桜庭和志の新グラップリング大会「QUINTET」4・11両国で開催

会見の冒頭、イベント立ち上げの経緯を説明する桜庭

5人1チーム。柔道などでおなじみの「抜き試合」で開催
 総合格闘家でプロレスラーの桜庭和志が立ち上げる新しいグラップリングイベント「QUINTET」の開催発表会見が2月1日、都内で開催された。

「QUINTET」は5人1チームで戦うグラップリングの団体戦。それも日本の武道では伝統的な試合形式である「抜き試合」。いわゆる勝ち抜き戦で行われる。

 ルールは1チーム5人。無差別級だが5人の総体重は430kg以内。勝敗は絞め・関節技での一本のみで決着、決着がつかない場合は判定はなしで引き分けとなる。1試合は10分1本勝負、ただし体重差が20kg以上ある場合は5分1本勝負。選手はラッシュガード着用が義務付けられる。5人が戦い終わり、勝敗がつかない場合は延長代表戦を行う――というのが基本的なもの。

 観客に伝わりにくいこと、「力の加減で簡単にヒザが壊れてしまう。トーナメントでやるつもりなので怪我の防止も考慮した」(桜庭)ことからヒールホールドは禁止。アグレッシブな展開を目指しクロスガードも禁止とした。ただクロスガードについては「そういうテクニックもあるのでやってもいいが、時間制限を設けることも考えている」(桜庭)とまだ流動的なよう。

 桜庭はこのイベントの運営にあたり株式会社ラバーランドを設立し、自ら代表取締役に就任した。

 会見の冒頭、桜庭は「今後はグラップリングのイベントを柱にアマチュアの育成にも力を入れ、世界のスポーツ界の発展に少しでも寄与できればと思っています。今年は日本でも大会を皮切りに3回のイベントを予定しています。今のところ、グラップリングのイベントの人気の高いロンドンとアメリカを予定。アマチュアの大会も準備中で日本全国、世界各国でQUINTETの競技スタイルが広がっていくことを目指しています」と話した。

HALEO DREAM TEAMの所、桜庭、ソウザ、中村(左から)

宇野薫、石井慧も参戦
 桜庭はHALEOがスポンサーになりチームを結成。この日はそのチームメイトである所英男、中村大介、マルコス・ソウザが登壇。もう一人のメンバーであるジョシュ・バーネットはビデオでメッセージを寄せた。

 所は「チームに入れてもらい光栄。団体戦は初めてで想像するだけですごく楽しみなんですが、チームの方に迷惑をかけたくないという気持ちが強い。世界の大きな選手と戦うことになると思うが、体の小さい自分がはつらつと動いて盛り上げられたら」

 中村は「こんなワクワクするような大会のメンバーに選んでいただいて、15年間、腕十字にこだわり続けて本当に良かったと思っている。試合の当日も今まで通り自分の理想とするプロレスリング、腕十字を狙ってどんどん盛り上げていきたい」

 ソウザは「このチームには入れてすごくうれしい。これからはすごくハードな練習になる。練習に頑張る」

 などとそれぞれ話した。

 同イベントは4月11日に両国国技館で「QUINTET.1-Grappling Team Survival Matchー」として開催。この大会には4チームが参戦しトーナメントで優勝を争う。

 参加チームは桜庭率いる「HALEO DREAM TEAM」のほかに、英国のグラップリングイベントであるPOLARISからの「POLARIS DREAM TEAM」、元柔道五輪金メダリストの石井慧が参加する「JUDO DREAM TEAM」、RIZINでおなじみのリトアニアのテオドラス・オークストリスが参加する「SAMBO DREAM TEAM」の4チーム。

 また「POLARIS DREAM TEAM」には宇野薫が参加することがこの日の会見中に発表された。

「JUDO DREAM TEAM」の石井はビデオメッセージで「とても面白いコンセプト。チームで戦うことは個人戦ではない喜びと感動がある。僕は柔道のころから堅実に戦うということで、個人戦ではポイントを先に取ったら守ったり、勝てばいいという感じだったが、チーム戦の時は自分のポジションがポイントを取るポジションだったら無理してでも一本を取らなければいけない。自分の敗戦がチームの敗戦に直接つながってしまう。個人戦にはない駆け引きがチーム戦にはある。ここも一緒に見てもらえれば面白いのではないかと思う。前の選手が取られたから焦って取りにいくと逆に取られやすくなる。そういうところもチーム戦ならではで面白いと思う」などとこの試合形式の魅力を語った。

 今回の両国大会はこの4チームで開催されるが、海外の大会ではHALEO DREAM TEAM以外は流動的で、今後、他のチームの参戦も考えられるという。

【両国大会出場チーム】
「HALEO DREAM TEAM」
桜庭和志、ジョシュ・バーネット、所英男、中村大介、マルコス・ソウザ

「POLARIS DreamTeam」
グレゴー・グレイシー、チャールズ・ネグロモンテ、クレイグ・ジョーンズ、ダン・ストラウス、宇野薫

「JUDO DreamTeam」
石井慧、ユン・ドンシク、チョン・ブギョン

「SAMBO Dream Team」
テオドラス・オークストリス、マリウス・ザロムスキー、ミンダウガス・ベルツビカス、ミキータ・ミフノ、セルゲイ・グレチコ