノブ彦 カタリマス! 最終回 好きなことを貫けばいい。 

『キキマス!』が24日で最終回を迎えました。このコラムが世に出る28日には、ニッポン放送では新しいお昼の番組が始まってますね。僕もようやく終わったんだっていう実感を感じてるころかもしれない。でも、他の仕事をどんどん入れてますから、浸ってる余裕もないかもしれないけど。

 2年間『キキマス!』をやってきたなかで、本当にいろいろ経験させてもらって、勉強もさせてもらいました。振り返ることはまだできないですけど、自分が人に興味を持つようになったことは感じますね。そして人間がすごく好きになった。番組に来てくれた人はもちろん、それ以外の場所で会う人。とにかく、会う人みんなが。これって自分にとって、とても大きなことです。

 自分が何をしたいのか、自分はラジオで何ができるのかっていうことも分かった気がしています。お昼のラジオっていう新しい場所にやってきて、時間とか関係なく自分らしくやろうって気持ちを持ちつつも、どうしたら良くなるのかを考えながらいろんな意見を聴きながら試行錯誤もして。「お昼の番組だからこういう曲をかけたほうがいい」「大谷さんがパーソナリティーなんだからロックばかりの選曲でいいんだよ」「もっと発信すべき」「いや、リスナーに寄り添うべきだ」。どの意見も番組を良くしたいという想いから発されてるんだけど、見事にバラバラでした。それでも「人の言うことを聞いてみよう」って考えていたところもあるから、いろいろやってみて、また他の意見をって繰り返して。それでたどり着いたんですよね、パーソナリティーが好きなことを貫けばいい、それがラジオだって。パーソナリティーが楽しんでいるってことがそのまま伝わるのがラジオなんだって。ポップミュージックやアイドルの理屈とは違うんだと思います。僕がラジオが好きだったのも、そういう理由だったのになって。改めて、それを確認させてもらいました。

 それに気づいたから、最後の2カ月はすごく良くなっていったと思います。グルメを語るはずのコーナーのテーマがゴリラになったり、歌謡曲になったり。音楽やスポーツについて、とことん語ったり。本当に好きなようにやらせてもらいました。選曲もさせてもらいましたしね。……もう、後の祭りだけど、選曲は、もっと積極的にやるべきだったかなあ。曲の素晴らしさを伝えるってことでは、俺が一番だって自信があるからさ。だから、そのエネルギー、すごく残ってるんですよ。どなたか、早いうちに、僕を捕まえて。 

 またこういう機会があったなら面白いことができる気がしています。いい話、お待ちしていますよ〜!

大地洋輔との本格派漫才コンビ・ダイノジで活躍。個人でリポーターや司会、DJ活動なども行う。1972年生まれ。

ニッポン放送『大谷ノブ彦 キキマス!』と連動し連載してきました本コラムは今回で最終回になります。ご愛読ありがとうございました。