こういうのでいいんだよ!どエンタメサスペンス映画『あなたの番です 劇場版』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 先日、東京に積もるほどの雪が降りました。積もるのはいつ以来でしょう。去年はそんなには降っていなかったような…。

 当日はもちろん、翌日の朝なんかも電車が遅れたり、道もツルツル滑ったりと皆さん大変だったと思うんですが、最近は父親というものもやっていまして、子供に雪を見せられたのはちょっと良かったかな、と思う今日この頃です。

 さあ、今週も始めましょう。

黒田勇樹

 後半に書くと「何馬鹿なことを言っているんだ」と思われそうなので先に書きますが、この映画のタイトル、クチ触りがとてもいい。
「劇場版」を後ろにつけたのも意図的なのではないかと疑ってしまいます。

 バンの後にバン!

 日本人は“バン”が大好きなんです!そして“バン”が、重なるのはもっと好き!
 ドリフの「ババンババンバンバン」だったり、ナンチャンの「ナンバラバンバンバン」だったり、エンタメの歴史の影には、必ず“バンバン”がいます。

「あなたの“バン”です 劇場“バン”」

 公式が率先して押し出している略称“あな番”でも「あな“バン”劇場“バン”」

 バンバン!に、ちゃんとなる。

 ふざけたことを言っているようですが、このタイトルというか“そのものの名前”が持つ響きってすごく重要で、何と言っても今はフリースタイルなんかが流行ってますが、江戸の頃からはダジャレ、もっと遡れば和歌だって、日本人は本能的に“韻”が大好きなんです。

 

「どエンタメ」である所以はもうここから始まっていると思います。
 まぁ、女子のアイドルグループにお〇ン子クラブとかつけちゃう人が企画原案だから、確実にこの辺も計算済みなんでしょう。

 作品の内容も「ドラマ版の“もしも”の世界」という部分が、邪魔をせず、物足りなくもなく、アガサクリスティやコナンドイルを感じさせるミステリから、ハリウッド風アクション、韓国ドラマ風のケレン味までふんだんに、そして巧みに使いまくって、徹底したエンターテイメント。

 素晴らしかったのが、最終的なテーマが「愛とか正義とか」だったこと。

 こういうエンタメ作品に「日本の裁判は正しいのか」とかみたいなしち面倒くさい話題は必要ないんです!
 横浜流星の飛び蹴りが、木村多江の奇行が面白ければ、あとはもう「誰でもわかるテーマ」で決着つけて、気持ちよく帰らせてくれればいいんですよ!!

 後味さわやかで、2時間半近い作品でしたが全く胃もたれせずに、チケット代分たっぷりと楽しませて頂けた傑作でした。

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