「天気の子」のバニラ求人論争に思う、表現の規制と自由【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 この猛暑の中、三栄町LIVE特別公演 黒田勇樹プロデュース『リトルスーサイド』の稽古が佳境に入っております。

 今年は冷夏なんじゃないかと思っていたので、このギャップはなかなかこたえますね。

 別に暑いのはいいんですが、こう暑いと俳優たちがコンディションを崩さないかとか作品以外のことが気がかりになったりします。

 みんな体に気を付けて頑張りましょう!

 今週は鑑賞記やります。
黒田勇樹
 新海誠監督の最新作「天気の子」を観てきました!

 異常気象ともいえる長雨に見舞われている東京を舞台に、家出少年と不思議な力を持つ女の子が出会う王道のセカイ系ボーイミーツガール映画なのですが、冒頭30分ぐらいから涙が止まらず、ラストまで泣きっぱなしで「おじさんのお目目の方が異常気象だよ!」っつー傑作でした。

 さてさて、前作「君の名は」もそうだったんですが、複雑で綿密に組まれたプロットと、説明が難しいところは奇麗な画と素敵な音楽で豪快に押し切るスタイルの作品なので、ストーリー的な部分は解説がなかなかに難しいので、今回は、今話題の「表現の規制と自由」について少し考えてみたいと思います。

 実はこの夏休み、もっともファミリーを呼び込むであろうアニメ映画ですが、局所的に大きな議論が起こっているのをご存知でしょうか?それは冒頭、地方から東京に家で来た少年が迷い込んだ新宿歌舞伎町での「バーニラ!バニラ!求人!」のアドトラックを始めとする性風俗の描写。

 勿論、具体的にプレイをしているところが出てくるということは全くなく、あくまでも風俗街に迷い込んだ少年が目にする店の外観等の景色にとどまっているんですが世の親御さんの中には「子供向けの映画で何してくれとんじゃ!」と。

 子供向けというよりは全年齢向けと言った方が正しいと思うんですが、まぁ“夏休み公開”“アニメ”なので“子供をターゲットにしている”と認識されても仕方がないです。が…

 別に良くね!?

 最近、メディア側に“教育丸投げ”みたいな妄想を抱いている親御さん多いですが、勿論ある程度の規制は必要だとしても「あのトラック何?」「危険なお仕事を紹介してくれる車だよ」「危険なお仕事って?」「大人になったら教えてあげる」の2ターンの会話で終わる教育を、映画側に求めますか!?

 教育したければ、教育テレビ見せといてくれよ!

 先日の映画版シティーハンターでもかなり新宿や歌舞伎町、ゴールデン街の景色が鮮明に残っていて、僕なんかは「こういう映画が後世で文化的な資料になったりするのかもなー」なんて思ったりしました。

 例えばですよ、性的な表現をしらみつぶしに規制して行って、一般的な文化には一切の性表現が残らず、エロ本やAVでだけ性表現が後世に残ってしまったら100年後の世界では「外ではこんな大人しい顔してヤることヤる時は触手プレイ!日本人クレージー!」みたいに思われちゃいますよ。

 浮世絵も春画もあるから、僕らも江戸の文化を想像することが出来るワケで。

 先日も表現規制について大きな論争がありましたが、結局「ガソリンまくぞ」とテロ予告があったため、その表現の是非がとことん話し合われることなく展示中止に。

 親と子供であろうと、作り手と観客であろうと、国と民間であろうと、何かが作られた時に、一足跳びに規制、中止かどうかの判断をするよりも「何故、そう思うのか」をきちんと双方が同じテーブルで話し合って、お互いが納得する結論が出せる文化が出来るといいなと思いました。
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