FUMIYA「1度負けた選手に2度は負けない」トーナメント決勝でリベンジ誓う

撮影・神谷渚

 服の上からでも分かる熱い胸板とがっちりとした肩幅。さすが格闘家!と思いきや、格闘技を始めてまだ3年くらいしか経っていないとか。

「幼稚園の時にはもう泳いでいた記憶があります。その頃からオリンピックを目指し、水泳をやっていたんですけど、中学校2年生ぐらいの時に伸び悩んでしまって…。ほぼ毎日練習していたのに、これだけやってもダメなんだから、この先も無理だろうと。で、もういいいやって思ってやめちゃったんです」。

 ジュニアオリンピックにまで出場したのに、何ともあっさりと…。

「学校の部活で陸上もやっていて、そっちのほうが面白くなって、本格的に陸上に転向しました。高校時代は800mでインターハイを目指していましたが、結局インターハイには出場できず、関東大会止まり。その後の記録会で1位になったりもしたんですけど、インターハイに出ていないという事で、希望していた大学に推薦がもらえず、陸上もやめちゃいました。諦めが早いというか、ちょっと投げやりになっちゃう性格なのかも知れない (笑)。その後は、柔道整復師の専門学校に通っていたんですが、1年ぐらい何もしていなかったら、太ってきちゃって(笑)。ダイエット感覚というか、エクササイズ感覚で、現在のジムに通い始めたら、格闘技にはまってしまった。そこから、自分の格闘家としての人生が始まりました」

撮影・神谷渚

 フィジカルの強さと運動能力の高さで、めきめきと頭角を現しプロデビュー。デビュー戦は昨年の3月。

「アマチュアのデビュー戦がめちゃくちゃきつかった。結果はドローだったんですけど、1R2分の試合で、開始20秒ぐらいからきつくなってきて、2分でスタミナ切れでした。プロは1R3分ですから…これは厳しいなと…。でも会長をはじめコーチたちが、“1戦目なんてみんなそんなもの。頑張れば次は勝てるよ”って言ってくれた。それを信じてやっていたら、アマチュアの成績も上がり、K-1アマチュアの試合でもいいところまでいけたので、プロとしてやっていけるかなと。デビュー戦の相手は鈴木勇人。2R目に2回ダウンをもらい、周りはもう終わりかなという雰囲気でしたが、自分的にはまだ気持ちが折れていなくて、とにかく気持ちで負けないようにと。それで3R目にガンガンいったら、KOで勝つことができました」

撮影・神谷渚

 その後も戦績を重ね、5月17日(木)、東京・後楽園ホールで開催されるKrush.88「Krushスーパー・ライト級次期挑戦者決定トーナメント」の決勝に進出。対戦相手は篠原悠人。

「篠原選手とは一度対戦し、負けています。デビューした年の10月にKHAOS.4のメインだったんですけど、ちょっとビビっちゃいました(笑)。パンチが強いというイメ—ジがありましたし、自分も格闘技歴がそんなに長くなかったので、前に行けませんでしたね。あとから試合の映像を見て、全部自分の攻撃を見て篠原が攻撃を出していたので、戦い方を知っているなと。経験の差もありましたが、テクニックはすごいなと思いました。ただ今は経験も積んできましたし、怖さは全然ないです。このトーナメントの準決勝が、優勝候補と言われていた中村広輝選手だったんですが、その中村選手にKOで勝つことができ、それがすごく自信になっています。自分は負けず嫌いですし、1回負けた選手に2回も負けたくはないですから」

撮影・神谷渚

 篠原に闘志を燃やすFUMIYAだが、次の試合はその先にある大きな目標への第一歩だ。

「ここまで来たからには、このまま篠原にも勝って、チャンピオンを狙います。6月には子どもが生まれるので、タイトルマッチに勝ってチャンピオンになったら、リングに上げて一緒に写真を撮りたい。介護士として仕事をしていて、練習と仕事で休みがほとんどない状況なので、大きくなった時にその写真を見せてあげたいなって。それを実現できたら、次の目標はK-1のチャンピオン。 もともとK-1のチャンピオンを目指していて、“24歳でチャンピオン”“K-1のベルトを獲る”という目標があり、それはスマホの待ち受けにして常に目に入るようにしています。今度の試合で勝って、タイトルマッチでチャンピオンになれたら、24歳でベルトという夢は叶う。今のところ順調にきているので、絶対にK-1のチャンピオンになるという夢はかなえたいと思っています」

ハイパーバトルアスリート FUMIYA(ふみや)
埼玉県草加市出身。1994年5月9日生まれ。小さい頃から水泳をやり、JOCジュニアオリンピックにも出場。オリンピック選手を目指すも、途中で陸上に転向。長距離で高校時代には関東大会に出場。高校卒業後、しばらくしてから格闘技を始め、プロデビューは2017年3月3日。その後、格闘家として順調にキャリアを積み重ね、デビューから6戦という早さで、「Krushスーパー・ライト級次期挑戦者決定トーナメント」の決勝に進出。5月17日(木)、東京・後楽園ホールで、篠原悠人選手と対戦する。ポゴナ・クラブジム所属。Twitterアカウント:@kingo5o9kfk