「ラグビーワールドカップ2019」日本はどこまでやれるのか!?【ギモン解決の1週間】

伝説のラガーマン・吉田義人に聞く

 2019年に「ラグビーワールドカップ(W杯)2019」が日本で開催される。2020年に東京で開催される「東京オリンピック・パラリンピック」の話題に隠れているわけではないのだが、いまいち盛り上がりに欠けてはいないか? あの2015年イングランド大会の感動を忘れちゃいないか? ということで、ラグビーについて、そしてラグビーW杯について、など5つのテーマで元日本代表の伝説のラガーマン・吉田義人氏に話を聞いた。

吉田義人氏(撮影・蔦野裕)

パート1「ラグビーの立ち位置」
 まずはラグビーというスポーツの立ち位置を教えてください。

「ラグビーは世界的にはメジャーなスポーツです。夏季オリンピック、サッカーのワールドカップ、ラグビーのワールドカップというのが『世界の3大大会』と言われているんですが、ラグビーワールドカップはそのうちのひとつになります。オリンピックでも2016年のリオデジャネイロ大会からから7人制のラグビーが正式種目になりました。そういう意味では全世界に普及している人気のあるスポーツだと言っても過言ではないと思うんです。しかし、日本において人気のあるスポーツと位置付けられているのは野球とかサッカーですよね。これらのスポーツと比較するとラグビーはそれほど人気のないスポーツで、言わば、不人気なスポーツです」

 あえて「不人気なスポーツ」と言うのは?

「なぜ僕が不人気のスポーツと言い切るかというと、自分の中に確固たる基準があるからです。あくまで僕の基準なんですが、世の中にはスポーツに興味がある人もいれば、全く見ない、知らないという人もいる。興味のない人の中でもオリンピックだけは見るとか、そのスポーツにおけるスター選手の名前を知っているという人はたくさんいます。そういう基準からすると、例えば、野球やサッカーの“スーパースターを3人挙げてください”と質問すると、ほぼ100%の確率で3人の名前がすぐに出てくる。ラグビーの場合は“3人挙げてください”と質問しても、“う~ん”となってしまいます。2015年のW杯で五郎丸選手が活躍し、注目を浴び、人気者になりました。2015年以前はラグビーに興味を持っていなかった人達をはじめ、多くのみなさんが五郎丸選手のことを知らなかった状況でした。僕のそういう基準で考えると、ラグビーは決してメジャースポーツではありません。それに、野球やサッカーをプレーしている子供達の競技人口数を比較したら、数字が大きく離されているのが実状です」

 だいたいどこの高校でも野球部やサッカー部はあるが、ラグビー部はそこまでではない。見る機会や実際にプレーする機会があればもっと広がりそうなスポーツに思えるのだが…。

「ラグビーは格闘技的な要素と球技的な要素が入り混じっているスポーツ。僕は “ルールがある喧嘩”という言い方をするときもあるんですが、たくさんのスポーツのある中でもすごく奥深いスポーツだと思いますよ」
(TOKYO HEADLINE 本吉英人)

(パート2「ラグビーの魅力」は6月20日掲載予定)