舞台版「銀河鉄道999」メーテル役は謎の美女ハルカ

制作会見に出席した平方元基、凰稀かなめ、中川晃教、松本零士、ハルカ、入野自由、矢沢洋子(左から)(撮影・蔦野裕)

鉄郎役の中川晃教が「35歳が16歳を演じます」
 漫画家・松本零士の代表作「銀河鉄道999」の40周年記念作品、舞台『「銀河鉄道999」〜GALAXY OPERA~』の制作発表会見が3月27日、都内で開催された。

 会見には主役の星野鉄郎を演じる中川晃教をはじめとした主要キャストに原作者の松本零士らが登壇した。

 同作は1977年に連載が始まった松本のSF漫画。裕福な人々が機械化人となり永遠の命を謳歌する未来世界を舞台に、機械伯爵に母を殺された主人公・星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに銀河超特急999号に乗り込み、機械の体をくれる星を目指して宇宙空間を旅する物語。

 今作では1979年に公開された劇場版第1作目のストーリーをもとにオリジナルのシーンも交えて、鉄郎が宿敵である機械伯爵と時間城で対決するまでを描くという。

 この日はメインビジュアルが公開されたのだが松本は「演じる皆さんも素晴らしいし、この写真を見ただけでも涙が出るほどうれしい。少年の日からの夢ですから」などと話した。そして作品については「私が18歳の終わりに、出版社に呼ばれて上京するときに乗った汽車がC62の48号。これが49号までしかない汽車だった。それでひとつ前の汽車に乗ったということで『999』というタイトルを考えた。これは自分の青春。極貧の生活だったので行きの切符だけを持って上京した。そのときあの汽車に乗っていなければ、私の運命はかわっていた。そういう思いで描いたのが999。999というのは未完成という意味。999は私の青春です。今でもその中で走り続けているんです」などと感慨深げに話した。

 星野鉄郎役の中川は「16歳の少年がキャプテン・ハーロックにあこがれ宇宙の旅に出ようとする。星野鉄郎にはあこがれだけではなく、もう一つ目的がある。母の仇を取ること。永遠の命を求めて、今、999の電車に乗る。なんとも16歳には思えない。でも16歳の少年の旅の始まり。そして旅を経て彼が何を気づき、何が彼の中で変わるのか。成長物語という部分でも星野鉄郎を演じることができて、とてもうれしく思っています。35歳です。16歳を演じます(笑)。ここのあたり、ぜひ期待していただけたら」と物語についてしっかりと、そして時折笑いを交えながら話した。

再現度が半端ない中川の鉄郎とハルカのメーテル

ハルカ「メーテルは謎が多い。研究しながら役を作っていこうと思っています」
 今回のキャストの中で注目を集めるのがメーテル役のハルカ。ハルカは「ハルカトミユキ」というユニットでミュージシャンとしての顔も持つ。演技については今回が3度目の舞台で、メーテル役に大抜擢された。

 ハルカは「メーテルは鉄郎を母のように見守りながら一緒に旅をしている女性。私にとってもまだ謎が多くて、自分でメーテルについて研究しながら役を作っていこうと思っているんですが、まだまだこの女性はいったい何を考えているのか、私にとっても分からないことがとっても多くて、その辺を舞台を通して皆さんにも、“この人は鉄郎にとってどういう存在なんだろう”ということが分かるような舞台になったらいいと思っています」などと挨拶した。

 舞台は6月23日から明治座で上演が始まる。その後、北九州、大阪でも上演される。