鈴木伸之 Traditional<劇団EXILE the footprint -of- ACTIVITY EXTRA> ーー月刊EXILE

10月期に放送がスタートしたドラマ「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」、「恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~」2作品に出演する鈴木伸之が登場。今回は、整形外科医とヤンキーという違った役柄を演じ分ける彼に、作品の見どころや撮影時のエピソードなどさまざまなことを語ってもらった。

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─「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」がスタートしました。鈴木さん演じる辻村駿太郎の役どころ、魅力を改めて教えてもらえますか。

辻村は整形外科医でありながら、父親が大手大学病院の教授ってことに葛藤を感じていて。シーズン1ではその心情を描いていましたが、シーズン2ではひたすら本田翼さん演じる甘春杏ちゃんが好きってところがクローズアップされます。ライバルである五十嵐唯織(窪田正孝)が帰ってくるのを待って正々堂々と恋の勝負をしたいみたいな、3人の関係性がハラハラしながら展開していくという役どころです。

─シーズン1で辻村はヒール的な存在でしたが人間的に成長して変わりましたね。

シーズン1では、唯織と対立しつついろんなことがあり助けてもらって。シーズン2は互いを認め合ったところからのスタートで関係性が変わっているので、辻村のキャラクターも丸みを帯びて明るくなり、チーム全体としても問題に対してみんなで向き合うって見え方になっていると思います。

─撮影はすでに終わっているそうですが。チームワークはいかがでした?

毎日楽しくて賑やかですごくよかったです。お芝居のときは集中するけど、終わるとみんなでいろんな話をして、とにかく笑いが絶えない。ソーシャルディスタンスを取りながら常にわちゃわちゃしていました。あと広瀬(アリス)さんが朝から爆音で音楽を流していて。ヒップホップのゴリゴリのラップをガーンとかけてみんなで眠い朝を乗り越えたという、そんな現場でしたね(笑)。

─2年のタイムラグは感じなかったんですね。

同じ作品、同じメンバーで集まっているので2年経ったって感覚はあまりなく、すーっとそのまま自然に入れた感じです。監督も前回から変わったというよりシーズン1を継承していくというか。逆に何も変えないことをコンセプトにしたいとおっしゃっていたのでシーズン1と同じ意識でやりました。

─シーズン1、2と演じてきて「辻村駿太郎」という役は鈴木さんのなかでどんな存在ですか?

医療用語を覚えなくてはいけない役(笑)。小難しい用語を必死で覚えて何度も練習して大変だった印象です。「聴診器はこう持ってください」とか所作指導も毎回あって、そこで失敗できない緊張感と医療用語が出てくる不安もありました。

─医療ドラマの難しさですね。

ただ、窪田さんはすごかったです。間違えたとこを見たことなくて本当に天才です。

─集中力がすごい?

それもありますが、やっぱり自分の主演ドラマでシーズン2が決まり、2年越しに同じメンバーで集まれる作品ってなかなかないじゃないですか。そこの重圧や気合いはあったと思いますが、それにしても本当にすごい人です。でも僕も大変と言いつつ、やりきったあとホッとして爽快だったので結果よかったなと。また今回は医療現場のシーンだけじゃなく、辻村が杏ちゃんから相談を受けながらいろんなアプローチをするところも見せ場になっているので、そういったふたりのやりとりを楽しんでもらえたらうれしいです。

─楽しみにしています。そして、もうひとつのドラマ「恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜」では金沢獅子王役で出演。こちらも杉野遥亮さん演じるヤンキー君・森生のライバル役ですね。

そうですね。僕と言えば恋敵かライバル役。もう10年やってきていますから、任せてくださいってとこはありますね(笑)。

─主人公と対立する「デス・プリンス・八乙女流星」を演じたドラマ「ボクの殺意が恋をした」の中間利彦プロデューサーも「巧みな演技力とあふれる色気に鷲づかみにされる」と鈴木さんを絶賛していましたよね。

その記事は僕も読みましたけど、中間さんは優しいですよね。

─あと「魅力的な強敵がいるからこそ主人公が輝く」とも。

確かに『半沢直樹』を見てもそうですよね。僕ももっと勉強しないといけないことがたくさんあって強そうで悪そうで、絶対勝てない相手って見え方にしないと主人公のカッコよさやおいしさが半減してしまう。ただ僕の場合、体格がデカくて力が強いので、普通にやっただけで主人公の非力な感じのキャラクターと対照的に見える。そこはライバル役が合っているのかもしれないです。

─獅子王はどんなキャラクターですか?

