町田啓太「前日の夜中に2ページ分の長ゼリフを」監督に指示され完璧に覚えるも…



 映画『二階堂家物語』の公開記念舞台挨拶が26日、都内にて行われ加藤雅也、石橋静河、町田啓太、白川和子、陽月華、本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めた河瀨直美が登壇した。

 中東の女性が直面する問題を描いた初の長編『NAHID(ナヒード)』で「第4回なら国際映画祭2016」の最高賞を受賞したイランのアイダ・パナハンデ監督が奈良を舞台に、跡継ぎをめぐる3世代の家族の愛と葛藤を描いたヒューマンドラマ。



 本作にも出演するネルソン・バビンコイの司会のもと撮影の舞台裏を語ったキャストたち。一家の父親を演じた加藤は印象深かったシーンについて「(石橋が演じる長女)由子と雨の中でケンカするシーン。実は何回も撮影してびしょぬれになりながらもっと長く撮ったんですけど、すごく短くカットされていてショックでした。それならあんなに長く撮影しなきゃよかったのに、と…」とボヤいて会場の笑いをさそうと、河瀨プロデューサーが「あれは本当に雨が降ったんですか? 後ろにいた野球少年たちはエキストラ?」。加藤は「雨が降ってしまったのでそのままやろう、と。野球少年たちも何度もやってビショビショですよ。監督はお構いなし」と監督の剛腕ぶりを明かし、河瀨も「こだわりですね」と苦笑。


「全部が印象的だったんですけど、アイダ監督とも毎晩のように話し合っていたので…」と振り返った町田。加藤から「長ゼリフを覚えさせられてね」と話をふられると苦笑し「2ページくらいの説明セリフを、1日前に覚えてほしいと。しかも前日の夜中、もう寝ようかなというところに連絡が来て。自分たちの会社をピーアールする場面のところなんですけど」と監督のハードな要求を明かし、これには観客もびっくり。そこに加藤が「それを(町田は)バッチリ覚えていたんです。ものすごい長いんです。でも切られていたね」と付け加え会場も思わず大笑い。「アドリブまで入れてけっこう長くやったんですけど(カットされていて)シビれましたね。知識もないので覚える前にまず調べるところから始めたので。途方もない挑戦をさせていただきました」と苦笑する町田を、加藤が「よくやったよね、無理だと思ったもん」とねぎらい、会場からも拍手が沸き起こった。


 さらに、河瀨から「カラオケのシーンで監督から“もっと酔っ払え!”ってすごく言われていませんでしたっけ」と聞かれた石橋も「酔っ払った感覚になっているんですけど怒られて“酔い”がどんどん冷めてしまって(笑)」と厳しい演出を振り返った。すると大ベテラン白川も「私もどのシーンも好きなんですけど…一番怖かったのは棺(ひつぎ)の中に入れられて火葬されるシーン。怖いですよ、あれは」と激白。「(自分は棺から出て)空っぽで(焼却炉に)入るのかと思っていたんですけど、そのまま棺の中に入っていてと言われて。亡くなっているときはこの怖さは無いんだと思いながら“早く助けてー!”と思っていました。誰かが間違えて火をつけたらこれで終わりだと…。命がけでした」と迫真の表情で振り返り、会場も大爆笑。そんなハードな撮影を終えたキャストたちを、河瀨プロデューサーは「この現場はイランの言葉と英語と日本語が入り乱れていて、言語を超えた先に絆を作り、撮影していかなければならなかった。それを乗り越えてくれた皆さんは本当に素晴らしい」とたたえた。


 また今年で俳優デビュー30周年を迎えた加藤。次世代に残したいものはと聞かれ「日本の映画界を支えたのは昭和の名優たち。勝新太郎さんとか若山富三郎さん、三船敏郎さん、志村喬さん、市川雷蔵さん…そういう名優たちの名前を新しい年号になっても語り継いでほしい」と語り「先日、白川さんが毎日映画コンクールで田中絹代賞を受賞されましたが、田中絹代さんもすごい女優だった。ハリウッドの俳優でいえばジェームズ・ディーン賞を僕が取るようなもの」と白川の受賞を祝った。

 イベントの最後には公開を記念して文明堂の特製カステラが登場。「もしかして文明堂と二階堂をかけた?」という河瀨がツッコミを入れると、加藤が「文明堂のカステラ1番、二階堂は2番、とならないように応援していただければ」と締めくくり笑いでイベントを締めくくった。

 映画『二階堂家物語』は全国公開中。