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厳戒態勢の中、東京五輪のマラソンのテスト大会が札幌で開催

女子の部優勝の一山麻緒が本番へ弾み

vol.741

 7月から始まる東京オリンピックのマラソンのテスト大会として「札幌チャレンジハーフマラソン」が5月5日、北海道札幌市で行われた。

 ハーフマラソンは大通公園をスタートする五輪本番のコースを使って実施され、海外選手6人を含め、男女約100人が出場。五輪代表では男子は服部勇馬(トヨタ自動車)、女子は前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、一山麻緒(ワコール)の3人が出場した。女子は一山が1時間8分28秒で制し、自己記録を21秒更新。五輪へ弾みをつけた。

 五輪のマラソンは東京の8月上旬の気温がマラソンをするには暑すぎるということから2019年11月に急きょ札幌に会場が変更。今回がコースを使った初めての実戦で出場した五輪代表にとっては、コースの特徴をつかむ上で重要な“試走”になった。

 また大会運営側にとっても今大会は文字通り大事な“テストの場”。

 札幌市では5月2日に過去最多の246人の新型コロナ新規感染者が確認されるなど、4月ごろから感染が急速に拡大。同市は北海道とともに、国に「蔓延防止等重点措置」を要請する方針を固めていた。

 そんな中での開催とあって、テスト大会実行委員会は大会の約3週間前に道内外から約2500人の一般ランナーが参加予定だった全長10キロの市民マラソンは中止とした。また、沿道での密集回避のため、事前に観戦自粛を求めたうえで、当日は約2300人の警備・ボランティアスタッフのうち、およそ770人を密集回避の呼びかけ要員として配置した。

 スタート地点の大通公園周辺や、ゴール地点の北海道大周辺などでは、選手の通過時間帯を中心に、一時、一部で密集状態が生じるなどしたが、警備や交通面を含め特段のトラブルはなく終了した。

 海外から参加した6選手については自国を発つ直前に受けた新型コロナ検査で陰性が確認されており、日本入国後も実行委が毎日、検査を実施。専用車による宿舎と会場などへの移動に行動範囲を限る「バブル」方式を採用した。大会前日は、国内組も含め全選手に抗原検査を行った。

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