藤田和之と田中将斗が前代未聞の調印式。無言で35分にらみ合ってサインもせず【プロレスリング・ノア】

会見場を去る田中(©️プロレスリング・ノア)

 司会者が両者に、着席して調印書にサインをするよう促すが、2人はにらみ合ったまま微動だにせず、当然司会者の言葉にも反応しない。何度促しても2人が動かないため、調印書へのサインは後ほど個別にということとなった。これだけでも異例の事態だが、試合に向けてのコメントを求めても、やはりにらみ合ったまま。そのままの状態で質疑応答に突入し、記者から「お互いの印象は?」「どのように勝ちたいか?」などの質問が飛ぶも、2人は全く動かず。もちろん、互いに一度も目をそらさない。

 困り果てた司会者が、一度は記者会見の終了を宣言するも、やはり2人は動かない。「先に目をそらしたほうが負け」と思っているのか、まっすぐににらみ合ったまま、時間だけが過ぎていく。時折、カメラのシャッター音が響くのみ。司会者も「調印式は終了しております。両選手、ご退席いただけますでしょうか」と懇願モードに入るも、事態は動かない。無言のにらみ合いは30分を超えても続けられた。

 静寂は突然破られた。約35分が経過したところで、田中がいきなり手を伸ばして藤田がかけていたサングラスを奪うと真っ二つにへし折って投げ捨て、立ち去っていった。藤田はその後ろ姿をさらに険しい目つきでにらみつけていたが、自身も会場を後にした。