強いだけの役ではなく不器用ながら優しくて思いやりを持っているキャラクターです。中学生のとき森生の顔にナイフで傷をつけてしまって、そのことをずっと反省していて何かあるたびに彼を気にかけているんです。で、ひょんなことから森生と一緒にレンタルDVD屋さんで働くことになるんですが、獅子王はなぜか常に森生のことが気になってしまう。だからヒロインを巡って対立するといういつものパターンとは少し違うんです。しかも森生は獅子王の気持ちにまったく気付いていないので、おもしろおかしいやりとりもあって、それを俯瞰で見るのもまた楽しいと思います。

─今回のような役どころは?

初めてです。男性である森生へのアプローチのかけ方とかもキャラクターとして演じていておもしろい。ただ、最近はそういうのも特別じゃないというか。区切りをつけるような時代でもないので一緒ですよね。女性を好きになるのと同じように、男性をひとりの人として好きになるという点では特に何も意識せずに演じることができています。

─恋をしているひとりの男であると。

そこを若干、コミカルな感じでやっていますけどね。

─現場はどんな雰囲気ですか?

いい雰囲気です。主人公の赤座ユキコを演じる杉咲(花)さんのマイナスイオンと杉野くんのほんわかした天然さと、それがあいまっている現場。特に杉咲さんのあの、癒しの空気はどうやって出てくるの? と思うぐらい優しくて人当たりがよくて、いつもそれに癒されながら仲良くさせていただいています。

─今作ではFANTASTICSの堀夏喜さんとも初共演されていますね。

よくコミュニケーションをとっているんですが堀くん、けん玉をよくやっているんですよ。流行っているらしくMYけん玉も持っていて、みんなでよく一緒にやっています。そのうち輪投げとかも始めるんじゃないかな(笑)。

─俳優の先輩としてアドバイスは?

いやいや、そんな言える立場ではないですが、堀くんは地上波のドラマにグループではなくひとりで出演するのが初めてらしく、「緊張してます」と言うので「大丈夫だよ」と言いました。初めての作品って一生忘れないと思うし、向き合う時間とか作品のことを考える時間も多分いちばん長いと思うんです。撮影が終わってもずっとそのシーンのことだったり、その役のことを考えてしまうだろうし。堀くんも彼なりに一生懸命取り組んでいるので、すごくいい3ヶ月になるんじゃないかなって思って見てます。

─見守っているんですね。

そうですね。僕も最初の作品はめちゃめちゃ楽しくて、そこからスタートできたのは本当によかったです。堀くんにも「ドラマって楽しいな」って少しでも感じてもらえたらいいなと思います。

─では最後に「恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~」の見どころをお願いします。

原作もそうですが、優しい空気が流れている作品です。目の見えない主人公だったり不良だったり、社会で少し生きづらい人たちに焦点を当てていて“普通”ってなんだろう? と問いかけているというか。松田(裕子)さんの脚本もおもしろくて、ちょっとしたセリフのなかにも考えさせられる言葉がいっぱい出てくるんです。そういうことがこのドラマのよさであり、主人公たちが成長していく姿は見ていてスカッとすると思います。僕らも、観ている方に楽しんでもらえるよう一日一日取り組んでいるので、この作品が皆さんの日々の楽しみのひとつになってくれたらうれしいです。

 

 

DRAMA information
『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』

毎週月曜21時より放送中
出演/窪田正孝、本田 翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見 ほか
原作/『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕 漫画:モリタイシ GJ/集英社)
脚本/大北はるか  
製作著作/フジテレビジョン

 

『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』

毎週水曜22時より放送中
出演/杉咲花、杉野遥亮、奈緒、鈴木伸之、田辺桃子、細田佳央太、生見愛瑠、堀夏喜(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、濱田祐太郎、ファーストサマーウイカ、戸塚純貴、古川雄大、岸谷五朗 ほか

原作/「ヤンキー君と白杖ガール」(うおやま/KADOKAWA)
脚本/松田裕子  
制作協力/AX-ON  
製作著作/日本テレビ

 

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