役所広司なき続編は成功するのか!?『孤狼の血 LEVEL2』を観てきた!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 ワクチンを打ってきました! 別に何がというわけではないんですが、一応ご報告です。

 そして今年も「妖ばなし」に 参加させて頂きまして、9月11日の朝7時30分からTOKYO MX2にて放送の予定となっております。第六十三話「虚舟」です。ご興味のある方はぜひ。

 今回は新型コロナの折、普段なら大勢で2日くらいで撮るところ、黒田1人で1カ月くらいかけて作りました。合成とかいろいろやってくれる方もいて、全部が全部1人というわけではないのですが、そんなこともあって思い入れの強い作品になってますので、ぜひ。

 さて今週も始めましょう。

黒田勇樹

 汚職を繰り返す悪徳刑事が、暴力団、マスコミ、警察までも巧みに利用し、たった一人で平和を守る。ダークヒーローものともいえるこのシリーズ。

 前回が傑作だったゆえに「役所広司さん抜きで続編って“画”がもつのか!?」と、実は懐疑的な気持ちで劇場に向かいました。

 前作のラストで役所さんから、主役を引き継いだ松坂桃李くん。

 彼が画にならないわけではなくて、なんというんでしょう、美形って整っているのでカレーライスでいえば“ライス”、しかもホッカホカに炊いた極上のコシヒカリ。そこに役所さんという“激辛のルー”が、かけられて“画”が、完成していたイメージ。

 

 どうしても「年齢」とか「人生経験」って、顔の筋肉やシワに出て、こればかりは演技の上手さとは全然別の次元で、大画面に映される、映画という媒体では、とても重要。

 誰が何と言おうと「仁義なき戦い」の後継作である本シリーズ、画面の若返りに筆者は不安を覚えていました。

 ワキを固めるのは「極妻」「アウトレイジ」「半沢直樹」など“そういうテイストの名作”でおなじみのベテラン勢。

「まあ、この辺のメンツが出てれば安心か」と、席について鑑賞を開始してみると…

 

 鈴木亮平劇場!

 

「監督もカメラマンも撮ってて楽しくて仕方がなかっただろうな!」という名演技を連発。しっかりと“新しい味のルー”になってました。

 そして、もう一人、滝藤賢一さんの”福神漬け感”!文章でいえば「ピリオド」、句読点の丸の方みたいな位置でちょくちょく出てらっしゃるんですが、顔面の味わい深さが最高で、画を引き締めてらっしゃいました。

 前作の「仁義オマージュ路線」から、今回は「韓国映画っぽい泥臭さ」にテイストをスライドさせてたのも、作品の若返りを大成功させた勝因でしょう。

「テレビのルール」が持ち込まれて以来、色々と作りづらくなった映画界ですが、こういう「古き良き路線」の「進化系」が、撮られ続けていることにとても感動。
“映画”を観たい人は、ぜひ劇場へ足をお運び下さい!

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23