滝沢カレンは“謎の美女”!「自分のコンプレックスを聞かれても絶対に言いません」

撮影・堀田真央人 ヘアメイク:佐川理佳 スタイリスト:兵藤千尋

映画『土竜の唄 FINAL』で三池ワールドに参加

「『土竜の唄』シリーズのことはもちろん知っていましたが、まさか自分がこの作品に出演させていただけるなんて。しかも、あんなすてきな役で…もう感激です!」と目を輝かせるのは、モデルとして同世代の女性を中心に圧倒的支持を得、バラエティーではキュートな魅力を発揮。近年はドラマ『G線上のあなたと私』の好演やアニメーション映画『漁港の肉子ちゃん』での声優挑戦なども注目を集めた滝沢カレン。

 彼女の最新出演作『土竜の唄 FINAL』は、高橋のぼるによる大ヒットコミックスを監督・三池崇史×脚本・宮藤官九郎×主演・生田斗真という究極の組み合わせで実写化した人気シリーズの最新作にして完結編。そんな超話題作で滝沢が演じるのは、警視庁の組織犯罪対策部長という女性リーダー沙門夕磨(さもん ゆま)、通称“サーモン”。生田が演じる主人公の潜入捜査官・菊川玲二の前に、謎のセクシー美女として現れながら、その正体は、最終作戦を率いるクールなエリート上司というカッコいい役どころ。

「すごく演じたいと思った役でしたし、こんな素敵な役を任せていただいたことが本当にうれしくて、選んでいただいたからには期待に応えたいと、この世界観の中でどうサーモンさんを演じるか自分なりに考えながら臨みました」

 ドラマや映画の撮影現場は緊張するけど楽しい、と語る。

「今回の現場も本当に楽しくて、幻のような日々でした。撮影時は緊張する気持ちを何とか抑えながら、サーモンさんに恥をかかせないよう必死で演じていました。あのときは永遠に続く夢のように感じていたけれど、終わってみるとあっという間だったなと思います。こうして振り返ると自分があんなすばらしい作品の撮影現場にいたことが幻のように感じます。でも、完成した作品はこの先も残って、いろんな方に見ていただける“動くアルバム”のようなもの。私にとって一生の自慢です」

 もともと、子供のころから大の映画好き。

「とくに『千と千尋の神隠し』は、映画館に7回も見に行きました(笑)。それでも足りなくてDVDやグッズ、ガイド本を買ってもらい…。好きな作品はビデオで何度も見るので、当時、家にはビデオテープが大量にありました」

 映画が始まれば完全に世界に没頭し、エンドクレジットまで浸りきる。

「エンドクレジットで、この作品に関わったたくさんの方の名前が映し出されていって、最後の最後に流れてくる三池監督の監督の名前だけは、そこに留まって消えないんです。あれがまたかっこよくて(笑)。監督にとって作品はわが子のようなものと言いますが、今回、三池監督の作品に参加させていただき、監督の作品への愛情を感じて、本当にその通りなんだなと思いました。それに、仲里依紗さんや菜々緒さんも仰っていたのですが、三池監督って俳優さんスタッフさんみんなからすごく愛されているんです。『土竜の唄』シリーズに出演させていただいたということは、三池監督の“子ども”の1人になれたようなもの。それが本当にうれしいです」

『土竜の唄 FINAL』では、豪華俳優陣が個性的すぎるキャラクターを熱演。かっこよくもクセモノぞろいの男性キャラのうち、お気に入りは誰?

「普通に考えると“悪い人”も多いのですが(笑)、人物的な魅力としていうなら…まずは鈴木亮平さんが演じられた轟烈雄(とどろき れお)さん。好きなんですよね、ロン毛の人(笑)。髪が長い男性ってそれだけでミステリアスじゃないですか。髪を切らない理由がきっとあると思うんです。ついに登場した、轟周宝(岩城滉一)の息子という設定もかっこいいし、ものすごく強いし。烈雄さま、早く出てこないかな…と登場を待ち望んでしまうくらい好きです(笑)。でも、堤真一さんが演じられた日浦匡也さんも素敵なんです。1作目からの存在感も絶対的ですし、悪の側ではあるけれど麻薬は決して許さないという自分なりの正義も持っていて、そしてどんどん強くなっていて(笑)。今回は、この2人の関係性もドラマティックでしたね。

 そしてやっぱり生田さんが演じる主人公・菊川玲二さん。ダメダメなところもあるけど、大人になると忘れがちな、まっすぐさを決して失わない人。だからいつのまにかみんなが彼を信じてついていくんです。現場での生田さんも、まさに皆がついていきたくなる『土竜の唄』リーダーでした。本作で初めて参加させていただいた私にも、気さくに声をかけてくださって。大変な撮影も多いのに、座長として現場の共演者やスタッフにも気を配っていらっしゃる姿が印象的でした」

 劇中、玲二と捜査班メンバーの福澄(皆川猿時)の熱烈キスシーンを沙門が微動だにせず見つめるというカオスな場面は、観客も爆笑必至。

「本当に印象的…というか衝撃的な光景を目の前で見ることになりました(笑)。でもすごいなと思うのは、あれほど衝撃的なのに、ストーリーが吹き飛んじゃうということがないんです。あのおふたりが演じると『土竜の唄』ならではの爆笑シーンとして成立するというか。生田さん、皆川さんも完全に玲二と福澄となっていたので、私もあの光景を目の前にしながらも沙門としてお2人に完璧に冷たいまなざしを注ぐことができました(笑)」

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