GACKT「鼻にピーナッツを詰め込まれるときも真剣だった」愛ある埼玉ディス映画『翔んで埼玉』プレミア

全員で“埼玉ポーズ”

 映画『翔んで埼玉』ジャパンプレミアが28日、都内にて行われ二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、ブラザートム、島崎遥香、加藤諒、益若つばさ、中尾彬、京本政樹という豪華な顔ぶれと武内英樹監督が登壇した。

原作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した同名コミック。すさまじい“埼玉ディス”が詰め込まれた怒とうの世界観に、映画オリジナルの要素を加え、虐げられた埼玉県民が東京に反旗をひるがえす壮大なストーリーが展開される。

 この日は、SNSで同作PRに協力した人の中から選ばれた当選者のためにわらとゴザが敷かれた台座の上にパイプ椅子を並べた「埼玉スーパーシート=SSS席」が用意されたり、レッドカーペットならぬ“そこらへんの草”色のカーペットが敷かれるなど、世界観に合わせた“埼玉ディス”演出が随所にちりばめられ、キャストたちを苦笑させていた。



 東京都知事の息子・壇ノ浦百美を演じる二階堂は「最初はものすごく埼玉をディスっているんですが途中から愛の方向にガラリと変わっていくので、ディスりからの愛という変化を楽しんでいただければ」。アメリカ帰りの帰国子女だが実は隠れ埼玉県民の麻美麗を演じるGACKTは「最初にオファーをいただいて、高校生ということだったんで即答で断ったんですよ」と明かし「でも高校生といっても特殊な高校生で…という話をされ、どんな高校生? と思うじゃないですか。そこからこの物語を知って(出演することに)。そうしたら初日がキスシーンから始まったのでなんて行程だと思ったんですけど、セットがけんらん豪華なで、キャストたちもすごいメイクをしていて。僕もふみちゃんもいい形で入ることができた」と振り返った。

 千葉解放戦線の戦士・阿久津翔を演じた伊勢谷友介は「これからは千葉を押していかないといけないということで、次回作は『泳いで千葉』でお願いします」と次回作にも期待。伝説の埼玉県人・埼玉デュークを演じた京本政樹は「僕の役は原作では絵が描かれていないんです。そのためカツラを作るのに1カ月かかり僕だけ撮影が押してしまって。でも今日、会場にもいらっしゃる魔夜峰央先生が、僕を見るなり“これが埼玉デュークだ!”とおっしゃって。それなら先にそれを描いてくだされば…とも思いましたが(笑)」と原作者から太鼓判をもらったことを明かした。



 同作では埼玉出身の島崎遥香や益若つばさ、ブラザートムも出演。トムは「監督に聞いて本当に熊ヶ谷の言葉を使ったら、そんな言葉はない、やりすぎと言われ、だんだん標準語に近づいてしまって」と振り返り「クイーンの映画に勝てるのは本作しかないと思った」と胸を張った。一方「埼玉県民だと言うのが恥ずかしい気持ちもある」と明かした島崎は「恥ずかしさはまだありますけど、ちょっとは誇れるものができたんじゃないかと思います。今までさいたまスーパーアリーナしかなかったから」と自虐的を交えつつ喜びの表情。益若は「もともと原作を読んでいて想像以上にディスられていたので今回、埼玉県民として出演していいのか悩んだんですけど、参加させていただいたらすごく愛のあるディスりだった」と語り「普段から埼玉といったら何も1位を取れないのに貧乳だけナンバー1だったりとか…それがすごく嫌なんですけど。埼玉の人はいじられ慣れているので今回も誰も怒らないと思います」と、埼玉県民の懐の深さをアピール。



 二階堂が「それぞれの星の代表の方が地球にわーっと集まってわーっと帰っていたようだった」というほど個性派が集結した本作。GACKTは「今回、京本さんと初めてお会いしたんですが、メイクさんが同じ方だったりしてずっとお話は伺っていたんです。それで楽屋に挨拶に行ったら“やっと会えたね!”と言ってくださって。僕もやっとおあいできましたね、と返したら“だってさ、同じジャンルじゃん”って。思わず同じですか!?と聞きかえしてしまいました」と初対面時のエピソードを明かし、会場も大爆笑。京本は「15年近くGACKTさんのお話を聞いていたのに会えなくて、どこに行ってもGACKTさんと比較されるんです。俺、還暦なんだけどな、と思っていて」と、どうやらGACKTと一緒に語られるのがうれしかった様子。



 最後に二階堂は「埼玉の方も千葉の方も、この作品を通じてさらに地元を愛する気持ちを増していただければ」と語り、GACKTは「今世紀最大の茶番劇と言ってもいい作品だと思いますが、監督は自分から笑いを取りに行くのではなく見にきてくれた方がくすっと笑える作品にしないといけないと常々おっしゃっていて、現場では最初から最後まで真剣に撮影していました。僕も鼻にピーナッツを詰め込まれるときも、伊勢谷くんが真面目すぎて、ピーナツを片手に持ちながら“こうやってこうやって、最後に右の鼻の穴に…”とリハーサルで何回もやられる僕の気持ち、分かりますか? それだけ真面目にやったので最後まで楽しんでいただければ」とアピール。盛大な爆笑と喝采が送られた。

『翔んで埼玉』は2月22日より全国公開。