松本日向「自分が持っている力や技、全てを使ってアピールしていきたい」


 個性豊かな先輩たちはいかがですか

「練習後にご飯に連れていってもらったりしますし、プライベートな会話もしますよ。城戸(康裕)さんはゴルフの話が多いですかね(笑)。目標としているのはもちろん皇治さんですが、あとやっぱり(金子)晃大さんはヤバい! ずっと無敗なのもカッコいいですけど、本当にストイックですし格闘技の頭脳が明晰で。練習後もご自分の動画を見ているので、自分もスパーリングを見るようにしてからいろいろと変わりました。教えてもらうことも多いですしスパーがめっちゃ強くてみんなボコボコにされてるんで、あの方と五分でやるのが目標です。認められたいって思う人ですね。がむしゃらにやっていてはダメで、頭を使うようにということも意識するようになりました」‬

 男女問わず年上に可愛がられそうですよね。

「……そうかも!? KANAさんも研究の仕方を教えてくれますし。本当に全ての先輩が優しいです。今はすごく上の方たちに可愛がってもらえているので。内心“いいのかな?”って思っています。大宮司さんがミットを持ってくれたり、スパーリングパートナーもトップレベル。こんなによくしてもらっていていいのか?って。これは結果で返すしかありませんから、その想いは誰よりも強いかもしれません」

 充実した格闘技ライフの一方で現在は就職活動の真っ最中。

「両親は‬絶対に就職するように、という意向です。だからプロになるのも迷っていました。このあと大学生でいられる2年弱に何試合できるかも分からなかったし、ジムにも迷惑をかけると思い大宮司さんに相談したところ“そんなに練習して、カレッジとかアマチュア大会じゃ釣り合わないし、後悔するよ”と。そんなことを言ってもらえて本当にうれしかった。皇治さんにも相談したら“大宮司さんがいいっていうんだから、大学の間だけでもやってみれば”と言ってもらえたので、2019年は就職のことを考えずにプロの試合をしてきました。でも親には就活すると約束し、それまでに自分がどこまで結果を残せるだろうかと考えてやってきましたからね。スーツで練習に行く日もあって“何やってんの”と言われたりもしています。結果残さなきゃというのもあったけれど、ここまで楽しくて充実しすぎてて、現実を見ないようにしてしまっていましたね。プロ初戦が決まったときは、武者震いじゃないですけど、興奮して震えが止まらなかったですし。あるイベントで石川直生さんとご一緒した際に、“今、仕事しててもあのときの感動に勝るものはない”とおっしゃっていましたが、“そりゃ、そうだよな”と。これまでお世話になったので、何かしら関わっていきたいという想いで就活しています」

 キックにダンスに学業、就活。めまぐるしい日々のリラックス法は?

「実は趣味らしい趣味がなくて。あまりにも世事に疎くて高校時代には“王子”ってあだ名がついていたくらいなんです(笑)。就活のエントリーシートでも困ってしまうんですよね。友達とご飯に行くのが一番楽しい。みんながワイワイしている雰囲気だけですごく楽しいんですよ。あと、甘いものは好きです! それを楽しみに減量していますね。チョコ系とか抹茶系、パフェも好きだし、最近タピオカも大好き(笑)。絶対ハマらないと思っていたんですけど、ジムの近くの美味しいお店に(村越)優汰さんに誘われたのを機にそこのタピオカだけは行きます。あとは犬を飼っていて、毎日散歩もしてるしずっと自分にべったりでめっちゃ可愛いですよ。いつも一緒に寝ているんですけど、練習でやられて帰ったときとかにワーッて甘えてきたりするんですよね。人間以上によく分かっているというか」

 甘えてくるタイプが好き?

「そうですね(笑)犬派なんで(笑)」

 大学では商学部専攻。どんな勉強を?‬

「所属するゼミでは英語で経済や貿易を学んでいます。英語を勉強するのではなく英語をツールにすることがテーマになっていて、ゼミ内にも意識の高い人はいるし留学に行く子だったり、話していいてすごく刺激になります。第一志望に受かることができて、部活引退後に受験勉強を1日12時間くらいやってましたけど、全然苦じゃなかったんで、あの頃の集中力を思い出したいです(笑)。就職活動もあるけど卒論もありますし、教職課程も履修しているので実習もあるから大変です。プロになってこんな日々を送るなんて思ってもいませんでしたからね……でも練習が厳しいせいで学業に影響してなんて言われたら悔しいので、頑張ります!」
全力疾走のライジングサン 松本日向
1998年11月13日生まれの21歳。東京都品川区出身。K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ所属。2018年に行われた「K-1カレッジ2018」の-55kg王者。2019年4月から配信された「格闘技代理戦争 4thシーズン」に皇治軍団として出場。同年9月の「KHAOS.9」で行われた「K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦」でプロデビュー。K-1選抜として出場し大将戦で同じく「格闘技代理戦争」出身の橋本実生と対戦し延長の末、競り勝ちデビュー戦を飾る。12月にはK-1名古屋大会の本戦に出場。橋本との再戦となったが、ここでも延長の末、判定勝ちでプロ2戦2勝となった。twitter:@1113_rams
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