「魔界転生」がこの秋舞台化! 上川隆也「無茶苦茶にやりたい」

左から、マキノノゾミ、浅野ゆう子、松平健、上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、堤幸彦

 舞台「魔界転生」の製作発表会見が19日、都内で行われ、柳生十兵衛を演じる主演の上川隆也をはじめ、溝端淳平、松平健、高岡早紀、藤本隆宏、山口馬木也らメインキャスト14名が出席。脚本のマキノノゾミ、演出の堤幸彦も登壇し、意気込みを語った。
 
 山田風太郎の人気時代小説を舞台化。これまでにも、映画、舞台、マンガ、アニメ、ゲームなどさまざまなジャンルで表現されてきた作品だ。

「大変です、本当に大変です!」……でも、このシーン、前にもどこかで見た覚えが……。

 脚本のマキノノゾミは、最初のあいさつで「山田風太郎先生の傑作。深作欣二監督の有名な映画もあります。そのどちらのファンの方にも納得していただけるような脚本を書いた。なおかつ、プロデューサーは今までに見たことがないような舞台にしたいとの強い要望でしたので、そのつもりで書きました。その結果、おそらく、スタッフが読むと激怒するような、どうやってやるんだと、かなり無茶なことを書きました。でも、堤(幸彦)監督は動いてくださると思った」。

 堤は「見たことがないものをどうやって見るものにしようかと日々頭を悩ませています。今できる舞台技術の最高峰を結集して、とにかくやったことないことに挑戦しようと。かなり大胆な舞台になっているんじゃないかなと思います。記者のみなさんにもお伝えしたいこともたくさんあるんですけど……」というとキャスト陣に向き直り、「一番言いたいのは役者の皆さん! 大変です、本当に大変です。体調を整え、身ぎれいにしてお越しいただきたいと思っています」と、プレッシャーをかけた。

伝説の舞台「真田十勇士」のメンバーも!

10月に開幕と本番までしばらくある。脚本は演者のもとに渡っていないそうで、マキノと堤の言葉に、キャスト陣は神妙な顔つき。

 上川は「1つの時代アクション物語として語ってしまうのにはちょっと枠が小さすぎるような、そんな物語。正直、このお話を舞台として構築されるという話を聞いたときには、一度橋之助さんが(舞台を)なさっていることを知りながらも、自分のなかで像が結ばなかった。、深作さんが映画の世界もそうでしたけどスケールが並外れているので。それを、見たことのない形で舞台の上で繰り広げるというのは演者としても興味を掻き立てられましたし、舞台を作り上げる意義みたいなものがあるのではないかと感じています」

 また、マキノや堤の「無茶」や「無茶苦茶」という話について聞かれ、「真面目に答えれば、無茶苦茶しないとこの『魔界転生』はできない。ある意味、覚悟して受けた仕事。無茶苦茶してやろうと思います」と闘志を燃やしていた。

 天草四郎を演じる溝端は、天草四郎の最期の場所・原城跡を、マキノと堤と3人で訪れたことを明かし、「その場所の風とか空気とかを感じながら役作りに臨めるのは本当にありがたいなと思いつつ、移動中に、マキノさんも堤さんも2言目には大変だよ、飛ぶよ、と。不安と期待の両方ですが、宙吊りにされようが地べたを這いつくばろうが精一杯舞台にいようと精進したい」と、意気込んだ。

 大変という言葉が飛び交い続けた会見。「年齢は関係ない」と堤。

 柳生十兵衛の父である柳生但馬守宗矩を演じる松平健は「大変だというのを聞いて、だんだん不安になってきた。一番強い、剣豪という役なので体を鍛えなおしたい」と、話した。

 本作は、日本テレビ開局65年記念舞台。10月6日に福岡の博多座で開幕。11月3~27日に東京の明治座で、その後12月6日から大阪の梅田芸術劇場で上演する。