黒木香役・森田望智、山田孝之とのラブシーンは「幸せ」その言葉が示す役者としての揺るぎない覚悟

海外にも巻き起こっていた『全裸監督』旋風

　アダルトビデオ業界の伝説的人物・村西とおるに扮した山田孝之が、その劇的すぎる生きざまを驚異の熱量で演じ切り、一大旋風を巻き起こしたシーズン1。Netflixで配信されたとあって、その『全裸監督』旋風は日本のみならず海外にも巻き起こっていた様子。黒木香（佐原恵美）役・森田も海外でその人気を実感したと振り返る。

「韓国の釜山映画祭に招待された時に『全裸監督』をご存知の方がものすごくたくさんいらっしゃることに驚きました。韓国では、直訳すると『肌色の監督』と呼ばれているらしいのですが、私もまったくそんなこと知らなくて。韓国でこれほどご存知の方がいらっしゃるんだということに衝撃を受けました。SNSなどで外国語のコメントも増えました 」

　まさに全身全霊で伝説の女優を演じ切った森田に、海外からも熱いコメントが多数寄せられた。

「もう、単純に本作や私のことを知ってくださっただけでもうれしくて。あるとき、街を歩いていたら海外の方に“Are You Netflix？（＝あなたはNetflixですか？）”と聞かれたんです。私がNetflixというわけではないんだけどな…と思いつつ言いたいことは伝わったので（笑）、『全裸監督』を見て私の顔も覚えてくださったなんて、本当にありがたいと思いました」

　そんな話題作の待望の続編となるシーズン2がいよいよ6月24日から全世界同時配信。

「シーズン1の時点でシーズン2を製作するということは知っていたのですが、いよいよシーズン2の撮影となり、本当にやるんだという実感が湧いてきました。シーズン1を超えていかなければならないという難しさを思うと、緊張もしましたし不安もありました」

　母の顔色をうかがうように生きてきた恵美は、今では黒木香という時代のアイコン的存在に。シーズン2では、自分らしく生きる自信にあふれた女性として登場する。

「シーズン1を終えてシーズン2の撮影に入るまでは、コロナの影響などもあって、当初の予定が延び、1年以上間が空いたと思います。その間に、シーズン1のときより貫禄が出るようにというか、実際の黒木香さんにもっと近づくように髪の毛を伸ばしました」

　伝説的作品『SMっぽいの好き』を生み出し、新たな時代を作り上げた村西と黒木。しかしそんな2人の間に、少しずつ溝が生まれ…。

「シーズン1のときは、恵美を演じるうえで、こうなりたいと思い描く自分に向かって、本当の自分を見つけていく姿を軸としていました。シーズン2では、そんな彼女がたどり着いた“黒木香”が仮面のような存在になりはじめ、本当の自分は結局どこにいるんだろうと戸惑う状態から、その仮面を外して、自分自身に戻っていく姿を演じています。でもそれは、シーズン1の最初の恵美ではなく、黒木香さんを生きた後の恵美なんです。進化したというか、多くを経験した新たな恵美を探さなければならなかったことが、今回の難しい部分でした」