求道者・リオン武「今はMMAという競技の新人。38歳でまだドキドキしている」【12・31 RIZIN】

得意の右ストレートで朝倉未来を倒すことができるか!?

「RIZIN 平成最後のやれんのか!」で現在売り出し中の朝倉未来と対戦
「RIZIN 平成最後のやれんのか!」(12月31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)に出場するリオン武が12月25日、神奈川県鶴見区で自ら主宰するライジングサンで公開練習を行った。

 リオンは第6試合で朝倉未来と対戦する。

 この日は右ストレートに特化したマススパーとミット打ちをそれぞれ2分ずつ行った。

 練習後の会見ではこの一風変わった練習について「自分の武器である右ストレートを当てるための練習。右ストレートは昔から得意だったが、みんなに研究されている。そこをまた当てようと思って、いろいろ研究している」などとその意図を説明。そして「出稽古先のKRAZY BEEに右ストレート職人の朴光哲選手と田村一生選手がいる。2人は本当に右を当てるのがうまい。練習に行くたびに僕も教えてもらっている。そこで学んで、少しずつ自分なりの右を当てる感覚が分かってきた。まだまだ修行中なんですが、常にそれを磨いているという感じ」と続けた。

 リオンは元修斗世界ライト級王者。DREAMなどメジャーイベントで活躍したが2016年9月を最後にリングから遠ざかっていた。しかし今年5月に修斗のリングに復帰。その復帰戦で現王者の斎藤裕に判定で敗れたものの、9月には同級世界1位のTOMAに判定勝ちを収め復活を遂げた。

 リオンはそんな現在の自分については「いま38歳なんですが20代の頃より確実に強い。3年前からトレーナーに見てもらっているフィジカルトレーニングのおかげで、フィジカルも技術も確実に上がっている。それは自信がある」と話した。

ミット打ちでは重い右ストレートを何度も放った

対戦相手の朝倉については「振りの大きい鋭い打撃」「クレバーな選手」
 実際、今回は大会まで日が浅い中でのオファーだったが「トレーニングは20代のころは今思うと適当だった。試合前だけいっぱい練習して、普段は好きな練習だけしていた。でも35歳を超えるとそうはいかなくて、今は常に厳しいトレーニングをしている。体重も73kgをキープしている。オファーが来た時も普段から鍛えているから間に合うかなと思ってすぐに“66kgでいいです”と答えた」などと常にベストコンディションをキープしているよう。

 今回は久々のビッグイベントへの出場となるが「オファーをもらってびっくりした。なんで俺なんだろうって。まあ未来選手の相手がいなかったんじゃないですか(笑)」とここはベテランらしく力むようなところはなかったが「平成最後の大晦日に声をかけていただいて、選手冥利に尽きる。本当にありがたい。選手を長くやっていてよかった」と大晦日という特別の舞台についての深い思い入れをにじませた。

 対戦相手の朝倉については「振りの大きい鋭い打撃とクレバーな面もある強豪」と評し、朝倉がリオンの右ストレートばかりでなく組みについても警戒していることについて「試合を見ていれば性格が分かる。クレバーな選手なのでしっかりと研究してくると思う」と話した。 そして試合については「自分の武器は右しかない。右が絶対的な勝利の鍵となる」と話した。

「今は自分自身を磨いているのが楽しい」と話すリオン

「世間のアラフォーの人たちに今からでも頑張ればなんでもできるというところを見せたい」
 また、かつて対戦したことのある日沖発が8月の大会で朝倉に敗れたことについては「日沖選手が最近、調子を落としていたこともあるし、もしかしたらとは思っていた。後で映像で試合を見たら日沖選手の動きが悪かった。膝が悪かったんだと思う。ヒザが悪いと激しい練習ができないので調整が効かない。スピードもなかった。同世代のスーパースターなので、悔しい気持ちはあった」と話した。

 また朝倉がリオンについて「知らなかった。ビッグネームなんですか?」とコメントしたことについては「対戦相手にどうこうというのはない。今は自分自身を磨いているのが楽しい。自分を高めている。自分との戦い。20代の時は総合格闘技をやっていた。今は総合格闘技ではなくMMAになっている。今年復帰してMMAという競技を一からやり直している気持ち。昔、総合格闘技という競技でチャンピオンになったというだけ。今はMMAという競技の新人選手。本当にそういう気持ち。毎日新しい発見があって楽しい。38歳で、まだMMAという競技にドキドキしている」と話す姿は求道者のそれ。

 そして「世間の同年代のアラフォーの人たちに、今からでも頑張ればなんでもできるというところを見せたい。そういう熱いところを見せたい」と話した。