野菜工場に手動エレベーター!? 今こそ銀座・新発見

銀座最大級の商業施設GINZA SIXがオープンしたこともあり、今、最も気になるエリアといえば銀座。とはいえ、東京で長年暮らしていても実は銀座にあまりなじみが無い、という人も多いのでは。ときには視点を少し変えて“一見さん”や“観光客”気分で、銀座探検してみては。

1. 銀座・伊東屋にある野菜工場。近未来的な光景は一見の価値あり  2.銀座1丁目の奥野ビルの“銀座最古のエレベーター”。扉の開閉は手動!  3.月光荘アトリエ・エムゾでは自分で描いた絵をハンカチにできるワークショップを実施。親子にも大人気 4.1日限定企画「一銀ツアー」に参加してみた!

“一見さん”ならぬ“一銀さん”気分で銀座めぐり

 近年、銀座といえば海外観光客でにぎわう街というイメージ。その一方で、実は観光客以上に銀座を知らないという東京人も少なくないのでは。そんな“一見さん”ならぬ“一銀さん”に、もっと銀座の魅力に触れてもらおうという『一銀プロジェクト』が、1日限定で実施した『一銀ツアー』に編集部も参加。知られざる銀座の風景と出会った。

 この日、まず向かったのは銀座8丁目の月光荘アトリエ・エムゾ。こちらでは、予約なし・無料でお絵かき体験ができ、布に描いた絵をハンカチやトートバッグに仕上げてもらったり額装を注文することもできる。銀座はギャラリーめぐりのメッカでもあるが、こんな体験スポットなら子供も大喜び。

 次は建築ファンや街歩きファンに勧めたい“銀座最古のエレベーター”。1930年代に建設された銀座1丁目の奥野ビル(本館)には、今も現役で利用されている手動式のエレベーターがある。内扉と外扉を手動で開閉する。当然、中に“開”“閉”のボタンは無い。レトロモダンなビル全体のデザインもマニア垂涎の代物。

 最後は、銀座・伊東屋の野菜工場。2015年のリニューアルでビル内にカフェなどもオープン。そのカフェで使用されている葉物野菜5種類ほどを11階の〈FARM〉で育てている。こちらでは水耕栽培の様子をウインドウ越しに見学できる。ちなみに野菜を育てているのは専門家ではなく伊東屋のスタッフとのこと。

 この日は、銀座のキーマンたちによるトークセッションも実施。あんぱんでおなじみの株式会社木村屋總本店の木村光伯代表取締役社長、人気の箸専門店・銀座夏野店主の高橋隆太氏、雑誌『銀座百点』の田辺夕子編集長らが参加したトークセッションも開催。木村氏が「幼少期の銀座の思い出はずっと心に残っている。銀座ならではの空気感が変わらないためかもしれない」と語れば、高橋氏は「約18年前、銀座にない店をと考えて箸の専門店にした。でも銀座では質の良い杉の割り箸を出す店が多いのであまりマイ箸は必要ないかも(笑)」。田辺氏は「150円のあんぱんから何億円もの宝石店が同じ通りにあり、創業100年の老舗と新しい店が共存しているのが銀座」と魅力を語った。

 この日のツアーでは伝統と革新が融合する銀座の奥深さを再発見。自分なりに銀座を体験したり、銀座のイベントにどんどん参加すれば“一銀さん”も卒業できるかも。