こんにちは、黒田勇樹です。
今年の最初のコラムでちょっと触れさせていただいたんですが、5月からTOKYO MX2で始まる新番組『J-BOT ケロ太』の監督をやらせていただいております。稽古とか撮影がぼちぼち始まっておりまして、面白い作品に仕上げるべく頑張ってますのでご期待ください。
では今週も始めましょう。
こんにちは、黒田勇樹です。
今年の最初のコラムでちょっと触れさせていただいたんですが、5月からTOKYO MX2で始まる新番組『J-BOT ケロ太』の監督をやらせていただいております。稽古とか撮影がぼちぼち始まっておりまして、面白い作品に仕上げるべく頑張ってますのでご期待ください。
では今週も始めましょう。
映画を始めとする創作物は、一度しか人生を歩めない人類が“誰かの人生を疑似体験しようとする悪あがき”の様なものだと思っているのですが、今回鑑賞した映画「The Son 息子」は、その純度がとてつもなく高かったです。
ヒュー・ジャックマンが、再婚して赤ん坊のいる家庭を持つ仕事盛りの弁護士を演じるのですが、そこへ前妻との間に生まれた、心の問題を抱える17歳の息子が訪れることから始まるストーリー。
メインのキャラクターは父と息子、前妻、今の妻の4人で描かれるのですが、それぞれの「関係の矢印」が、凄い。
1例をあげるとすれば、前妻の息子を受け入れようとする奥さんと、それに喜ぶ息子の中に「赤ん坊に何かされないだろうか」という不信感や「妻のいる男を寝とった女」という目線が混在している。
登場する全ての相関図に、こういった複雑な矢印が存在していて、更に“明確には”語られない。
どちらかというと、議論する場面が多いので、台詞も鋭い言葉のやり取りが続くのですが、物語の本質は、その間の登場人物たちの表情によってだけ語られていくという印象。
離婚の理由とか、最近の流行りだと「酒!暴力!金銭感覚!セックス!」みたいに、言葉として提示しがちですが、そういうことは、一切しないで「この話をしているときの顔を見る限り、お互いになにかしらあったんだろうなぁ…」と、胸に刺さる。
この“表情たち”の中に、何を感じるかこそが観客の得るものであり、複雑な家庭環境の話ではあるものの、全ての人が自分を振り返ってしまう「鏡を見せ続けられているかのような映画」でした。
特に印象的だったのはヒュー・ジャックマンが自分の父親に会う場面、父を演じるのは名優アンソニー・ホプキンス。
「わーい!ウルヴァリンとレクター博士がしゃべってる!」なんて、思う暇は一切なく、途端にティーンエイジャーの様な表情を見せるヒューに、愛しさと切なさで、心臓をがんじがらめにされてしまいました。
重い内容の映画ではありますが、人生の悪あがきを体験したい方には、是非オススメの1作です。
こんにちは、黒田勇樹です。
5日に三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13「シン・デレラ」が無事終了しました。
今回は妻主演、子連れ稽古といった黒田家総出で新しい取り組みを行いまして、結構大変だったんですけど、なんとかやり切ることができました。関わってくれた皆さんに感謝です。
12日までアーカイブを配信してますので、よろしければぜひ。
では今週も始めましょう。
世界最大のテロのひとつである「9.11」貿易センタービルに飛行機が突っ込んだあの事件を“補償”するために「被害者の命を“ドル換算”した男」の物語なのですが、まぁ、重い。
そもそも、命は不可逆なので「生き返らせる」以外、完全に補う方法なんてなくて、そんなこと、できやしない。
それを「生き残った者たちが前に進むため」という大義名分のもとに、被害者の家族たちに「あなたの家族が、これから歩んだはずの人生は〇〇ドルでした」と、日本人になじみがある言い方でいえば「そろばんを弾く」ワケですよ、限られた期間の中で数千人分。
政府としては全員分、訴訟を起こされては対応に割くコストが膨大になってしまうし、被害者側の目線に立っても訴訟の費用や時間、最悪、負ければ何も手に入らないというリスクを回避するために、この被害者への補償をする基金、「書類にサインすればいくら払います」というルールが設けられるのですが、このルールを作る立場になった主人公の目線を体感することが、非常に重く、どこかでわかっているつもりでいたのに、想像を超えるプレッシャーを味わうことになります。
貿易センタービルという、経済の中心地で起きた事件なので「重役」と「皿洗い」の命の差額を弾き出さなければいけない。
でも、その重役も皿洗いも誰かの家族だったり恋人だったりするワケですよ。
「同性愛が認められていない州に住んでいたら、パートナーに補償金は支払えない」とかね、どこかで線を引かなくてはいけない。
「妊娠する予定だった」と言えば、2人分補償されるとゴロまくヤツとか、本当かもしれないし誰にも非難できないじゃないですか。
「自分がこの立場に置かれたら」と、思うとただただ胃が痛かったです。
「命を金に換える」なんて、たいがい悪役のやることなのですが、この映画は正義の物語なんです。ドキュメンタリータッチに淡々と描かれていますが、カメラワークをよく見てみると主人公のケンが「弁護士として語っている」時は、ずっと、固定のアングルで硬い表現、「人間の言葉を発している」時は、手持ちの柔らかい表現、最後はそれが統合されていき、「正義の人」に、なる瞬間が非常に繊細に巧く表わされている。
