オダギリジョー監督「劇場で観ないとこのよさは伝わらない」長編初監督作『ある船頭の話』に自信

撮影監督クリストファー・ドイルとの信頼関係を語るオダギリ
 映像の完成度の高さに質問が及ぶと、まず撮影監督のクリストファー・ドイルの存在の大きさを挙げ「僕がこの映画を通して表現したかったことをすべてクリスが実現してくれた。『ジョーはとにかく俳優に芝居をつけ、アートや画作りを考えて、やりたいことを全部教えてくれ。それがどうやったらできるのかを考えるのが自分たちの仕事だ』と最初に言われ、僕はやりたいことをすべて細かくクリスに伝えた」。続けて「クリスが100%サポートしてくれたので、100%自分がやりたかったことを画にできた。クリスはただの酔っぱらいじゃないなと思いました(笑)」とおどけて笑いを誘った。

 また、印象的な音楽や音響を「ずっと趣味で音楽を続けていて、音楽や音に人一倍こだわりを持っている」としたうえで「今回はいかに5.1chサラウンドを有効に使うかを考えて音を設定していったので、劇場で観ないとこのよさは伝わらない。自宅で環境を整えるのは不可能に近いでしょうから、この映画を本当の意味で100%楽しめるのは劇場しかないと思ってます」と断言。さらに作品の時代背景である明治に時間の流れを合わせるなど、監督としての揺るぎない美意識に記者からの指摘が相次いだ。