【インタビュー】DEEP、旅立ちに寄せたニューシングル『WISH』に込めた想い

 コーラスグループのDEEPがニューシングル『WISH』を26日にリリースする。9月にメンバーのRYOが年内でグループから卒業し、アーティストではない別の道を歩むことを発表。スペシャルな作品にならざるを得ない本作について聞いた。
撮影・蔦野裕


――RYOさん、卒業の発表があったときには本当に驚きました。

RYO:……毎日のなかでこみあげるものがあって、気づいたときにはもう別の道に進みたいという気持ちが固まっていて。ただDEEPとして12年間やってきましたから、メンバーに話すまでは葛藤はありました。

――メンバーにその気持ちを伝えたのはいつ頃だったのですか。

RYO:今年の7月だったと思います。

――7月って……本当にごく最近なんですね。

TAKA:メンバーの一人ひとりに連絡が来たんです、話したいことがあると。……僕はそんな話をされるんじゃないかなっていうのがあって。でも、今もそうですけど、その時も前向きな気持ちになれたんです。新しいことにチャレンジしてみたいという気持ちがすごい伝わってきて、やりたいこと進みたい道が見つかったのは素敵なことだと素直に思えました。ここは僕らの分岐点なんだって思えたんです。

――『WISH』はRYOさんがメンバーに気持ちを伝えた後に作り始めたのですか?

RYO:はい。このタイミングでシングルをリリースする話はなくて、急きょ決まったんです。……たぶんスタッフさんの優しい計らいです。もう1曲この4人でどうだっていう。

――制作はどのように?

RYO:メンバーもスタッフのみなさんも、今回はRYOがやったらどうか、と。それで、ありがとうございますという気持ちで、僕が進めさせていただきました。

YUICHIRO:コンセプトはあって、RYOがプロデュースするという感覚です。

RYO:まずはメンバーでどんな楽曲がいいかと話してコンセプトを決めました。そのうえで、曲をお願いするときに、バラードで湿っぽい感じにはしたくないけれど、だからといってアップテンポでもなくて、その中間。歌いあげたいしテンポもある曲がいい、前向きな曲にしたいなって。いろんな楽曲を聞かせていただきました。その中から全員がいいなと思ったのが、『WISH』でした。

――歌詞もRYOさんが担当しています。

RYO:今回は、書くことが決まってから書きたいことかをメモるようにしていました。ふと浮かんできたことをメモしたり、それが1時間おきぐらいにあったりで。いざ書くという時にはある程度は決まっていました。12年分の思い出や感謝の気持ちはあるんですけど、そこに集中しちゃうと振り返る感じになってしまう。前向きな曲にしたかったので、今の僕が今思うことをそのまま書こうと思いました。聴いて下さった方たちの背中を押せるような、何かアツいものを感じてもらえるような曲になっていったらうれしいです。

――ドラマティックで心揺さぶられる歌詞ですね。なにかこう、これからDEEPとして進んでいく3人へのエールにも思えるし、新しい道を一人で歩んでいくRYOさんの決意表明にも思えるし……。

RYO:それは、3人に向けての応援が強いですね(笑)。あとは何より、聞いてくれる方々への。それと実はこの曲、最初は『WISH』じゃなくて『FISH』だったんです。

――そうなんですか? でもそうですね……サビの部分、WISHをFISHに置き換えると、WISHよりもっとフィットしちゃいますね。

RYO:僕はずっと、DEEPに魚のイメージを持っていたんです。深海魚じゃないですけど、深いところで4匹の魚が光を求めて泳いでいる。波に打たれて流れに逆らったりしながらそれでも泳ぎ続ける。そんなイメージが。

YUICHIRO:ああ、そうか。イワシかな(笑)。

TAKA:魚はルーツでもあるしね(笑)。

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