どこまでが史実なのかは、調べるのに膨大な時間がかかりそうですが、ひとつの歴史とその裏側にあった人間の想いの記録としては、とても素敵な映画でした。
こんにちは、黒田勇樹です。
三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13「シン・デレラ」が昨日(2月21日)からスタートしました。今回は妻を主演に、そして子連れ稽古などいろいろなことに取り組ませていただいたんですが、本番がしっかりできなければ何を言ってもダメな世界ですのでしっかりやり切ります。
毎度、恐縮ですが、興味のある方はぜひ。
では今週も始めましょう。
こんにちは、黒田勇樹です。
三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13「シン・デレラ」が絶賛稽古中です。
子連れ稽古も思った以上にうまくいっている手応えがありますので、ご期待ください。TOKYO HEADLINEさんにインタビューしていただいたんですが、そちらを読んで興味を持たれた方にもぜひ作品を見ていただければです。
では今週も始めましょう。
こんにちは、黒田勇樹です。
新作舞台となる三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13『シン・デレラ』が絶賛稽古中です。
いろいろなメディアに取り上げられていて、すでにご存じの方もおられると思うのですが、今回、妻を主演に据え、子連れ稽古という現場になっております。
取りあえずはなんとか想定内ではあるのですが、想像を超えることも起こっており、この先予断は許しませんが、幕が上がるまで頑張りますので、ご興味のある方はぜひ。
それでは今週も始めましょう。
こんにちは、黒田勇樹です。
本日(2月1日)は2月21日からスタートする三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13『シン・デレラ』の稽古初日です、もしくはでした。
これから楽しい日々が続きます。いや、なんか大変なことが起こるかもしれないけど、それすらも楽しく思えるような稽古になるような気がします。
少しでも興味を持っていただいている方がおられましたら、ぜひ。
では今週も始めましょう。
こんにちは、黒田勇樹です。
2月21日からスタートする三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13『シン・デレラ』のキャストとかチケット概要とか諸々情報解禁させていただきました。
今回は嫁の珠居ちづるに主演を頼みましたので、子供も稽古場に。ということで僕は子連れ演出家になってます。黒田家総出でどんな作品を作り上げることができるのか? ご期待ください。
では今週も始めましょう。
こんにちは、黒田勇樹です。
現在、絶賛脚本執筆中です。2月21日から上演する三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13『シン・デレラ』の脚本です。
たまたま通りかかってこのコラムを読んでいる関係者の皆様、大丈夫です。信じる者は救われます。
では今週も始めましょう。
ひっそりと2年連続の喪中なので、新年のご挨拶を控えておりますがお許し下さい。本年も宜しくお願い致します。
さて、喪中にかけるワケではないのですが、あまりにも多くの人を失ったエンタメ業界。弾き語りの歌ネタで有名なお笑い芸人AMEMIYAさんが、年末年始のネタ番組で「聞いてないよ!」と歌い上げた姿に、スタジオ中が絶句し目を潤ませる姿に、テレビの前のこちらも涙が止まりませんでした。
あらゆる業界が、同じ苦しみを味わったであろうここ数年、筆者のいた界隈「エンタメ業界で何が起こっていたか」を振り返ってみます。
2021までは、コロナ禍を発端とした「非常事態の緊急対応」だったはずなのに、そこから「何かあれば中止」という風潮が常態化してしまったのが、この1年だった気がします。
発熱者が出たから、戦禍で不謹慎だから、セクハラ、パワハラ、恋愛スキャンダルまで「臭いものには蓋をする」時の様なテンションで、多くのエンタメが延期や中止を“簡単”に決断し、それを観て頂いている観客の皆様にも、どこか諦めムードというか「そういうもの」という感覚がまん延してしまっているのが“やる側”には、諦めを越えて絶望に近いムードを漂わせていました。“ナカのヒトたち”は、全員、苦渋の決断をされたんだろうけど、見え方としてはこう。
ハリウッドとかブロードウェイはそういうハプニングに備えて、絶対にダブルやサードを準備しているんだけど、今の日本のエンタメ業界でそれをしようとしたら、単純に3倍のお金がかかるから、まったく現実的じゃない。
お金ってとても大事なので、それを損得勘定してくれる“制作”側の立場も、一生懸命働いた対価を観劇に使ってくれる方々の気持ちも凄くわかるし、必然的に「優先順位」が低くなることも理解できてしまうので、真ん中にいる演者は「自分たちのやっていることの意味」を見失いそうになることが多かったんじゃないでしょうか。俺もそうだったし。
今年のエンタメ業界は「簡単にやめられる」「中止でもしかたない」から脱却し、「イツナンドキ、そういう事態が起こってもお客さんをガッカリさせない体制」を構築するフェーズに入ったらいいですね。
ショーマストゴーオン、「やるっていったらやる」という、エンタメの本質を取り戻す戦いを始めないといけなさそうです。