左右田がウルティモ・ドラゴンに弟子入り【3・21 K-1】

まずはスクワット。ウルティモ(右)と左右田の形の違いは一目瞭然

打倒中澤にルチャ特訓
「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」(3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)に出場する左右田泰臣が2月21日、公開練習を行った。

 左右田はスーパー・ライト級のスーパーファイトで中澤純と対戦する。中澤とは昨年8月のKrush.78で中澤の持つ「Krush -65kg王座」に挑戦。延長にもつれ込む接戦の末、判定で敗れている。

 通常の公開練習はミット打ち、シャドーボクシングといったものなのだが、今回はプロレスラーのウルティモ・ドラゴンを招き、プロレス式の基礎トレーニングやロープワークを披露した。

 初めての対面となるウルティモを前にいつもの傍若無人なたたずまいを封印し、その教えをひとつとして聞き漏らすまいと真剣な眼差しの左右田。

 リングに上がるとまずはプロレスの基礎中の基礎であるスクワットから。ウルティモ曰く「最近の若いプロレスラーの中には本当のスクワットができない選手がいる」という実は難しいもの。並んで実演が始まると「背筋を伸ばして」「そこでかかとを上げる」と左右田の不完全なスクワットに激しい檄が飛ぶ。

 すぐに修正した左右田にウルティモは今度は難易度の高いジャンピングスクワットを伝授する。

容赦なくぐいぐい押し込むウルティモ(右)。マスク越しでも左右田の苦悶の表情が伝わる

首を鍛えるトレーニングに苦悶の声が漏れる
 そして器具を使ったプッシュアップ、タオルを使った首の強化トレーニングと過酷なトレーニングが続く。

「普段、首を鍛えるトレーニングはしていない」という左右田。首のトレーニングでウルティモにぐいぐいと首を押されると思わず声が漏れる。

 そしてついにロープワーク。「ロープワークがK-1のリングでどう生かされるのか?」なんてことはここまでくるともうどうでもいいくらい、基礎トレーニングの過酷さに取材陣も圧倒される。

ロープに飛んだ時に足がマットから離れてしまうことをウルティモが注意
ウルティモの実演後、左右田もソバット

ロープワークもみるみる上達
 簡潔にロープワークの基礎的な動きを教えるウルティモ。ここまではすぐに修正して自分のものにしてきた左右田だが、今回ばかりはなかなかウルティモからお褒めの言葉はでない。それでも何度も繰り返すうちに、なんとかさまになってきた左右田。

 最後にウルティモは「K-1の選手に教えるというのもなんだが…」と断ったうえで、得意技でもあるソバットも伝授。パンチの得意な左右田にとってはこれも大きな収穫だ。

会見後、2人はがっちり握手

最後はウルティモがマスクマンとしての心得を伝授
 練習後の会見は左右田とウルティモの対談形式で行われた。

 左右田が「ロープワーク一つとってもこんなに痛いんだと思った。それを当たり前にやっているプロレスラーの偉大さを感じました。今日教わったことはしっかり自分の中に取り入れたい」と話すとウルティモは「今日教えたことは自分に合う、合わないがあると思うので、自分に合うものを取り入れて、それが左右田選手にとってヒントになればいいと思う」と話した。

 左右田は2年前に3連敗を喫した後から試合中以外はマスクを着用するようになった。その話を聞いたウルティモは自身がマスクマンになった経緯を語ったうえで「左右田選手も思うところがあってマスクをかぶったわけだから、それはいいことだと思う。これから格闘技をやっていけばいろいろなことがあると思うけど、勝っても負けてもリングに立つ時は気持ちが大事。絶対に勝てると思ってリングに上がらないとダメ。そうすればもっともっといろいろなことが変わる」とアドバイス。そして左右田が戦いのテーマとして「LIBERTAD(リベルタ=自由)」を掲げていることについても「ルチャリブレは“自由への戦い”や“自由を手に入れるための戦い”という意味で、自由を手にするためには義務も発生する。ただ自由を手にするだけではなく、自由になって何をしたいのか? そこまで考えることで左右田選手のことが決まるし、それを考えればもっともっと結果が見えてくる」などと話した。