車いすテニスプレイヤーであり、大工だった私が見つめる、東京のバリアフリー【二條実穂】

 


変わる「東京のバリアフリー」


バリアフリーはどうだろうか。


「私がよく利用している駅には、これまでは車いすユーザーが階段の昇り降りで利用する“階段昇降機”が設置されていました。利用するときには駅員さんに声掛けをして操作をしてもらうのですが、忙しそうな駅員さんに声を掛けるのが心苦しいなと思うこともありました。でも今年になり、その駅にもエレベーターが設置され、階段昇降機を使わずに移動できるようになりました。身近なところでも東京都のバリアフリー化が進んでいるのを実感しています」


 車いすで移動するからこそ見えてきた困りごともあった。


「看板の分かりづらさはまだあるかと思います。使い慣れている駅なら道が頭に入っているのですが、初めて降りる駅や路線が何本もあって複雑な駅などは、戸惑います。どこにエレベーターがあるんだろうと迷ったり、エレベーターを降りて、次どちらに進んでいいかが分からないということも。慎重派の友人は事前にネットで調べていると聞きました。“バリアフリー導線”がもっと分かりやすくなるといいなと思います」